更年期の疲労感に！40・50代が春に摂りたい食材4つ

更年期女性は、仕事や家庭のことなどで何かとストレスを抱えがちです。女性ホルモン分泌の低下に伴う不調を感じることから、疲れやすくなる人もいるでしょう。

管理栄養士の筆者が、更年期女性の疲労感改善に役立つ春の食材をご紹介します。

■更年期女性の疲労感の原因とは

更年期女性の疲労感の原因は、未だにはっきりとは解明されていません。しかし、女性ホルモンの分泌低下に伴って自律神経が乱れ、それによりダルさや倦怠感が現れるのではないかと考えられています。

さらに、更年期女性は責任感のある仕事を任されたり、介護や子育てが大変な時期であったりすることが多く、ストレスが溜まりがち。そうしたことも、自律神経が乱れる要因になると考えられます。

また、身体の冷えや貧血・睡眠不足は疲労感が増す原因につながるため、食事面からしっかりアプローチしていくことがおすすめです。

■疲れた身体に◎！春に食べたい食材4つ

(1)アスパラガス

春の食材の代表格でもあるアスパラガスには、「ビタミンE」や「ルチン」などの栄養素が含まれています。

ビタミンEやルチンは血管を広げたり血管を強くする働きがあるため、血流改善効果が期待できることから冷え予防につながります。身体が冷えると細胞は十分な働きができないため、疲労を感じる場合もあります。

さらに、アスパラガスの穂先に含まれる「アスパラギン酸」には、疲れに対する抵抗力を高める働きや、エネルギー代謝を活発にする「マグネシウム」や「カルシウム」を全身に運ぶ働きがあります。

アスパラガスは疲労回復効果が高い野菜ですので、ぜひ積極的に食べるようにしましょう。

食べ方のポイント

ビタミンEは脂溶性であるため、オリーブオイルなどの脂質が豊富なものと組み合わせて調理しましょう。また、ルチンは「ビタミンC」の吸収率を促す働きがあるため、同じく春が旬のジャガイモやスナップエンドウと一緒に食べるのがおすすめです。

ビタミンEやビタミンCにも抗酸化作用があるため、美肌＆アンチエイジング効果が期待できますよ。

(2)カツオ

春にも旬を迎えるカツオには、「トリプトファン」というアミノ酸が豊富に含まれています。

トリプトファンは脳に運ばれると「セロトニン」という成分をつくる材料となります。セロトニンはさらに「メラトニン」に変換されますが、メラトニンには睡眠サイクルを整える働きがあります。睡眠不足は疲労感が増す原因につながるため、トリプトファンを摂取して質の高い睡眠をとりましょう。

さらに、トリプトファンには更年期の症状を和らげる効果やアンチエイジング効果も期待できるため、疲労回復だけでなく美容にもおすすめですよ。

食べ方のポイント

セロトニンの合成には「ビタミンB6」が必要であるため、トリプトファンとあわせてビタミンB6も摂取しましょう。

ビタミンB6はニンニクやドライトマトに多く含まれているため、「カツオとニンニクのソテー」「カツオとドライトマトのカルパッチョ」などのメニューがおすすめです。

(3)イチゴ

春のフルーツといえばイチゴですが、イチゴを約10粒ほど食べれば1日の「ビタミンC」推奨量を補うことができます。ビタミンCは、ストレスに対抗するホルモンの合成に関与しているため、ストレスによる疲労感改善におすすめの栄養素です。

また、イチゴの酸味の元である「クエン酸」にも、疲労回復効果があります。クエン酸には、体内のクエン酸回路を活性化する働きがあります。エネルギーが生成されやすくなり、疲労の原因となる物質を分解するため疲れ改善効果が期待できます。

イチゴの自然な甘味も、疲れた身体を癒やしてくれるでしょう。

食べ方のポイント

ビタミンCは水溶性であり体内に長く留まることができないため、こまめに摂取するのがポイント。食事の後のデザートや間食にイチゴをいただきましょう。

(4)アサリ

実は春が旬のアサリも、疲労回復におすすめの食材です。

アサリには「鉄」や「ビタミンB12」が豊富に含まれており、どちらも造血に関わる栄養素であるため貧血予防に役立ちます。

貧血が改善して血流が良くなると全身の細胞に十分な酸素・栄養素が行き渡るため、疲れが取れやすくなりますよ。

食べ方のポイント

鉄はビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高くなるため、「アサリのレモン酒蒸し」「アサリとレモンのソテー」などのメニューにしていただきましょう。

更年期女性に限らず、春は環境の変化が大きい季節であるため、不調を訴える人も少なくありません。疲労回復効果が期待できる春食材を食事に取り入れて、疲労知らずの春を楽しみましょう！

（フリーランス管理栄養士　今井　尚美）