放置はNG!更年期世代がすべき「梅雨冷え」対策
つやプラ / 2023年6月6日 20時30分
「気温は高いのに、手足が冷えて寒く感じる」「疲れているわけではないのに、体がだるい」という悩みはありませんか?
梅雨の時期にありがちな連日の雨や湿気の多さは、からだを冷やして不調を招きます。
今回は、横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長の医師、横倉恒雄先生、および薬剤師/臨床検査技師の木村英子さんに、に、更年期世代の女性にとってつらい症状をもたらす「梅雨冷え」について伺いました。
■更年期の「梅雨冷え」と心身への影響
更年期の女性にとって、梅雨の季節は体調管理が難しい時期といえます。
梅雨の時期に雨が続き、体温が低下してしまうことを「梅雨冷え」と言い、心身に様々な不調をもたらします。
「梅雨冷え」は放置せず、からだを温めて自律神経のバランスを整えるなどの適切な対処が必要です。
からだへの影響
「梅雨冷え」をすると、湿度と気温の低下によって体温調節がうまくいかなくなり、からだの芯まで冷え込んでしまいます。
これにより、冷え性や関節痛、筋肉のこわばりなどが起こりやすくなります。
また、代謝の低下も懸念され、これは体重増加やむくみの原因にもなります。
メンタルへの影響
梅雨のじめじめとした気候は、気分を沈みがちにします。湿度の高い環境はからだをだるくするので、梅雨の時期に重苦しい感じを覚える方も多いでしょう。
もともと更年期の女性は、ホルモンバランスの変動により情緒不安定やイライラ感が生じやすくなっています。更年期の女性が「梅雨冷え」で心のバランスを崩しやすくなるのは、こういった要因が重なるためです。
また、からだが冷えて血液の循環が悪くなると、脳への十分な酸素や栄養供給ができなくなるため、集中力や記憶力が低下する場合もあります。
■更年期の女性に必要な「梅雨冷え」対策
更年期の女性に必要な「梅雨冷え」対策を3つご紹介します。
(1)冷えない服装をする
雨に濡れた服をそのまま着ていたり薄着だったりすると、からだの体温が奪われ「梅雨冷え」が悪化してしまいます。
そのため、雨の日の外出には、防水・撥水加工のアウターを着用するなど、気候に合わせて服装を変えることが大切です。
また、帰宅したら、なるべく早めに乾いた清潔な服に着替えましょう。
(2)温かい飲み物や食事をとる
からだを温めるためには、温かい飲み物や食事が効果的です。ハーブティーやジンジャーティー、温かいスープなどはからだを内側から温めてくれます。
栄養バランスの取れた食事を心がけ、生姜やにんにく、温野菜や根菜類など、からだを温める効果のある食材を積極的に取り入れましょう。
(3)運動やストレッチで代謝をアップ
適度な運動やストレッチを取り入れることで体温を上げ、血流を促進することができます。
雨の日は外出することが難しいかもしれませんので、室内でできるエクササイズやヨガなど、自分に合った運動方法を見つけて続けてみましょう。
■漢方薬でからだを「梅雨冷え」から守る
「梅雨冷え」に悩んでいる方には、漢方薬の活用もおすすめです。漢方薬は、冷えの原因を根本から改善するため、冷えにくいからだを目指すことができます。
梅雨にからだが冷える原因としては、水分代謝の乱れや血行不良、胃腸の働きの低下などが考えられます。
「梅雨冷え」の改善には以下の作用のある生薬を含む漢方薬を選びます。
・水分の循環をよくして冷えを解消する
・血行をよくして全身に熱を届けやすくする
・胃腸の働きをよくして熱をつくりだす
・代謝を上げて、熱を作る機能を回復する
また、漢方薬は根本からの体質改善を目指しているので、「梅雨冷え」だけでなく、不眠やイライラなどの更年期症状にも同時にアプローチできるのがメリットです。
「梅雨冷え」におすすめの漢方薬
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血(けつ)の不足を補い、血行を整えるとともに余分な水分を排出することで、冷えやむくみに働きかけます。疲れやすく、貧血気味の方に。
真武湯(しんぶとう)
からだを温め冷えを取り除くとともに、水分代謝をよくしてむくみやめまいにも働きかけます。新陳代謝が衰えている方に。
慢性的なからだの冷えが気になる場合には、中長期的な服用で体質からの改善を目指しましょう。
また、漢方薬を服用する際に大切なのは、自分の体質や症状に合ったものを選ぶことです。服用を検討する場合は、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談しましょう。
■「梅雨冷え」を防いで快適に過ごしましょう
「梅雨冷え」は40・50代の更年期にあたる女性にとって、つらい症状を引き起こす原因となります。
衣服や食事、運動など適切な対策を取ることで「梅雨冷え」からからだを守りましょう。医師や薬剤師などに相談し、漢方薬を活用することもおすすめです。
【監修医:横倉恒雄(よこくらつねお)先生 プロフィール】
医学博士/医師(婦人科、心療内科、内科など)。横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。新刊本『今朝の院長の独り言』(青春出版社)は10万人の患者が癒されたポジティブなメッセージに溢れていると話題に。
【漢方部分監修者:木村英子(きむらえいこ)さん プロフィール】
薬剤師/臨床検査技師/Vedic Healers Ayurveda basic course 修了。検疫所、病院にて公衆衛生・感染症現場を経験した後、インドでアーユルヴェーダに出会う。現在はAIを活用し、お手頃価格で漢方を自宅に届けてくれるあんしん漢方にて活躍中。
【前回の記事】
・更年期世代は要注意!おりもので分かる不調
・40代以降に急増!下肢静脈瘤の原因と対策
・梅雨のダルさを改善!40・50代がすべき「気象病」対策3つ
・これは更年期の不調?失敗しない病院の選び方
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