実はコメもひじきも危険食品だった!?放置されてきたアヤシイ安全基準値

リテラ / 2014年9月20日 17時0分

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 世の中にはさまざまな「基準値」があふれている。中でも最も身近な「基準値」といえば、近年、輸入食材などでたびたび問題化している食の安全にまつわる数値だろう。
 
  だが、実は普段から何気なく口にしている飲食物のリスクは意外に曖昧で、しかもどれだけ気をつけたところで、避けようがないのが現実なのだという。

 たとえば、日本ではポピュラーな食材で、健康にもいいとされている「ひじき」だが、カナダ、英国などの諸外国では、ヒ素の含有率が高いことから、消費を控えるように勧告される「危険な食品」という扱いになっている。もっとも"有機体ヒ素"は海藻類や魚介類に多く含まれており、毒性が問題になるのは"無機態ヒ素"の場合。ひじきは無機態ヒ素の含有率が約60%と飛びぬけて高い。

 そして、日本人の無機態ヒ素の推定摂取量は、平均して一日あたり1.2〜101μg(1μg=0.001㎎)。仮に一日当たり1.0μg/㎏の無機態ヒ素を摂取した場合、生涯にがんで死亡する人は「600人に1人」という計算になるというから、これは決して無視できるレベルのリスクではないように思える。

 ところが、このリスクをWHOが定める飲料水質ガイドラインと同じ、生涯発がん確率が「10万人に1人」というレベルにまで下げようとすれば、ひじきの食用はほぼ禁止しなければならず、それどころか日本人の主食であるコメもほぼアウトになってしまうという。つまり、同じように「発がん確率」を参照しても、食品の種類によって基準値が劇的に異なるのである。いったいどういうことだろうか?

 こうした数々の「基準値」にまつわる興味深い話を知ることができるのが、『基準値のからくり』(講談社)。「基準値オタク」を自称する理学、工学、経済学の専門家4人による共著で、身の回りのさまざまな基準値を紹介すると同時に、その根拠や、算定プロセスなどについても解説されている。

 たとえば前出のコメの場合。日本の食品安全委員会がまとめた数値を元に試算すると、我々が食べているコメには、「生涯発がん確率10万人に1人」レベルの基準値と比較して、100倍以上の無機態ヒ素が含まれているという。しかし、現在のところ日本では、コメやひじきに含まれるヒ素に対する基準値は設定されていないのだ。

 本書によれば、食品に関しては「絶対に安全な基準」というものは存在しないのだという。日本では80年代までは「基準値とは絶対安全を意味する」とされてきた。ところが分析技術が発達し、環境中のさまざまな微量化学物質が検出されるようになったことで、基準値は「リスクを無視できるレベル(事実上、安全である)」とみなされるようになったのである。

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