40・50代に多いめまい、耳鳴り…医師に教わる原因と対策
つやプラ / 2022年9月24日 12時0分
年齢を重ねるにつれて急に増えてくるからだの症状として、「めまい」「耳鳴り」があります。
めまいや耳鳴りは更年期を迎えた40・50代女性に良くみられる症状です。ひどくなってくると日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。
医師の木村眞樹子さんに、めまいや耳鳴りの原因・対策方法について教えていただきました。
症状に悩んでいる方、改善したいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
■つらいめまいや耳鳴り。その原因は?
めまいや耳鳴りの原因は、一体どんなものでしょうか? ご紹介します。
女性ホルモンの減少
閉経の前後である更年期。年齢を重ねるにつれ女性ホルモンの一種であるエストロゲンが減少すると、血圧や血流に悪影響が及ぼされます。その結果、耳鳴りが起こりやすくなるのです。
また、エストロゲンが減少することにより自律神経も乱れてしまい、めまいも引き起こされます。
高血圧
40・50代になると、血圧も上がりやすくなります。血圧が上がるとめまいや耳鳴り、頭痛などの症状につながることもあります。
加齢
加齢もひとつの原因です。年齢が上がるにつれ感覚器官も衰えていくため、めまいや耳鳴りが起きやすくなります。
■日常生活で取り組めるめまい・耳鳴り対策法
具体的に日常生活で取り組める、めまいや耳鳴りの対策方法を紹介します。
ビタミンBを摂る
めまいや耳鳴りの対策として、食生活を改善するという方法があります。とくに、ビタミンBには末梢神経の代謝を良くする作用があり、耳鳴りやめまいに悩む方にもおすすめです。
とりわけ摂取すべきなのはビタミンB12であり、貝類、青魚などに含まれています。
耳をマッサージする
耳のマッサージを行い血行を良くするのもひとつの手段でしょう。耳の中の血液循環が悪いと、めまいや耳鳴りが起きやすくなるのです。
耳つぼを刺激するマッサージ、耳もみなどを試し、耳をほぐすことを心がけましょう。
からだを急に動かさないようにする
「頭を急に動かすことによりめまいが起き、ふらふらした」という経験がある方もいるのではないでしょうか。
めまいや耳鳴りに悩む方は、無理にからだを動かさないよう気をつけましょう。
漢方薬を飲む
めまいや耳鳴りを治したいという方には、からだの内側からの回復を目指す漢方薬を服用するというのもおすすめです。
漢方薬は、めまいの治療にも使われていて、毎日決められた量を服用するだけでいいので、手軽に始められ続けやすいというのも利点でしょう。
めまいには、「ホルモンバランスや自律神経を整える」「血流改善によって三半規管の機能を回復させる」などの作用のある漢方薬から選びます。
また、めまいの原因としては、ストレスや寝不足、過労なども考えられます。漢方では、それらに対してアプローチすることでも、根本改善を目指します。
さらに、漢方薬は自然由来の成分でできているため、一般的に副作用が少ないという特徴もあります。
耳鳴りやめまいに悩む方におすすめの漢方薬
めまいや耳鳴りに悩む方におすすめの漢方薬を紹介します。
五苓散(ごれいさん)
めまいだけでなく、頭痛や吐き気などにも使われます。利水作用といい、体内の水分を調節することで症状に働きかける方剤です。
半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
耳鳴りのほか、めまいや頭痛がある方に処方される漢方薬です。そのほか、加齢による体力の低下、疲労などにもアプローチします。
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
更年期にありがちな、のぼせを伴うめまいに悩む方におすすめです。そのほか、胃腸の炎症症状やイライラなどの精神症状にも用いられます。
漢方薬服用の注意
「毎日の生活に漢方薬を取り入れてみたいけれど、自分に何があっているかわからない」と感じている方もいるのではないでしょうか。自分の体質や症状にあった漢方薬を選ばなければ、望んだ効果が得られないことはもちろん、ひどい時には副作用が生じてしまう恐れもあります。
体質に合った漢方薬を薬のプロが選んでくれるようなオンラインサービスもあるため、試してみるのもいいでしょう。
■症状がひどい場合は、病気が隠れている可能性も
ひどいめまいや耳鳴りの原因は、更年期だけではありません。めまいや耳鳴りが気になる場合、メニエール病や前庭神経炎である可能性もあります。メニエール病はストレスや悪天候など、前庭神経炎は風邪や耳鼻の感染症などが要因となり、めまいや耳鳴りの症状を引き起こします。
症状がひどくおさまらない場合は、更年期だけが原因と決めつけず、早めに医療機関を受診しましょう。
■めまいや耳鳴りを乗り越えて快適に過ごそう!
何かとからだや心のトラブルが多い更年期。快適に過ごすためにも、食生活の改善やマッサージなど、まずは日常生活のなかでできる対策を始めてみましょう。また、専門家に相談して漢方薬を取り入れることも視野に入れてみましょう。
【監修医:木村 眞樹子(きむらまきこ)先生 プロフィール】
医師。医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科にて臨床に従事。妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならないからだをつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットをいかしつつ漢方の処方も行う。また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。
【前回の記事】
・更年期世代は要注意!40・50代女性に起こる不調6つ
・更年期のイライラはなぜ?原因とセルフケア4つ
・口臭、歯周病…更年期の口腔トラブル解消ケア3つ
・これは更年期?間違えやすい症状の見分け方
・昼間の眠気やだるさの原因は?更年期の眠気対策4つ
・更年期に●●は逆効果?やってはいけないNG対策
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