昼間の眠気やだるさの原因は?更年期の眠気対策4つ
つやプラ / 2022年7月30日 12時0分
「最近、昼間にだるくて仕方ない」「いくら寝ても眠くなる」などの症状でお困りの方はいませんか? もしかするとその眠気は、単なるからだの不調ではなく、更年期症状かもしれません。
横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長の医師、横倉恒雄先生、および薬剤師/臨床検査技師の木村英子さんに、更年期になると強くなる、眠気の原因・対策について教えていただきました。
■その眠気、もしかして更年期症状?簡単セルフチェック
「毎日眠いけど、更年期が原因?」「単なるからだの不調と何が違うんだろう?」といった疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。以下の項目に当てはまる場合、更年期症状による眠気の可能性があります。
チェック項目
□ほてりやのぼせ、動悸などが原因で夜眠れなくなるときがあり、そのせいで日中眠い
□夜中に汗をかいて目が覚めてしまう
□眠りが浅く、寝付いても何度も目が覚める
□なかなか寝付けない
□早朝に目覚めてしまう
■更年期に眠気が強くなる原因
更年期に眠気が強くなる原因は、主に以下のようなものです。
ホルモンバランスの変化
女性ホルモン「エストロゲン」(卵胞ホルモン)は、年齢を重ねるにつれて減少していきます。エストロゲンの低下によりホルモンバランスが急激に変化し、日中の眠気が起こりやすくなります。
加齢に伴う睡眠の質の低下
健康な人であっても、加齢に伴い睡眠の質は低下し、眠りが浅くなる傾向にあります。そのため、十分な睡眠・休養をとることができず、結果として睡眠の質が低下してしまうのです。
■今日からできる更年期の眠気対策4つ
今日から実践できる更年期の眠気対策について、具体的に紹介していきます。
(1)朝食をしっかり摂る
朝食を食べないと、脳のエネルギー源であるブドウ糖が不足し、集中力が低下したり、仕事や家事に身が入らなかったりといった現象が起きます。
結果としてからだのだるさ、眠気などの症状にあらわれがちです。まずはしっかり朝食を摂り、一日を気持ちよく始められるようにしましょう。
(2)睡眠環境を見直す
良質な睡眠をとるためには、睡眠環境を見直すことが重要になります。枕の高さやベッドマットの硬さ、掛け布団のフィット感など、自分に合ったもので眠れているかを今一度確認しましょう。
また、寝室の温度は暑すぎず、寒すぎない程度に調整することを心がけるのも重要です。
(3)適度な運動を心がける
国内外の疫学研究によると、「運動の習慣がある人には不眠が少ない」ということがわかっています。からだをしっかり動かすことを習慣にしていれば、運動後は心地よい疲労感が生まれ、夜もぐっすり眠ることができるでしょう。
(4)漢方薬を飲む
昼間の眠気を改善するにあたって、食生活や生活習慣をすぐには変えられないという方には、漢方の力を借りるという手段もあります。漢方は自然由来の成分でできており、一般的に副作用が少ないとされているのが特徴です。
更年期の眠気や疲労感には、女性ホルモンの低下で乱れた自律神経を整える漢方薬を選びます。
自律神経が整うと、ほてりなどのホルモンバランスの乱れによる不快な症状が改善されたり、ストレスが軽減されたりします。イライラや気分の落ち込みなどを安定させることで、夜間の睡眠をサポートするのです。
また、胃腸機能をよくすることで栄養素の消化吸収を高めるほか、血を増やして血流を改善し、代謝や免疫力を上げることで、疲れにくくすることもできます。
漢方は、毎日決められた量を飲むだけでよいため、手軽に始めることができます。
眠気にお悩みの方におすすめの漢方薬
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
精神不安があって動悸、めまい、のぼせなどがある方に用いられます。高血圧による動悸・不安・不眠などにもアプローチできます。
加味逍遙散(かみしょうようさん)
頭痛、肩こり、のぼせ、倦怠感などがある方に用いられます。他にも冷え症やイライラなどにもアプローチできます。
加味帰脾湯(かみきひとう)
虚弱体質で血色が悪い方に用いられます。
漢方にはさまざまな種類があるため、「どれを選んだらいいかわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自分に合った漢方を選ばなければ、思ったような効果が得られないこともあれば、副作用が生じてしまう可能性もあります。
そんなときは、薬のプロから自分に合った漢方を選んでもらえるオンラインのサービスがおすすめです。自分に合った漢方を自宅まで届けてくれるサービスもあるため、気になる方は試してみるのもいいでしょう。
■更年期の眠気はしっかり対策!
更年期障害はつらいものですが、しっかり対策をすることで症状を軽減できます。毎日の食生活や生活習慣に気を付け、気持ちよく過ごせるようにしましょう。
また、漢方の力を借りるのもおすすめです。漢方薬は自分の体質やタイプに合ったものを選ぶことにより効果が発揮されるので、まずは専門家に相談することをおすすめします。
【監修医:横倉恒雄(よこくらつねお)先生 プロフィール】
医学博士/医師(婦人科、心療内科、内科など)。横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。著書『病気が治る「脳」の健康法』『脳疲労に克つ』他。
【漢方部分監修者:木村英子(きむらえいこ)さん プロフィール】
薬剤師/臨床検査技師/Vedic Healers Ayurveda basic course 修了。検疫所、病院にて公衆衛生・感染症現場を経験した後、インドでアーユルヴェーダに出会う。現在はAIを活用し、お手頃価格で漢方を自宅に届けてくれるあんしん漢方にて活躍中。
【前回の記事】
・更年期に●●は逆効果?やってはいけないNG対策
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