更年期に生理が長引く…生理のトラブル原因と対処法
つやプラ / 2023年1月15日 19時30分
![更年期に生理が長引く…生理のトラブル原因と対処法](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/lar/lar_454061_0-small.jpg)
「あまりにも生理が長く続く」「生理のときの出血が止まらない」といった悩みを抱えている方はいませんか?
実はその症状は、更年期にありがちなものなのです。どうして更年期に生理が長引いてしまうのでしょうか。
今回は、横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長の医師、横倉恒雄先生、および薬剤師/臨床検査技師の木村英子さんに、更年期に長引いてしまう生理について教えていただきました。
生理が止まらない、出血量が多いなどの悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてください。
■生理がなかなか止まらない……更年期女性に多い生理トラブルとは?
閉経を控えている更年期という時期は、生理が不安定になりやすい傾向にあります。そのため、生理がなかなか止まらない、月に何回も生理がくる、不正出血といったトラブルが起こりやすくなってくるのです。
■更年期に生理が止まらない原因は?
それでは、更年期に生理が止まらなくなる原因は、どのようなものが挙げられるでしょうか。詳しくご紹介します。
ホルモンバランスが乱れている
更年期は女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量が減少することにより、ホルモンバランスが乱れやすくなります。
ホルモンバランスが乱れることにより、血のかたまりがたくさん出るなど、出血量が多くなる傾向にあります。
子宮がんなどの病気
また、あまりにも出血が止まらない場合は、子宮腺筋症や子宮体がんなどの病気が隠れている可能性もあります。
特に子宮体がんになる年代は、ちょうど更年期あたりの50代頃がピークです。月経不順になりやすい方などは、特に注意が必要でしょう。
女性ホルモンが分泌されていない
女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が減少することでもまた、生理が安定せず、出血量が増えたりダラダラと続いたりすることがあります。
エストロゲンは10代後半〜20代頃をピークに最も多く分泌され、更年期である40〜50代頃、急激に減少します。
■なかなか止まらない生理の対処法
更年期になかなか止まらない生理の対処法についてご紹介します。
生活スタイルを見直す
ホルモンバランスは、生活スタイルの乱れによって崩れやすくなります。
早寝早起き、バランスの良い食事など、規則正しい生活を心がけることにより自律神経が整い、ホルモンバランスも良くなっていく可能性があるため、まずは生活スタイルを見直す必要があるといえるでしょう。
病院で検査をする
止まらない生理の裏に病気が隠れている場合、重症化する前に病院で検査をする必要があります。
早期に発見することにより進行を防ぐこともできるため、下着を汚すほどの出血がある、下腹部に強い痛みを感じるなど、少しでも不安なときは医師に相談するようにしましょう。
ホルモン補充療法などを検討する
エストロゲンの分泌量が減っていることで生理が止まらない場合は、ホルモン補充療法などを検討するというのも1つの手段でしょう。
ホルモン補充療法を行うことにより更年期症状の改善も見込まれるため、のぼせやほてり、発汗など、さまざまな更年期症状に悩んでいる方にもおすすめです。
体質改善を目指すためには漢方薬もおすすめ
止まらない生理や不正出血に悩んでいる場合、内側からの改善を目指す漢方薬を活用するというのも一つの方法です。
生理が止まらない原因としては、ホルモンバランスの乱れや血流の乱れ、冷え、過労などが考えられます。
このような生理に関するトラブルの改善には、「血流を良くして子宮や卵巣の機能を回復する」「冷えや疲労によるホルモンバランスの乱れを改善する」などの働きがある生薬を含む漢方薬を選びます。
漢方薬はこころと体のバランスを回復させる働きを持つため、更年期におけるさまざまな症状を同時に改善できることもメリットです。
漢方薬は自然由来の成分でできているため、一般的に副作用が少ないとされています。また、一つの症状に強い効果を発揮する西洋薬とは異なり、症状の根本改善や体質改善を目的としている特徴もあります。
さらに、決められた時間に決められた量を服用するだけでいいため、食事制限などの手間がないことも利点です。
止まらない生理に悩む方におすすめの漢方薬
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
のぼせや手足の冷えを伴う月経異常に悩む方へよく用いられています。そのほか、血流の滞りによる打撲、肩こりなどを改善したい方にもおすすめです。
加味逍遙散(かみしょうようさん)
女性のホルモンの変動に伴って現れるイライラなどの精神症状によく用いられます。また、月経異常や更年期障害の改善にも役立つため、のぼせや発汗、疲労感に悩む方へもよく用いられています。
慢性的に不正出血が気になる場合には、中長期的な服用で体質からの改善を目指しましょう。
漢方薬とひとことで言ってもさまざまな種類があるため、「どれを選んだらいいかわからない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。自分に合った漢方薬を選ばなければ、思ったような効果が得られないどころか、副作用が生じてしまう恐れもあります。
薬剤師やAIが自分に合った適切な漢方薬を選んでくれるようなオンラインサービスもあるため、気になる方は試してみるのもいいでしょう。
■長引く生理はしっかり対策しよう
何かとからだのバランスを崩しがちである更年期。止まらない生理や不正出血で悩んでいる方は、しっかりと対策をする必要があります。規則正しい生活をする、病院で検査をするなど、早めの対処が重要となるでしょう。
また、漢方薬で内側からの改善を目指すことも一案ですので、検討してみましょう。
【監修医:横倉恒雄(よこくらつねお)先生 プロフィール】
医学博士/医師(婦人科、心療内科、内科など)。横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。著書『病気が治る「脳」の健康法』『脳疲労に克つ』他。
【漢方部分監修者:木村英子(きむらえいこ)さん プロフィール】
薬剤師/臨床検査技師/Vedic Healers Ayurveda basic course 修了。検疫所、病院にて公衆衛生・感染症現場を経験した後、インドでアーユルヴェーダに出会う。現在はAIを活用し、お手頃価格で漢方を自宅に届けてくれるあんしん漢方にて活躍中。
【前回の記事】
・更年期症状の医療治療のメリットとデメリット
・更年期は血圧が上がる!?40・50代がすべき高血圧予防
・更年期世代は要注意!不調を招く目のトラブル
・指が変形することも!?更年期に起きやすい手指トラブル
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