40歳以上のひきこもり100万人以上!高齢ひきこもりの社会復帰を阻むもの

リテラ / 2014年12月18日 8時0分

写真

 情報番組『あさイチ』(NHK)で特集されたこともある、「SNEP」という言葉をご存じだろか? 「solitary non-employed persons」の略で、2012年に東京大学社会科学研究所教授の玄田有史氏が提唱した、「20歳以上59歳以下の未婚の無業者のうち、普段ずっと一人でいるか、一緒にいる人が家族以外にはいない人々」を指す言葉だ。就業できないという問題も含んでいるが、「SNEP」が特に問題視されるのは、周囲から孤立していることである。社会との接点がないために存在が表面化しにくかったが、7月には大手掲示板に「18歳から、42年間ひきこもり還暦を迎えた」という男性がスレッドを立てて、自身の人生を「42年間、三食食べてテレビ見て雑誌読んでビデオ見てみたいな生活の繰り返し」と後悔し、ネット民に大きな衝撃を与えた。

 スレ主が本当に「42年間ひきこもり還暦を迎えた」のかを確かめる手立てはないが、そうした人が実在することを裏付けるような数字が各自治体から発表されている。2013年に山形県が公表した調査結果では「ひきこもり」に該当する1607人中、40代〜60代以上の中年が717人と約45%を占め、島根県が14年に公表した調査では該当者1040人中、40代以上が521人で53%とひきこもりの半数が中年であることが明らかになってきた。内閣府は10年に「『ひきこもり』70万人、潜在群155万人」という調査結果を出しているが、『大人のひきこもり 本当は「外に出る理由」を探してる人たち』(講談社現代新書)の著者・池上正樹氏は、内閣府は39歳までの人しか調査していないことを指摘し、各自治体の調査比率をあてはめると、40歳以上のひきこもりは少なくとも100万人(潜在群含む)に上ると推計している。

 中年のひきこもりというと、「働きたくないという極度の甘え」「経済力を持っている親がいるからできること」といった偏見により特殊なケースだと思われがちだが、実際は誰にでも起こり得る状況なのだ。自身の病や親の介護のために退職したり、リストラに遭って、再就職が困難なまま月日が過ぎているケースが多いようだ。若年層であれば再雇用も比較的容易で、就業支援を受けることも可能だが、中高年の再雇用は非常に難しい。にもかかわらず、健康状態に問題がなければ生活に困窮する状態であっても、生活保護や高齢者福祉の対象外・もしくは「当てはまらない」と言われることが多く、いわば「セーフティーネットの狭間で置き去りにされてきた」存在なのだ。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
本と雑誌のニュースサイト/リテラ

トピックスRSS

ランキング