東大医師のベストセラー『おかげさまで生きる』がオカルトすぎる

リテラ / 2014年9月19日 18時30分

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『おかげさまで生きる』(矢作直樹/幻冬舎)が売れている。東京大学大学院医学系研究科・医学部救急医学分野教授、医学部附属病院救急部・集中治療部部長として救急医療の第一線で命と向き合った著者がたどりついた、「人はなぜ生きるのか」の答えが書かれているという本だが、部数は発売から2カ月ですでに20万部を突破したという。

 いったいどんな答え、哲学が書かれているのか、気になって読んでみた。するといきなり、こんな教えが。

「自分の人生を全う(まっとう)することです。人生を全うするということは、すなわち自分を知るということ」
「自分を知るということは、他人を知るということにもつながります。(中略)その時、人は『おかげさま』という言葉を学びます。目には見えないけれども、おかげさまという力が自分の周囲に満ちているのだと気づくのです。」

 う〜ん。ちょっとがっかり。これは哲学というより「おかげさま」精神で周囲の人々に感謝して生きていこうという自己啓発本なのかも......と思っていると、読み進めるにつれ、さらに様子がおかしくなってきた。

「私は、肉体とは別に魂があると表現しますが、魂レベルでは私たちは皆つながった存在だと思っています。それが『おかげさま』のベーシックな部分であり、もちろん亡くなった方もそこに参加しています」
「肉体の死は誰にも等しくやって来ますが、死後の世界はいつも私たちの身近にある別世界であり、再会したい人とも会えます」
「私たちの魂は永続します。その意味で、亡くなった方が自分のすぐそばで見守ってくれているのも事実であると公言しています」

 な、なんと、「おかげさま」とは大いなる存在で、それは魂の集合体のようなものである。そして、私たちに「おかげさま」から与えられた使命は「肉体を伴う人生で得る様々な経験を学びに変えること」だと矢作センセイはいうのである。あれ? ひょっとして、これ、オカルト本なんじゃないの!?   

 いや、しかし、著者は東大医学部の教授だ。しかも、救急医療の第一線で命と向き合ってきた人物である。もっと深い考えがあるのかもしれないと思ってさらに読み進めてみた。すると──。

「そもそも私たちの本質は肉体ではなく魂ですから、病気も加齢も本当は何も怖がる必要はないのです」
「私自身は両親も弟もすでに他界しました。喪失感はありますし、もっと話をしておけば良かったという気持ちもあります。でも今は、私がいずれあちらの世界へと戻った際に、皆で反省会でもしたいという思いが強まっています」
「私たちが疲れ果て、へとへとになり、悩んでいるそんな時でも、観客席からは『負けるな』という声援が飛んでいます。そして何らかの難しい局面を無事に乗り切った時は『よくやった』とご先祖さまたちは拍手喝采です」

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