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冬になると体がだるい…「冬バテ」を解消する方法

つやプラ / 2023年2月5日 19時30分

冬になると体がだるい…「冬バテ」を解消する方法

「毎年冬はなぜかからだがだるくなる」「理由はないけれど動くのがきつい」そんな悩みを抱えている方はいませんか?

もしかするとそれは「冬バテ」かもしれません。聞き慣れない言葉かもしれませんが、夏バテだけではなく、冬バテも存在するのです。

今回は、横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長の医師、横倉恒雄先生、および薬剤師/臨床検査技師の木村英子さんに、冬バテを解消する方法について教えていただきました。

冬のからだのだるさに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

■冬になるとからだがだるい。もしかして、「冬バテ」?

冬バテとは、冬特有の体調不良のことを指します。

気温が下がり寒くなることにより血管が収縮したり、ストレスにより交感神経が優位になったりすると、からだが常に緊張状態となり冬バテが起こることがあります。

冬バテの症状としては、頭痛や倦怠感、肩こり、不眠、気分の落ち込み、イライラなど、おおよそ夏バテと同じようなものが見られます。

ホルモンバランスに変化のある更年期は、冬バテが起きやすい傾向があります。自律神経の乱れによって起こる更年期症状と似通っている症状も多く、冬バテの症状が強く出る方もいるようです。

■冬バテの4大原因

冬になると体がだるい…「冬バテ」を解消する方法

冬バテの4大原因について解説します。

(1)寒暖差が大きい

冬バテの主な原因は寒暖差とされています。

夏に比べて昼と夜の寒暖差が大きい冬は、気温の変化により自律神経が乱れてしまい、体調不良に陥りがちです。

(2)日照時間が短い

冬は夏よりも日照時間が短いため、日光に当たる時間が少なくなることで体内時計が狂ってしまいます。

また、日光を浴びる時間が少なくなると、脳内でセロトニンが減少します。セロトニンの減少は、「やる気が低下する」「セロトニンを原料として作られるメラトニンの分泌量が減り、睡眠の質が低下する」「自律神経が乱れる」などにつながります。

(3)筋力が落ちる

気温が下がると、外で運動をしたくないという方もいるでしょう。

運動量が減ることにより、筋肉が緊張状態になり、血行が悪くなってしまうことがあります。

血行が悪くなることでも自律神経が乱れてしまうので、筋力の低下は冬バテの原因のひとつといえるでしょう。

(4)食生活が乱れる

何かとイベントごとが多い冬。ついつい暴飲暴食してしまうなど、食生活が乱れることも冬バテの原因です。

また、長期休みで生活リズムが崩れることにより、自律神経が乱れることもあるでしょう。

■元気を取り戻す!冬バテの解消法

冬バテの解消法としてできることについて詳しくご紹介します。

湯船に浸かる

お風呂はシャワーで済ませず、しっかり湯船に浸かりからだを温めることが、冬バテ対策としては有効です。

また、室内と外との寒暖差で体調を崩すことがないよう、防寒具をしっかり身につける、カイロを貼るなどの対策をするといいでしょう。

朝日を浴びる

セロトニンの減少を防ぎ自律神経を整えるため、毎日しっかりと朝日を浴びるようにするのもおすすめです。

早起きして朝日を浴びることにより、体内時計をリセットすることができるでしょう。

ヨガやストレッチをする

室内でもできる運動を行うことで、日頃から筋肉の緊張をほぐしておくといいでしょう。ハードな運動をたくさんする必要はありません。

とくに、ヨガやストレッチなど、リラックスしながらできる運動を心がけることで、副交感神経が優位になり自律神経も整うでしょう。

からだを温める食べ物を摂る

温かいスープや根菜類、生姜など、からだを温める食べ物を積極的に摂ることも、冬バテ対策には有効です。

バランスのよい食事を心がけ、規則正しい生活を送れるようにしましょう。

冬バテ解消には漢方薬もおすすめ!

冬になると体がだるい…「冬バテ」を解消する方法

冬バテの解消には、内側からの改善を目指す漢方薬もおすすめです。

更年期に起こりやすい冬バテは、からだの冷えやホルモンバランスの乱れ、ストレス、過労による自律神経の乱れが原因と考えられています。

冬バテに悩む方には、「からだを温めて免疫力を上げる」「ホルモンバランスの乱れを整える」「自律神経を整え、睡眠の質を上げ、心身の疲労を軽減する」「血流をよくして自律神経の乱れを整える」「消化・吸収機能を高めて栄養を全身に届け、心とからだを元気にする」などの働きの生薬を含む漢方薬が用いられます。

また、漢方薬で心とからだのバランスを整えることで、冬バテだけでなく、イライラや不眠など、更年期のさまざまな不調を同時に改善することも可能です。

漢方薬は自然由来の成分でできているため、一般的に副作用が少ないとされています。また、ひとつの症状に強い効果を発揮する西洋薬とは異なり、体質改善や症状の根本改善を目的としているという点も特徴です。

さらに、毎日決められた量を服用するだけでよいため、食事制限などの面倒がなく、続けやすいというのも利点でしょう。

冬バテにおすすめの漢方薬

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

元気がなく、胃腸の働きが衰えて疲れやすい方におすすめです。からだに気力を補うことで、疲労倦怠、食欲不振、虚弱体質などを改善します。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

気分がふさぎ、のどにつかえ感のある方におすすめです。胃の働きを整えてストレス性の胃の症状や神経症を改善するとともに、のどの閉塞感を取り除くことで動悸やしわ枯れ声を改善します。

慢性的に冬バテの症状が気になる場合には、中長期的な服用で体質からの改善を目指しましょう。

このように、漢方薬にはさまざまな種類があります。なかには、「どれを選んだらいいのかわからない」という方もいるのではないでしょうか。

自分に合った漢方薬を選ばなければ思ったような効果が得られないどころか、副作用が生じてしまう恐れもあります。

薬剤師やAIが自分に合った漢方薬を選んでくれるオンラインサービスもあるため、気になる方は試してみるのもいいでしょう。

■しっかり対策して冬を乗り越えよう!

更年期に起こりやすい冬バテを乗り越えるためには、からだを温めることや自律神経を整えることが重要であるとわかりました。対策をきちんと行って、症状をやわらげ、快適に過ごせるようにしましょう。内側からの改善を目指す方は、漢方薬の服用も検討してみてください。

【監修医:横倉恒雄(よこくらつねお)先生 プロフィール】

監修医:横倉恒雄(よこくらつねお)先生

医学博士/医師(婦人科、心療内科、内科など)。横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。著書『病気が治る「脳」の健康法』『脳疲労に克つ』他。

【漢方部分監修者:木村英子(きむらえいこ)さん プロフィール】

漢方部分監修者:木村英子(きむらえいこ)さん

薬剤師/臨床検査技師/Vedic Healers Ayurveda basic course 修了。検疫所、病院にて公衆衛生・感染症現場を経験した後、インドでアーユルヴェーダに出会う。現在はAIを活用し、お手頃価格で漢方を自宅に届けてくれるあんしん漢方にて活躍中。

【前回の記事】
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