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更年期世代は要注意!おりもので分かる不調

つやプラ / 2023年5月27日 12時0分

更年期世代は要注意!おりもので分かる不調

更年期世代の女性によくある悩みである“おりものの変化”。いつもと違う状態になると、「何か問題があるのか」と不安になるかもしれません。

このような症状は、女性特有のもので、更年期に生じる不調と関係が深いといわれています。

今回は、横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長の医師、横倉恒雄先生、および薬剤師/臨床検査技師の木村英子さんに、更年期世代の女性に向けて、おりものと更年期不調の関係について教えていただきました。

■更年期はおりものも変化する?

更年期世代は要注意!おりもので分かる不調

おりものは、細菌からからだを保護する役割があることが知られています。これは、エストロゲン(卵胞ホルモン)の影響を受けており、年齢や健康状態によってその量や状態が変化します。

更年期をむかえる人は、エストロゲンが減少するため、一般的におりものの量は減っていきます。

■おりもので判断できるからだの不調

更年期世代は要注意!おりもので分かる不調

更年期のおりものは量が減り、無色透明、または、ほとんど無臭な状態となります。

しかし、なかにはおりものに変化を感じることがあります。この場合は、なにか病気が隠れている可能性があるため注意が必要です。

ニオイが強く黄色っぽい

「萎縮性膣炎」の可能性があります。

原因は、更年期によりエストロゲンの分泌量が減り、膣の壁が乾燥し、バリア機能が低下して炎症を起こすためです。

主な症状は、おりものの変化以外に、膀胱炎・尿意切迫感・不正出血・かゆみなどの症状があらわれます。

ただし、黄色いおりものが出ている場合、性感染症の「淋菌感染症」や「トリコモナス膣炎」の可能性もあります。症状がある場合は、婦人科を受診しましょう。

生臭く量が多い

「細菌性膣症」の可能性があります。

原因は、膣内を酸性に保つことでほかの菌の増殖を防ぐ役割をする善玉菌が、更年期により減少してしまうからです。

これにより、膣内細菌のバランスが乱れて感染が起こる場合があるのです。

下腹部痛、不正出血や外陰部の赤みや腫れなどの症状が起きることもあります。

血が混じる・茶褐色

生理前後にわずかな量の茶色いおりものがみられても、それは不正出血による血液が混ざるためで、多くは心配する必要はありません。

しかし、更年期や閉経後に茶色いおりものがみられる場合は、「子宮体がん」や「子宮頸がん」「クラミジア感染症」などの病気が隠れている可能性があります。

気になる症状があれば、早めに婦人科を受診しましょう。

■おりものの変化が気になるときの対処法

おりものの変化があると、不快さを感じたり、下着の汚れが気になったりすることが多いでしょう。

おりものの変化が気になるときの対処法を3つご紹介します。

清潔さを保つ

デリケートゾーンを清潔に保つために、肌に優しい素材のおりものシート(パンティライナー)を使ってみてください。

また、おりものシートを頻繁に替えることで、肌を清潔に保ち、不快なかゆみやニオイを軽減することができます。

ただし、ニオイが気になるからといって、デリケートゾーンの洗いすぎには注意してください。膣内の善玉菌まで洗い流すことになり、自浄作用を弱めてしまいます。

保湿をする

デリケートゾーンの乾燥が進むと、摩擦で生じる刺激によりバリア機能が低下し、かゆみやニオイもきつくなってしまいます。

そのため、デリケートゾーンは保湿をすることが大切です。

デリケートゾーンの保湿には、低刺激成分の専用品を使うか、ワセリンや馬油などを塗るのがおすすめです。

デリケートゾーンは肌が薄く敏感であるため、強すぎる成分でかゆみなどが起こらないよう注意してください。

生活習慣を見直す

おりものの変化と更年期症状は深く関わりがあるため、更年期を悪化させるような生活習慣を見直すことも重要です。

たとえば、質のいい睡眠をとる、バランスのいい食事を心がける、運動不足を解消する、ストレスを発散するなど、毎日の生活で自分のからだと向き合い、健康的な生活を意識して過ごしてください。

■おりものの悩みには漢方もおすすめ

更年期世代は要注意!おりもので分かる不調

おりものの変化などの更年期の不調には、婦人科でも自然由来の治療薬として処方されていて、心とからだの不調の根本改善を得意とする「漢方薬」の活用もおすすめです。

おりものの異常は、ホルモンバランスの乱れやストレス、陰部への血流不足などが原因で生じると考えられています。

更年期によるおりものの変化や不調を改善するには以下のような働きをもつ漢方薬を、体質に合わせて選びましょう。

・からだに潤いを与え、膣粘膜の乾燥を防ぐ

・血流をよくして、膣に栄養を届け、自浄力を回復する

・水分の循環をよくして、老廃物を排出し、おりものを軽減する

漢方薬を服用すると、心とからだのバランスが整うため、更年期によるさまざまな症状にアプローチすることができます。

おりもののお悩みにおすすめの漢方薬

温経湯(うんけいとう)

血(栄養)を補い、からだを温め、ホルモンの乱れに働きかけます。更年期による不安感、冷えなどの不調や、乾燥による皮膚疾患などを改善します。

竜胆瀉肝湯(りゅうかんしゃかんとう)

生殖器系・泌尿器系にたまった余分な熱を抑えることで、炎症やかゆみに働きかけます。おりもののほか、排尿痛、残尿感、陰部のかゆみなどを改善します。

慢性的な更年期によるおりものの変化が気になる場合には、中長期的な服用で体質からの改善を目指しましょう。

漢方薬はその人の体質に合っていないと効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。

■おりものサインで手がかりをつかんで!

おりものは、女性の健康を保つための大切なサインです。今回ご紹介した情報を参考に、更年期を笑顔で乗り越えましょう!

【監修医:横倉恒雄(よこくらつねお)先生 プロフィール】

監修医:横倉恒雄(よこくらつねお)先生

医学博士/医師(婦人科、心療内科、内科など)。横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。新刊本『今朝の院長の独り言』(青春出版社)は10万人の患者が癒されたポジティブなメッセージに溢れていると話題に。

【漢方部分監修者:木村英子(きむらえいこ)さん プロフィール】

漢方部分監修者:木村英子(きむらえいこ)さん

薬剤師/臨床検査技師/Vedic Healers Ayurveda basic course 修了。検疫所、病院にて公衆衛生・感染症現場を経験した後、インドでアーユルヴェーダに出会う。現在はAIを活用し、お手頃価格で漢方を自宅に届けてくれるあんしん漢方にて活躍中。

【前回の記事】
・これは更年期の不調?失敗しない病院の選び方

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