更年期以降骨折が増える!?隠れ骨粗しょう症を防ぐには?
つやプラ / 2022年10月30日 20時30分
「更年期以降、骨折が増える」という話を聞いたことはありませんか?
更年期には骨がもろくなることにより、骨密度が低下し、骨粗しょう症になるリスクも高まってしまいます。
今回は、横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長の医師、横倉恒雄先生、および薬剤師/臨床検査技師の木村英子さんに、骨粗しょう症について教えていただきました。
「隠れ骨粗しょう症」を防ぐために、ここで紹介する予防法を実践してみましょう。
■更年期には骨がもろくなる!?
年齢を重ね更年期に差し掛かると、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが減少します。
エストロゲンは、骨を作る細胞と壊す細胞のバランスを調節するはたらきを担っていることから、エストロゲンの減少により骨密度が低下し、骨粗しょう症になるリスクが高まるのです。
その結果、若いときよりも骨折しやすくなるなどの現象が起こります。
■骨粗しょう症になるとどうなるの?
骨粗しょう症の代表的な症状を紹介します。
閉経を迎えた女性が多くなる60歳くらいから、骨粗しょう症によって以下のような症状がでるリスクが高まります。
背中や腰が曲がりやすくなる
骨粗しょう症になると、骨がもろくなり、腰骨や背骨がからだの重みに耐えられなくなることにより、背中や腰が曲がりやすくなります。
見た目の問題だけではなく、痛みが伴ったり、歩行に支障が出てしまうこともあるでしょう。
骨折しやすくなる
骨がもろくなることにより骨密度が低下し、わずかな衝撃が加わっただけで骨折しやすくなることもあります。
身長が縮む
骨粗しょう症により背骨が変形したり、背骨の圧迫骨折を起こしたりすることが原因で、身長が縮むというリスクもあります。
「若い頃と比べて身長が低くなってきた」と感じている方は、骨粗しょう症の検査を行うというのも一案でしょう。
ここで紹介したもの以外にも、痛みなどがなく明確に症状が出ない「隠れ骨粗しょう症」になる人も多くいます。早い人では40代でも骨折しやすくなるケースもあるので、注意が必要です。
■40代から予防のために取り組みたいこと
骨粗しょう症対策として、おすすめの予防法を紹介いたします。
軽い運動を心がける
運動し、体重の負荷をかけることにより、骨は丈夫になります。
無理な運動をする必要はないので、ウォーキングのような軽めの運動を毎日続けることが重要です。
日光を浴び、ビタミンDを生成する
健康な骨を維持するために欠かせない栄養素として挙げられるのは、「ビタミンD」です。
日光を浴びることにより体内でビタミンDをつくり出すことができるので、日光浴や散歩などを日常生活に取り入れ、太陽の光を浴びるように心がけましょう。
また、ビタミンDが含まれるきのこ類や魚類を積極的に食べるようにするというのも一案です。
自治体の検診や骨密度チェックを受ける
不安な場合はひとりで判断せず、自治体の検診を受ける、骨密度チェックを受けるなど、早期発見・早期治療を心がけることも重要です。
漢方薬を飲む
また、骨粗しょう症の予防や改善には、漢方薬を取り入れるという方法もあります。
骨粗しょう症に対しては、「ホルモンを分泌し、カルシウムの吸収をよくする」「肝臓や腎臓の機能を回復し、ビタミンDを活性化させることでカルシウムの吸収を促進する」というはたらきをもつ生薬を含む漢方薬を選びます。
漢方薬は自然由来の成分でできているため、一般的に副作用が少ないとされています。また、ひとつの症状に対して強い効果を発揮する西洋薬とは異なり、体質を根本的に改善する役割を担うというのも漢方薬の特徴です。
さらに、毎日決められた量を飲むだけでいいので、運動や食事療法などの手間もなく、手軽に始めることができるというのも利点のひとつでしょう。
骨粗しょう症におすすめの漢方薬
八味地黄丸(はちみじおうがん)
加齢に伴い、夜間頻尿や冷えが感じられるようになったという方におすすめの漢方薬です。からだを温め、腎を補うことでからだの活気や潤いを補う役割があります。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
冷えのぼせがあり、肩こりのある方におすすめの漢方薬です。血(けつ)を補い、血の滞りをよくすることで、婦人科系疾患に用いられます。
漢方薬にはさまざまな種類があるため、「どれを選んだらいいかわからない」と思っている方もいるのではないでしょうか。適切な漢方薬を選ばなければ、思ったような効果が得られないどころか、副作用が生じてしまうリスクも考えられます。
薬のプロが自分に合った漢方薬を選んでくれるようなオンラインサービスもあります。気になる方は試してみるのもいいでしょう。
■骨粗しょう症は早めの対策が肝心!
年齢を重ねるにつれ、骨は段々ともろくなっていきます。早めに対策、予防を行うことにより、骨粗しょう症のリスクを減らすようにしましょう。
また、根本から見直したいという方は、漢方薬を服用するというのもひとつの手段です。
【監修医:横倉恒雄(よこくらつねお)先生 プロフィール】
医学博士/医師(婦人科、心療内科、内科など)。横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。著書『病気が治る「脳」の健康法』『脳疲労に克つ』他。
【漢方部分監修者:木村英子(きむらえいこ)さん プロフィール】
薬剤師/臨床検査技師/Vedic Healers Ayurveda basic course 修了。検疫所、病院にて公衆衛生・感染症現場を経験した後、インドでアーユルヴェーダに出会う。現在はAIを活用し、お手頃価格で漢方を自宅に届けてくれるあんしん漢方にて活躍中。
【前回の記事】
・閉経後は何が変わる?40・50代から備えるべきこと
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・実は40・50代の半数が悩んでる?医師が教える尿もれ対策
・40・50代に多いめまい、耳鳴り…医師に教わる原因と対策
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