更年期に肌がゆらぐ!?頼れるスキンケア4選
つやプラ / 2021年10月16日 19時30分
40〜50代の女性は「化粧品や生活習慣を変えていないのに、急に肌トラブルが起きやすくなった」と実感している方が多いかもしれません。
美容エディター&ライターの筆者が、肌がゆらいだ時に頼っているおすすめのスキンケアアイテムをご紹介します。
■「肌のゆらぎ」も更年期の症状のひとつ!?
“更年期”と聞くと、女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」の量の減少によってホットフラッシュや便秘、イライラ、気分の落ち込み、不眠など、主に身体とメンタルへの影響を思い浮かべると思います。ですが、実は肌にも影響が出る場合があります。
エストロゲンには肌のハリ感の元となる「コラーゲン」や「水分量」を増やす働きがありますが、そのエストロゲンが減ってくるのです。さらに、女性ホルモンが減少することでコラーゲンを生み出す「線維芽細胞」も衰える傾向にあります。
その結果、たるみやシワがそれまでより目立つほか、肌全体のうるおい度も低くなり乾燥しやすくなってくるのです。
更年期+乾燥によって肌は敏感になりやすい
乾燥は肌トラブルの大敵であり、乾燥が続くと肌は敏感な状態になりやすいです。
更年期に肌が乾燥しやすくなることによって、「今までどんな化粧品を使っていてもトラブルが起きたことなんてなかったのに」という人でも肌が敏感な状態へ傾く場合があります。
■アトピー性皮膚炎が復活しかけた
筆者の更年期のゆらぎ肌は、「アトピー性皮膚炎が復活しかける」という形で表れました。
これは筆者が感じたケースですが、元々アトピー性皮膚炎の素因をもっていて、子どもの頃には症状が出ているのですが20代の半ば頃から20年近くは落ち着いていました。筆者の仕事柄多くの化粧品を試すため、新しい会社の製品を使う時はパッチテストをするなど自分なりに気をつけていましたが、長い間そこまでひどく肌荒れが起きることはあまりなかったのです。
ところが、5年前頃の2月〜3月(冬から春への季節の変わり目の頃)に、急にアトピー性皮膚炎の症状が一部に表れるという事態になり、慌てて筆者が肌荒れ時に頼っているスキンケアに切り替えてその時期を乗り切りました。
その後も同じ時期に肌荒れするという事態が2〜3度あり、その度にスキンケアでしのいでいますが、皮膚科で薬を処方してもらった年もあります。たまたまその時期に新しい製品を試してしまったという年もありましたが、季節の変わり目に肌がゆらぎやすくなっていること自体が更年期と関係していると感じています。
季節が変わる前にスキンケアを切り替える
そこで筆者は、ここ2年くらいは症状が出るより前の1月末~2月になると基本のスキンケアを敏感肌向けのものに替え、ゆらぎ時期の前にバリア機能が落ちないよう気をつけています。
筆者の場合は自分の肌状態のパターンをある程度把握しているので、「どのくらい荒れていたらこのスキンケアで乗り切ろう」「この肌状態は自分では手に負えないから皮膚科にすぐ行こう」などの判断をすることができますが、「突然肌が荒れて、今まで経験もないしどうしていいかわからない」という人は、迷わず皮膚科を受診してください。
■肌状態が不安定な時期にスキンケアを切り替える時の注意点
肌状態が不安定な時にスキンケア製品を変える場合、以下の点に注意しましょう。
低刺激処方のものを選ぶ
多くの敏感肌向けの製品は、無香料、無着色、パラベンフリー、アルコールフリーなど、肌に刺激になりそうな成分を極力配合していません。肌が荒れている時は肌に刺激になるものが極力含まれていないことが理想なので、商品のホームページやパッケージの説明をよく見て選ぶことをおすすめします。
例えば、自然由来の香りだとしても、香料が刺激になる場合があります。肌が落ち着くまでは、無香料のものを活用してみてください。
“取り去る系”のケアは控える
肌が荒れている間は、ピーリング、スクラブ、ゴマージュなどの角質除去系のケアは刺激になる場合があるので控えましょう。肌荒れしていると早くその状態を改善したいと思い、一度で見た目の効果がわかりやすい拭き取り化粧水でケアをしようと思う人が時々いますが、拭き取り化粧水はもともと肌表面に溜まっている古い角質を落とすためのケアなのでおすすめできません。
肌荒れしている部分は角質層が乱れて薄くなっていたり、角質細胞に隙間ができて外部の刺激が入り込みやすい状態になっていたりします。そこに拭き取り化粧水の成分や、“拭き取る”という物理的刺激が加わると、より悪化を招く可能性もあります。
取り去る系のケアは、肌が落ち着いて通常のターンオーバーサイクルになってからにしましょう。
肌が荒れている間は化学の力にも頼ることも考える
