優劣コンプレックスは不要。人生を豊かにする2つの考え方
lifehacker / 2021年3月1日 7時0分

『精神科医・モタ先生の心が晴れる言葉』(斎藤茂太 著、あさ出版)の著者は、歌人・精神科医として有名な斎藤茂吉の長男でもある精神科医。
家族や夫婦、子育て、また心の病やストレスの問題を扱う「心の名医」として患者に寄り添い、2006年に世をさるまでに多くの著作を残してきた人物でもあります。
過去の著作『会社・仕事・人間関係で「もうダメだ!」と思ったとき読む本』と『「もうイヤだ! 」と思ったとき読む本』を再編集した本書は、そんな著者の“ことば”を66種のメッセージとしてまとめたもの。
人は行き詰まってしまうと、先が見えない。そして、先が見えないからこそ、ますます悩む。
(中略)
大切なことは、いつまでもイヤになる状況が続くように思い込んで、必要以上に暗くなるのは、もうやめようということだ。
苦しい状況は、いつか必ず終わる。 いつか状況は変化する。それは信じていい。(3ページより)。
私たちがつらいと感じている状況のすべては、「人生の雨季」のようなものだと著者はいいます。重要なポイントは、雨季がいずれ終わるものであるということ。
そのように考え方を少し変えてみるだけで、心は前向きになるわけです。きょうは第3章「自分を少し好きになる方法」のなかから、2つのトピックスを抜き出してみたいと思います。

1,430円
劣等感は「よくなりたい」気持ちの裏返し
劣等感は、
もっとよくなりたい気持ちの
裏返しだ。
「自分には才能がない」とか「能力がない」と感じたり、「自分は人より劣っている」という劣等感にさいなまれたりすることがあるものです。しかし、そういった感情は誰の心にも訪れるものでもあります。
著者は、アメリカのある大学で学生を対象に「劣等感を抱いているかどうか」を調査したことがあるそうです。その結果、93%の人が劣等感を持っていると答えたのだといいます。そんなエピソードからもわかるように、たいていの人間は劣等感を持っているものなのです。
むしろ著者は、劣等感がないと答えた残りの7%の学生のほうに問題があると指摘しています。劣等感がないという人は、躁病か躁的な性格異常の可能性があるのだと。
劣等感というのは、ある程度必要なものなのだ。劣等感を抱くということは、自分がもっとよくなろうと思っていることの裏返しである。
自分を向上させたいという意欲があるからこそ、周囲の魅力的な人のことが気になるし、自分の欠点も見えてくるわけだ。(76ページより)
とはいえ、劣等感にさいなまれ、「自分は不幸だ」「ダメ人間だ」と愚痴や不満を並べるだけで、自らなにかを積極的にやろうとしないのでは意味がないのも事実。
たしかに劣等感にとりつかれてしまうと、立ちなおることは容易ではありません。しかし劣等感は誰にでもあるもので、そもそも幸福というものは自分の気持ち次第。
だからこそ「私はダメだから」と決めつけたり心を閉ざしたりせず、「いまの自分はダメだけど、いつか、なりたい自分になれるんだ」と前向きに考えるべきだということ。
劣等感を適度に持っている人のほうが挫折にも強く、常に努力をしようという“前進のエネルギー”を持っているもの。そのため、いい生き方ができる可能性が高いというわけです。
著者が「“劣等感はイヤだ”ではなく“劣等感こそ歓迎すべきだ”と考えてみてほしい」と訴えることには、そんな理由があるのです。(75ページより)
嫌いな欠点も、好きになれば長所になる
コンプレックスとは、
あなたをあなたたらしめている 大切な個性の一要素だ。
嫌いであれば欠点のままだが、
好きになれば長所になる。
容姿や性格、仕事の実力にいたるまで、人間はいろいろなコンプレックスに悩まされるもの。
たとえば容姿がそうであるように、少しでも欠点を感じる要素があると憂鬱な気分になり、場合によっては長いあいだ悩まされることになったりもします。
こうしたコンプレックスを解消するには、ちょっとした発想の転換があればいい。そう主張したうえで、著者はある女性の話を引き合いに出しています。
その女性は少々のコンプレックスであれば、会話のなかでネタにしてしまい、憂鬱な気分を発散させているというのです。
気に病んで変えられるものではないし、過敏になるのもイヤだから、おもしろおかしくネタにしてしまおうという発想。
すると気持ちは楽になり、さらにはコンプレックスだったものすら、魅力的に思えるようになってくるわけです。
コンプレックスとは、あなたをあなたたらしめている大切な個性の一要素なのだ。
あなたが、その部分を嫌いであればそれは欠点のままだが、好きになれば長所にもなり、まわりの人も大切な個性として認識するのである。(80ページより)
また、「自分は落ちこぼれだ」とか「自分は二流だ」などという、優劣に関するコンプレックスに悩まされるのもやめるべきだと著者。
そうしたことにこだわって悩む人は、一流高校から一流大学、そして一流企業に就職することが人間として優れていることだと思い込んでいるだけだから。
しかし、この「一流」とは何だろうか。歴史があるからか、給料が多いからか、偏差値が高いからか、株式市場に上場しているからか。
結局、その基準などはっきりしない。それは社会がつくりだした虚構にすぎない。絶対的な優劣などないのである。(80ページより)
そもそも、人の価値に差がないことくらい、よく考えればわかること。
優れた生き方とは、誰になんといわれようとも自分の選んだ道を進むことだと著者は考えているそうです。(78ページより)
*
テーマごとに、メッセージがコンパクトにまとめられた構成。そのため、いまの自分に必要なことや、興味を持った部分から読んでみることも可能です。
「なんとなく、疲れたな」というかたは、本書を手にとり、気になるフレーズを目で追ってみれば心が晴れるかもしれません。

1,430円
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Source: あさ出版
Photo: 印南敦史
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