大切!引っ越し前に知っておきたい敷金トラブル3つ

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年3月27日 16時8分

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春といえば新しい生活を始めるシーズン、心機一転で住まいを変える方が多い時期でもあります。引っ越しでよく聞くトラブルに、「敷金」にまつわるものがあります。

これまで住んでいた住居を引き払う際に踏む恐らく最後のステップとなる敷金のやりとり、認識の違いや知識不足のためにいざこざへ発展するケースが多いようです。

今回は、気持よく新生活を始められるよう、敷金にまつわるよくあるトラブル事例を3つとその留意点を紹介したいと思います。

■事例1

敷金として3か月分を支払いましたが、契約書を良く見ると「契約終了時1か月償却」と書かれています。これはどういう意味でしょうか?

「敷金」とは、賃貸人(大家)が、部屋を貸す際に、例えば、賃料を支払ってもらえなかった場合に敷金から充当して賃料を確保すること等を意図して賃借人(入居者)から預かるもので、いわば賃料等の「担保」としての意義があります。

「担保」ですから、無事に契約が終了し、明渡しが完了したときは、全額を賃借人に返さなければならないのが原則です。

これに対し、「契約終了時1か月償却」という条項は、いわゆる「敷引特約(しきびきとくやく)」と呼ばれるもので、要するに「預かった敷金のうち1か月分は返しません」という意味ですので、敷金3か月のケースでいえば、2か月分しか返ってこないことになります。

では、敷引特約は法律上当然に有効なのでしょうか?消費者契約法10条では、「消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする」と定められているため、敷引特約が消費者契約法10条により無効とならないかが実務上しばしば争われています。

これについて、近時最高裁判決が出され(平成23年3月24日判決)、「敷引特約は、当該建物に生ずる通常損耗等の補修費用として通常想定される額、賃料の額、礼金等他の一時金の授受の有無及びその額等に照らし、敷引金の額が高額に過ぎると評価すべきものである場合には、当該賃料が近傍同種の建物の賃料相場に比して大幅に低額であるなど特段の事情のない限り、信義則に反して消費者である賃借人の利益を一方的に害するものであって、消費者契約法10条により無効」と判示しました。

要するに、敷引特約も一切無効というわけではないが、敷引(償却)される金額次第では無効になるよということです。

具体的には、借りていた期間等にもよりますが、総じて月額賃料の2か月~3.5か月分以内であれば、敷引特約も有効とされています。

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