実は40・50代の半数が悩んでる?医師が教える尿もれ対策
つやプラ / 2022年9月29日 20時30分
「最近、尿もれがひどくなってきた」「まだ40代なのに尿もれすることがあり、困っている」、そんな悩みを持っている方はいませんか?
実は40・50代の半数が尿もれについて何かしらの悩みを抱えているといわれています。もはや尿もれは、高齢者だけの悩みではないのです。
今回は、横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長の医師、横倉恒雄先生、および薬剤師/臨床検査技師の木村英子さんに、尿もれの原因や対策方法について教えていただきました。
尿もれに悩む方におすすめの漢方薬も紹介しているため、参考にしてください。
■40・50代で尿もれが起こる理由とは?
40〜50代女性に尿もれが起こりやすい理由とはどのようなものでしょうか。ご紹介しましょう。
女性ホルモンの減少
年齢を重ねるにつれ、女性ホルモンであるエストロゲンが不足し、からだは閉経へと向かっていきます。
膀胱や膣を活性化させる働きを持つエストロゲンが減少することにより、頻尿や尿もれといった症状が起きやすくなってくるのです。
骨盤底筋のゆるみ
からだの中で膀胱を支えているのは「骨盤底筋」と呼ばれる筋肉です。更年期や閉経前後などの時期に差し掛かると、筋肉に弾力がなくなってくるため、段々と骨盤がゆるんできます。
とくに、骨盤底筋群がゆるむと尿道を閉じる力が弱まり、結果として尿もれが起きやすくなってしまうのです。
精神的なストレス
ストレスを受け自律神経が乱れることにより、尿もれを引き起こしてしまうこともあります。この場合は、ストレスをためない生活を心がけることが重要です。
■どんなときに尿もれしやすいの?
日常生活のなかで尿もれしやすい場面としては、下記のようなものが挙げられます。
・くしゃみをする
・重いものを持つ
・大笑いする
・ジャンプする
このような形で、お腹に圧がかかったときに尿もれが起こりやすいことがわかります。
■今日から実践!医師が教える尿もれ対策4つ
早速今日から実践することができる尿もれ対策について、ご紹介します。
骨盤底筋を鍛える
膀胱を支えている骨盤底筋を鍛えることにより、膀胱や尿道のグラつきが安定し、尿もれの改善が望めます。骨盤底筋にアプローチするエクササイズなどを行い、ゆるんできた骨盤を鍛えるようにしましょう。
腹筋を鍛える
腹筋の筋力が低下すると、尿もれが起きやすくなります。骨盤底筋と同時に腹筋も鍛えれば、尿もれを防ぐのに役立つでしょう。
利尿作用のある飲み物を摂りすぎない
コーヒーや紅茶などカフェインが含まれる飲み物は、利尿作用があるため、飲み過ぎると頻繁にトイレに行かなくてはならなくなります。
尿もれが気になるときには、利尿作用のある飲み物はなるべく摂らず、水などを中心に飲むことをおすすめします。
漢方薬を服用する
また、尿もれに悩んでいる方は、漢方薬の力を借りるのもおすすめです。
尿もれの原因は、加齢による腹筋や膀胱の筋力の低下、ストレス、過剰な排泄を抑える働きの低下などと考えられます。
尿もれには、「膀胱の機能を正常化する」「ゆるんだ筋肉を引き締める」「自律神経の乱れを整え、排尿のコントロールをする」などの作用がある生薬を含む漢方薬から選びます。
漢方薬は西洋薬とは異なり自然由来の成分でできているため、一般的に副作用が少ないとされています。
また、ひとつの症状に対し強い効果を発揮する西洋薬とは違い、体質の根本改善を行うことができるのも、漢方薬の特徴です。
毎日の生活習慣や食生活をすぐに変えることができないという方でも、漢方薬であれば毎日決まった時間に飲むだけで良いため、手軽に始めることができるというのも利点です。
尿もれに悩む方におすすめの漢方薬
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
お腹に力が入ったときに尿もれをしてしまうという方は、膀胱を支えている骨盤底筋群がゆるんでいる可能性があります。その場合は筋肉に働きかけるこちらの漢方薬がおすすめです。
八味地黄丸(はちみじおうがん)
「何度もトイレに立ってしまう」といった頻尿の症状をお持ちの方はこちらの漢方薬がおすすめです。からだを温めることにより、泌尿器機能低下を改善することができます。
しかし、漢方薬にはさまざまな種類があるため、どの漢方薬が自分にあっているかわからないと思っている方もいるのではないでしょうか。
自分に合った漢方薬を選ばなければ、思い通りの効果が得られないどころか、副作用が生じてしまう恐れもあります。
自分に合った漢方薬をプロが選んでくれるようなオンラインサービスもあるため、気になる方は試してみるのもいいでしょう。
■しっかり対策して尿もれを乗り越えよう!
尿もれがひどくなると、日常生活に影響を及ぼします。からだを鍛え飲み物などに気を配ることにより、しっかり対策して尿もれを乗り越えましょう。また、専門家に相談して漢方薬に頼るのも一案です。
【監修医:横倉恒雄(よこくらつねお)先生 プロフィール】
医学博士/医師(婦人科、心療内科、内科など)。横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。著書『病気が治る「脳」の健康法』『脳疲労に克つ』他。
【漢方部分監修者:木村英子(きむらえいこ)さん プロフィール】
薬剤師/臨床検査技師/Vedic Healers Ayurveda basic course 修了。検疫所、病院にて公衆衛生・感染症現場を経験した後、インドでアーユルヴェーダに出会う。現在はAIを活用し、お手頃価格で漢方を自宅に届けてくれるあんしん漢方にて活躍中。
【前回の記事】
・40・50代に多いめまい、耳鳴り…医師に教わる原因と対策
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