更年期世代は要注意!帯状疱疹の原因と対策
つやプラ / 2023年5月3日 12時0分
更年期世代の方は、「帯状疱疹」に要注意です!
帯状疱疹は、更年期になり免疫力が低下すると、発症リスクが高まります。
今回は、横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長の医師、横倉恒雄先生、および薬剤師/臨床検査技師の木村英子さんに、帯状疱疹の原因と発症リスクをおさえる対策について教えていただきました。
■帯状疱疹とは?受診の目安とタイミング
帯状疱疹は、神経に潜伏している水ぼうそうウイルスが活性化することで発症する皮膚疾患です。
帯状疱疹には以下の症状がみられます。
・からだの左右どちらかにピリピリとした痛みを感じる
・赤い発疹があらわれ、水ぶくれになる
・3週間ほどでかさぶたとなる
皮膚症状がおさまった後も、強い痛みが数か月間続くことがあります(帯状疱疹後神経痛)。
痛みや発疹が出たら、すぐに皮膚科や産婦人科を受診してください。早期に治療を受けることで、症状の軽減、再発防止、帯状疱疹後神経痛の解消につながります。
■帯状疱疹になる原因
帯状疱疹がなぜ起こるのか解説します。
幼少期の水ぼうそう感染
帯状疱疹は、ほとんどの場合、子どもの頃に感染した水ぼうそうウイルスが原因で起こります。日本人では人口の90%以上が水ぼうそうウイルスに感染しています。
水ぼうそうウイルスは、普段は神経細胞に潜んでいます。しかし、疲れやストレスが積み重なると再発し、帯状疱疹としてあらわれるのです。
免疫力低下
ストレス、加齢、疲労、がん治療などによる免疫力の低下は、帯状疱疹の原因としてよくあげられます。
近年、新型コロナウイルスの流行により、帯状疱疹の感染率が増加しています。これには、新型コロナウイルスの感染による免疫力の低下やストレスが関係していると考えられます。
更年期の影響
更年期になると女性ホルモンが減少し、免疫力に影響を及ぼします。そのため、帯状疱疹になる可能性が高くなるのです。
女性ホルモンの減少に加え、体力の低下、ハードワークによる疲労、睡眠不足などが重なると、帯状疱疹のリスクがさらに高まります。
■帯状疱疹の対策方法
帯状疱疹の発症リスクをおさえるために必要な対策方法を解説します。
予防接種を受ける
帯状疱疹を予防する効果的な方法は、ワクチンを接種することです。接種することで多くの方に予防効果があることが確認されています。50歳以上の方はワクチン接種が推奨されています。
からだを動かして免疫力アップ
帯状疱疹を予防するためには、免疫力を低下させないことが重要です。免疫力を高めるためには、適度な運動を習慣づけるのがいいでしょう。
運動によって、筋肉を鍛えて血行を促進させることで、からだ全体に酸素と栄養を行き渡らせることができ、免疫力が高まります。さらに、ストレスを発散する効果もあります。
食事でホルモンバランスを整える
ホルモンバランスが整うことで、免疫力が高まり、自律神経が安定します。バランスを整えるには、毎日の食事が重要です。
女性ホルモンのもとになる肉や大豆製品、ほてりやイライラを和らげる青魚、血液の流れをスムーズにするナッツ類などがおすすめです。
■帯状疱疹対策には漢方薬の服用もおすすめ
帯状疱疹の対策で大事なのは、ホルモンバランスを整え免疫力を高めること。ホルモンバランスの調整には、漢方薬を取り入れるのもおすすめです。
帯状疱疹は、加齢や疲労、ストレスなどによる免疫力や体力の低下が原因で生じると考えられています。また、更年期は、女性ホルモンの急激な減少により自律神経が乱れやすいため、からだの抵抗力が低下しやすいとされています。
帯状疱疹対策には、神経痛や炎症を和らげる漢方薬に加えて、以下のような働きの生薬を含む漢方薬を選び、からだの機能を向上させて根本改善を目指します。
・血流をよくして、全身に栄養を届け、免疫力を高める
・胃腸の働きをよくして食事の消化吸収力を高める
・自律神経を整えて、睡眠の質を上げる
漢方薬は、帯状疱疹の原因にアプローチして心身をより健康な状態に導き、体質の改善にも役立ちます。
疲労倦怠や体力の低下に用いられる2種類の漢方薬をご紹介します。
帯状疱疹対策におすすめの漢方薬
十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
体力低下や貧血が気になる方に。胃腸の働きを高めて疲労に働きかけるとともに全身に栄養をいきわたらせます。病後や術後の体力低下、貧血、冷え性、虚弱体質や胃腸虚弱などに。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸の働きが衰えて疲れやすい方に。
胃腸の働きを高めて、疲労を回復し、気力を充実させます。疲労倦怠、食欲不振、病後の衰弱などに。
慢性的に疲労倦怠や体力の低下が気になる場合には、中長期的な服用で体質からの改善を目指しましょう。
漢方薬は、症状や体質によって適切なものを選ぶことが大切です。そうしないと、かえって副作用を引き起こすこともあるので、漢方薬を選ぶ際には医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
■免疫力を上げて帯状疱疹になりにくいからだを目指す
帯状疱疹の対策としては、予防接種を受けることも大切ですが、普段から適度な運動とバランスのとれた食生活を心がけることが重要です。毎日の生活習慣に気を配り、抵抗力をつけましょう。
【監修医:横倉恒雄(よこくらつねお)先生 プロフィール】
医学博士/医師(婦人科、心療内科、内科など)。横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。新刊本『今朝の院長の独り言』(青春出版社)は10万人の患者が癒されたポジティブなメッセージに溢れていると話題に。
【漢方部分監修者:木村英子(きむらえいこ)さん プロフィール】
薬剤師/臨床検査技師/Vedic Healers Ayurveda basic course 修了。検疫所、病院にて公衆衛生・感染症現場を経験した後、インドでアーユルヴェーダに出会う。現在はAIを活用し、お手頃価格で漢方を自宅に届けてくれるあんしん漢方にて活躍中。
【前回の記事】
・ホットフラッシュの原因は?更年期世代がすべき対策
・春の冷えに要注意!40・50代がすべき春の冷え対策
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