米IT大手の「引き抜き防止契約」日本では許される?

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年4月19日 12時1分

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米Google、Apple、Adobeら7社が互いの社員の引き抜きを禁止する「非勧誘協定」が2005年から2007年に結ばれたとされていますが、最近、「非勧誘協定」はMicrosoftなども含まれる大規模なものであったことが判明したとの追加報道もなされています。

このニュースについて、まず簡単にこれまでの経緯をまとめてみましょう。

■米IT企業の「引き抜き防止契約」に関する経緯

2010年、「非勧誘協定」がIT業界内に広まっていることを受けて、米司法省は反トラスト法(独禁法)違反の疑いで調査を行い、Google、Apple、Adobe、Intel、Intuit、Pixar Animation Studiosの6社を提訴しました。6社は2010年9月24日、今後は非勧誘協定を結ばないことを約束して司法省と和解しました。

その後、従業員らが、2011年に「各社が共謀して従業員を引き抜かないよう約束して競争を避けたために、従業員の給与が低く抑えられてきた」と主張して損害賠償を求めました。以後、米国では集団訴訟を認めるか否かといった審理が続いており、その過程で、Appleの故スティーブ・ジョブズ氏が他社のCEOらにAppleのエンジニアを雇い入れないよう求めた電子メールが証拠として提出されるなどして、「非勧誘」にとどまらず、雇用自体を制限していたことが指摘されました。

そして、このたび、Googleの社内メモなどから、更に多数の大規模IT企業(Microsoftなど)との間で制限付き雇用リストが作成され、また、大規模IT企業(Apple、IBMなど)との間で勧誘電話禁止リストが作成されていたことが判明したというのです。

■日本の法律ではどうなる?

日本の独占禁止法は「事業者は・・・不当な取引制限をしてはならない。」と規定し、カルテルを禁止しています。カルテルは、複数の事業者が一定の取引分野での競争を回避するために取り決めや申し合わせをして互いの行動を調整する行為全般をいいます。企業が従業員の賃金の最高額を決めたり、従業員の獲得に関して制限をすることも企業間の競争を回避するための行為と考えられています。

したがって、仮に、日本の大手IT企業間で報道と同様の「引き抜き防止契約」がなされたとすれば、独占禁止法の適用が検討されることになると思われます。

同様の問題として、かねてよりプロ野球のドラフト制度は独占禁止法違反ではないかと言われてきましたが、一方で、正当な目的があり公共の利益に反しないという意見もあります。いずれにしろ、現状では、それらについて出された公正取引委員会や裁判所の判断はみあたりません。

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