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更年期症状の医療治療のメリットとデメリット

つやプラ / 2023年1月4日 19時30分

更年期症状の医療治療のメリットとデメリット

年齢を重ねるにつれ悩む方も多くなってくる更年期症状。症状がひどくなると、日常生活に支障をきたすこともあります。

そんな更年期症状には、医療治療という選択肢もあります。では、どんな治療法があり、それらの治療法にはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

そこで今回は、横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長の医師、横倉恒雄先生、および薬剤師/臨床検査技師の木村英子さんに、更年期症状に対する医療的な治療法について教えていただきました。

■更年期症状の医療治療とは?

更年期症状の医療治療/メリットとデメリット

更年期症状にはさまざまな要因が複雑に関与しているため、医師による十分な問診が必要です。

まずは生活習慣の改善や心理療法を試みて、それでもよくならない場合には薬の服用をおこなう必要があるでしょう。

以下、更年期症状の医療治療について、詳しくご紹介します。

■ホルモン補充療法

更年期症状を改善するための治療法として、ホルモン補充療法というものがあります。

更年期になると卵巣の機能が低下し、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが減少します。ホルモンのバランスが崩れることにより自律神経のバランスも崩れ、更年期症状が悪化していくのです。

ホルモン補充療法とは、更年期に減少しがちな女性ホルモン(エストロゲンと黄体ホルモン)を外から補充すること。更年期症状を改善する医療治療のひとつとしておすすめです。

ホルモン補充療法は医師の診断によって、健康保険が適用になります。医師と相談しながら自分に合う治療法を選びましょう。

ホルモン補充療法の種類

ホルモン補充療法には、内服薬と経皮薬があります。

内服薬の場合、毎日服用します。成分が腸管から吸収されるタイプで、薬が胃腸や肝臓を通るため、内臓に負担がかかることもあります。

経皮薬には貼り薬と塗り薬があります。貼り薬は小さな絆創膏のようなテープ(パッチ)を下腹部に貼り、1週間に2回程度貼り替えます。現在、ホルモン補充療法では、この方法が主流となっています。塗り薬は下腹部や腕、太ももなどに毎日塗ります。

貼り薬や塗り薬は成分が皮膚から血管に吸収されるので、胃腸や肝臓への負担がかかりません。ただし、人によっては皮膚がかぶれることもあります。

ホルモン補充療法のメリット

ホルモン補充療法のメリットは、のぼせやイライラ、ほてり、発汗など、気になる更年期症状を軽減することができる点。

更年期症状が悪化すると体調を崩しやすくなり、日常生活を送るのも困難になる場合があります。そういった際にホルモン補充療法を行うことで、体調を安定させることができるでしょう。

ホルモン補充療法のデメリット

ホルモン補充療法によって、不正出血や乳房の張り、吐き気などの副作用を生じることがあったり、定期的に通院しなければいけなかったりと、なかには血栓症・乳癌・子宮体癌などを起こすデメリットもあるため、必ず医師の指導の下で治療が必要です。

■漢方薬による治療

漢方薬で更年期症状を治療するという手段もあります。

漢方薬は、ホルモンバランスの乱れを整えることで更年期症状を根本改善します。

さらにそれだけでなく、「自律神経を整えてイライラや落ち込みを改善する」「血流を改善してホットフラッシュやめまいを改善する」「筋肉や内臓の機能を回復して身体症状を改善する」などの諸症状にもアプローチを行います。

漢方薬による治療のメリット

漢方薬は、日本産婦人科学会でも薬物治療として推奨されています。更年期障害の治療では、ホルモン補充療法以外に漢方薬の使用も標準治療のひとつになっています。

漢方薬は自然の生薬の組み合わせで作られており、心とからだ全体の乱れたバランスを回復させる働きを持つので、多彩な症状を訴える更年期女性に対して特に有効とされています。

漢方薬は自然由来の成分でできているため、一般的に副作用が少ないとされています。また、毎日決められた量を飲むだけで良いので、手軽に始めることができるというのも利点です。

漢方薬による治療のデメリット

自分の体質に合う薬を見つけることができれば、体質の改善を目指すことができる漢方薬治療。

しかし漢方薬は、ひとつの症状に強い効果を発揮する西洋薬とは異なり、体質の根本改善を目的としています。

また個人の体質や症状にも違いがあるため、すぐに効果が出ない場合もある、というデメリットもあります。

更年期症状にお悩みの方におすすめの漢方薬

加味逍遙散(かみしょうようさん)

気分の落ち込みやイライラ、ホットフラッシュなどの、更年期障害にアプローチすることができる漢方薬です。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

頭痛、冷えのぼせ、めまい、肩こりなどの更年期障害にアプローチすることができる漢方薬です。

更年期のトラブルは、漢方を服用してすぐに効果を感じられることもあります。

慢性的にイライラやのぼせなどがある場合には、中長期的な服用で体質からの改善を目指しましょう。

漢方薬を服用する際は、自分のからだに合ったものを選ぶことが何よりも大切です。せっかく漢方薬を服用しても、体質に合っていなければ思ったような効果が得られないどころか、副作用が出る可能性もあります。

そのため、漢方薬を服用する際は詳しい専門家に相談すると安心です。最近では、薬剤師がオンラインで自分に合う漢方薬を選んで、自宅に届けてくれるサービスもありますので、試してみるのもいいでしょう。

■放置しないで、まずは相談を

更年期症状の医療治療/メリットとデメリット

更年期症状には、別の病気が隠れている可能性もあります。

適切な治療方法を選ぶためにも自己判断せず、不安なことがある場合は症状を放置せずにまず受診することが大切です。

■つらい更年期症状を乗り越えよう!

日常生活に負担があらわれるほどつらい更年期症状は、医療の力を借りて治療するというのもひとつの手段です。

自己判断で放置せず、不安な場合は医師に相談することをおすすめします。

【監修医:横倉恒雄(よこくらつねお)先生 プロフィール】

更年期に●●は逆効果?やってはいけないNG対策

医学博士/医師(婦人科、心療内科、内科など)。横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。著書『病気が治る「脳」の健康法』『脳疲労に克つ』他。

【漢方部分監修者:木村英子(きむらえいこ)さん プロフィール】

更年期に●●は逆効果?やってはいけないNG対策

薬剤師/臨床検査技師/Vedic Healers Ayurveda basic course 修了。検疫所、病院にて公衆衛生・感染症現場を経験した後、インドでアーユルヴェーダに出会う。現在はAIを活用し、お手頃価格で漢方を自宅に届けてくれるあんしん漢方にて活躍中。

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