日本でも“鯨肉いらない“若者が増加!? 食べておきたい鯨料理 

リテラ / 2014年9月6日 8時0分

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 国際司法裁判所によって日本の調査捕鯨は国際捕鯨取締条約違反であるという判決が下って数カ月。政府は、今月スロベニアで開かれる国際捕鯨委員会の総会で、調査捕鯨を今後も続ける方針を説明するというが、欧米諸国の反発は必至だ。

「このままでは鯨肉文化が失われる」と危機感をもつ人も数多いが、一方で「牛も豚も鶏もあるんだから、別に鯨いらなくね?」という声も挙がっている。というのも"クジラを食べたことがない"世代が増えているからだ。

 一般的に全国の学校給食から鯨肉の姿が消えたとされているのは、商業捕鯨禁止が決定した1987(昭和62)年。単純に計算すれば、80年に生まれた壇蜜やEXILEのATSUSHI、広末涼子、竹内結子らの世代以降は、人気給食メニューだったクジラの竜田揚げを食べていないのである。

 彼らからすれば、鯨肉にこだわる世代を「中年乙」と冷ややかに見ているのかもしれないが、クジラの肉の味を知らないのはあまりにもったいない! そこで今回は、"まだ食べられる"鯨料理を、『日本の鯨食文化』(小松正之/祥伝社新書)から紹介しよう。

 まず、鯨肉といえば、前出の通りやっぱり給食。高度経済成長を迎えようとしていた1960年代、安価で栄養価の高い鯨肉は低予算だった学校給食制度のなかで、竜田揚げや炒め煮、味噌煮など数々のメニューを生み出してきた。なかでもノスタルジー度が高いのは、「クジラのノルウェー風」。片栗粉をまぶした鯨肉を油で揚げ、オーロラソースを絡めた一品だ。ジューシーさに欠け、相当な噛みごたえがあるが、それがまた郷愁感を呼ぶ。

 また、現在でも多くの居酒屋で食べることができるのが、「鯨ベーコン」。いまでは値が張る高級珍味となってしまったが、もともとは「売れない鯨肉の部位」を、豚のベーコンに似た品質だったことから「鯨ベーコン」と呼び、戦前の水産業者が売り出したもの。とはいえ、独特の油のうまみは豚にも劣らない。つまみとしては辛子醤油で食べるのが一般的だが、ベーコンエッグにするのもオツだ。

 さらに忘れてはいけないのが、鯨肉の一大消費地・大阪の「ハリハリ鍋」。出汁をはった鍋に霜降りが美しい鯨の「尾の身」と水菜を加えた、美食家も唸る関西の定番鍋だ。鍋といえば、関西においておでんになくてはならないのが、鯨の「コロ」と呼ばれる部位。コロとは"マッコウクジラの皮をしぼって油抜きし、残った皮を「煎り皮」と称して水で戻したもの"で、見た目はまるで食器洗い用のスポンジ。しかし出汁の吸収力はすさまじく、代替不可能の一品である。

 一方、お取り寄せでも楽しめるのは、全国的に有名な佐賀県呼子の伝統食「松浦漬」だ。これはクジラの鼻筋の軟骨を酒粕で甘く漬け込んだもので、白いごはんとの相性は抜群。同じくネットでも販売されているのが「クジラのタレ」。千葉県南房総市の定番のつまみで、こちらは「ツチクジラの赤肉を薄切りにして塩や醤油がベースの調味料で漬け込み、天日干しにした」珍味だ。そのままでも十分おいしいが、軽くあぶったり、マヨネーズで食してもおいしい。

 このほかにも、「おばけ」と呼ばれるさらしクジラや、鯨の舌の部分で高級部位である「さえずり」など、捨てる部位がないと言われる鯨のメニューは幅広い。たしかに値は張るが、捕鯨禁止の是非を考えるためにも一度は鯨肉を食べてみるのも悪くない。少なくとも、おじさんとのコミュニケーションツールにはなり得るはずだ。
(サニーうどん)

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