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意外に先のことじゃない?40・50代がすべき認知症予防

つやプラ / 2023年1月10日 12時0分

意外に先のことじゃない?40・50代がすべき認知症予防

「認知症なんてまだまだ先の話」「自分には関係ない」と思っていませんか?

40・50代のうちから認知症を予防しておくことによって、発生や進行を遅らせることができます。日頃の心がけ次第で認知症を予防できるのであれば、気をつけておくに越したことはありません。

今回は、医師の木村眞樹子さんに、認知症予防について教えていただきました。認知症を予防したいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。

■認知症は40代から予防したほうがいいって本当?

意外に先のことじゃない?40・50代がすべき認知症予防

認知症とは、脳の障害や病気などのさまざまな原因をきっかけとして、認知機能が低下し、日常生活に支障が出てくる状態のことを指します。

認知症にはいくつかの種類があり、脳の一部が萎縮することによって起こるアルツハイマー型認知症や、脳血管障害による血管性認知症などが挙げられます。

また、認知症ほど日常生活に支障をきたすことはなくとも、記憶力などの認知機能が低下しており、正常とは言い難い状態のことを「軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)」とも呼びます。

この段階から積極的に運動するなど早期予防を心がけることにより、認知症の進行を遅らせることもできます。

■40・50代から始める認知症予防術

意外に先のことじゃない?40・50代がすべき認知症予防

40・50代から始めることができる認知症予防術についてご紹介します。

魚中心の健康的な食事を意識する

栄養バランスを考えた食事を摂ることもまた、認知症予防には重要な要素です。

とくに、青魚には脳の血流を良好にするDHAが含まれており、認知症予防に欠かせない栄養素のひとつです。

有酸素運動をする

有酸素運動を行い体内に酸素をとり入れることにより、血液循環が良好になり脳の働きも活性化します。

また、運動は動脈硬化のリスクを下げるだけでなく、認知機能を高める効果もあるといわれているので、無理のないペースでウォーキングなどの有酸素運動をすることが大切です。

対人ゲームをする

囲碁やトランプ、将棋などの対人ゲームをすることにより、脳に刺激を与えることができるため、認知症の予防になります。

また、ゲームを通じて相手とコミュニケーションをとることは、脳の活性化にもつながるでしょう。

睡眠時間を6時間以上とるようにする

認知症予防には6時間以上の睡眠が望ましいです。

タンパク質の一種であるアミロイドβが脳内にたまることで脳は萎縮しますが、このアミロイドβは起きているときに増え、睡眠時に減るということがわかっています。質のよい睡眠に入ると、アミロイドβが脳の血管から脳外に排出されます。

日中はしっかり日光を浴び、規則正しい生活を心がけて、質のよい睡眠をとれるように心がけましょう。

漢方薬を飲む

また、認知症対策には、漢方薬の活用もおすすめです。「中年期以降の物忘れの改善」などの症状に効果が認められている漢方薬もあります。

認知症は、加齢による記憶力や認知機能の衰えに加えて、ストレスや過労などにより血管が収縮して血流が悪くなり、脳に栄養が十分に行き渡らないことが原因と考えられています。

認知症対策には、「血流を促して脳の働きをよくしたり、脳の老化を抑えたりする」「自律神経のバランスを整える」「消化・吸収機能をよくして疲れをとる」などの働きの生薬を含む漢方薬が選ばれます。

漢方薬は自然由来の成分でできているため、一般的に副作用が少ないとされています。また、ひとつの症状に強い効果を発揮する西洋薬とは異なり、症状や体質の根本改善を目的としているといった特徴もあります。

さらに漢方薬は、毎日決められた量を飲むだけでよく、食事療法や運動などの手間もないということで、手軽に始めることができるというのも利点でしょう。

認知症対策におすすめの漢方薬

人参養栄湯(にんじんようえいとう)

「人参」や、中年期以降の物忘れの改善に効果がある「遠志(おんじ)」などが含まれている人参養栄湯は、体力低下や食欲不振におすすめの漢方薬です。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

血(けつ)の流れを良好にすることにより、貧血ぎみの方の足腰の冷えや肩こりなどに効果がある当帰芍薬散もおすすめです。「芍薬(しゃくやく)」には記憶障害を改善する作用もあるという報告がなされています。

認知症対策が気になる場合には、中長期的な服用で体質からの改善を目指しましょう。

しかし、漢方薬を選ぶ際は、ご自身の体質・状態に合っているかがとても大切です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。

そのため、服用前には漢方に詳しい医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

■意外な落とし穴?認知症予防の留意点

意外に先のことじゃない?40・50代がすべき認知症予防

上記の認知症予防術を実践するにあたり、注意した方がいいことをご紹介します。

ストレスをためない

認知症の予防には、ストレスをためないことが重要になります。ストレスがたまりストレスホルモンが分泌されると、血流が悪くなることにより脳に必要な栄養素が届かなくなります。

認知症を発症する原因はストレスだけではありませんが、適度にリフレッシュするなどして日常生活のなかでのストレス解消を心がけることが重要です。

認知症を正しく理解して、過度に恐れない

認知症を過度に恐れるあまり発見が遅れたり、心配しすぎることによりストレスがたまったりすることもあるでしょう。

症状や病気を正しく理解し、早めに対策や治療を受けることで、今後の生き方をしっかり考えることができます。

■認知症は早期発見が重要!

認知症は過度に恐れることなく、早期発見・早期治療を行うことが重要です。

40・50代のうちから認知症に向き合い、日常生活のなかでしっかり予防していく必要があるでしょう。

【監修医:木村 眞樹子(きむらまきこ)先生 プロフィール】

監修医:木村 眞樹子(きむらまきこ)先生

医師。医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科にて臨床に従事。妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならないからだをつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットをいかしつつ漢方の処方も行う。また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。

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