漠然としたイメージで「化学的なものはよくなさそう」「植物成分の方が肌にやさしそう」と感じる人もいると思いますが、肌が荒れている時は、皮膚科で処方してもらう薬を塗った方が速く回復する場合もあります。イメージだけで自然派でない製品や皮膚科の薬をさけるのではなく、トラブル部分のみには化学の力も借りる方が回復がスムーズなこともあるのです。
肌が不安定な状態の時に使っても特に大きなトラブルは起きない自然派のブランドもたくさんありますが、「ブランドの数がとても多い」「植物の成分はパワーが強い物もある」ということなどを考えると、特にコスメに詳しくない人の場合は何が肌の刺激になるかを見極めることがむずかしいと思います。
もし、自然由来の成分が入った製品を使うのなら、できるだけ購入前にテスターやサンプルで試すことをおすすめします。
■肌がゆらいだ時におすすめのスキンケアアイテム
筆者がゆらぎ肌の時に愛用しているスキンケア製品をご紹介します。
敏感肌向けとして人気の高いブランドのなかでも、敏感肌用保湿スキンケアとして特化している「トレリアン」というシリーズの美容液とクリームです。
筆者がたまたま肌に少し合わない化粧品を使ってしまい、頬に多少赤みやかゆみが出ていた時にこの2品を夜のスキンケアに使用したところ、翌朝は肌の状態が落ち着いてとても調子が良くなっていました。肌の調子が悪いと感じた時にかなり頼れるなと思い、自分のレスキューコスメとしてカウントしています。
トレリアン ウルトラ セラム/ラ ロッシュ ポゼ
画像左は、肌のバリア機能をサポートする美容液。
ブランドの特徴であるミネラルやセレンが豊富な「ターマルウォーター」と、肌の不快感を穏やかに整えるアセチルジペプチドー1セチルを独自のバランスで配合した「モイストバリアコンプレックス」が、集中的に肌を保湿して整えます。
とろんとしたジェル状で肌へのなじみが速く、少量でも肌がしっとり吸いつくような感触になります。
(20ml 税込価格3,960円 問い合わせ先:ラ ロッシュ ポゼ)
トレリアン ダーマアレルゴ ライトクリーム/ラ ロッシュ ポゼ
画像右は、上記と同じシリーズの新製品のクリーム。
皮膚の上に生息する常在菌と肌のバリア機能に着目しています。乾燥や肌荒れから肌を守る独自成分「スフィンゴバイオ―マ™」を配合しており、美容液と同様に「モイストバリアコンプレックス」も配合されています。
しっとり質感とみずみずしいライトな質感の2種類があり、画像はライトな質感のタイプです。雑菌混入を防ぎ酸化しにくくするための、独自の密閉ヘルメットパッケージはよく考えられているなと思います。
テクスチャー自体が軽く、塗った後は肌がフワフワと柔らかくなるような実感があります。
(10/21発売 40ml 参考価格4,400円 問い合わせ先:ラ ロッシュ ポゼ)
イニクス クリーミィ フォーム/マルホ
敏感肌や乾燥肌に悩む人のために開発された、皮膚医薬品メーカー「マルホ」のスキンケアブランドの洗顔料です。泡立ちが速く弾力性の高いクッション泡が立ち、肌に余分な刺激を与えずに汚れだけをしっかりと落とすことができます。
また、洗い流した後も「密着型ヒアルロン酸」がベールのように肌を包み込むので、お風呂上りにすぐ顔がつっぱるという覚えのある人におすすめの商品です。
筆者の肌が弱っている時でも刺激を感じずに顔を洗うことができました。つっぱり過ぎずシンプルに汚れを落とすだけという洗顔料は意外と見かけることが少ないので重宝しています。個人的に、かなりありがたい一品です。
(100g 通常購入税込価格2,420円 問い合わせ先:マルホ)
アルージェ モイスチャー ミストローションⅡ (しっとり)/全薬工業
敏感肌を考えたシリーズのミスト状化粧水。肌をうるおいで満たし、乱れて弱ったバリア機能を整えていきます。
こだわりの保湿成分である「天然セラミド」が配合されているのですが、その天然セラミドを界面活性剤を使わずにナノ化しているので、角層のすみずみへ浸透させることが可能です。さらに肌荒れを抑える有効成分「グリチルリチン酸2K」と「ε-アミノカプロン酸」も配合されています。
筆者はこちらの商品を長年愛用し、何本もリピートしています。季節の変わり目に何回か肌の調子がゆらぐことが続いたので、その時期の前からこの化粧水を毎日使うようにしています。
スプレー式なのでメイクの上からでも使うことができ、肌荒れしている時にも肌に直接触れずに塗布できる点もとても便利です。外出先で乾燥が気になる時には少し多めに吹きかけています。
あくまで個人の感想ですが、乾きが気にならなくなる印象が強いです。突然の肌荒れに悩んだ時にはかなりオススメです。
(150ml 税込価格2,530円/220ml 税込価格3,300円 問い合わせ先:全薬工業)
更年期は肌にも影響が出やすいなんて少しガッカリしてしまいますが、肌荒れが起きてしまっても落ち込まず、適切なスキンケアに助けてもらいながら立て直していきましょう。
(美容エディター&ライター 斎藤 真知子)
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