「にこ☆さうんど」運営の男が稼いだ1億円の意外な行方とは…

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年5月19日 21時2分

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ニコニコ動画にアップロードされた音楽などを簡単にダウンロードできるサイト「にこ☆さうんど」の運営者が著作権法違反の疑いで逮捕されるというニュースがありました。

逮捕された男性は広告収入を通して1億3,000万円の収益を上げていたということですが、違法に稼いだこの1億3,000万円はどうなるのでしょうか?解説してみたいと思います。

■事件の概要

北海道警察本部サイバー犯罪対策課及び北海道手稲警察署は、平成26年5月8日、due及びJASRACが著作権を管理する楽曲の音楽ファイルを不特定多数の者にダウンロードさせていたサイト「にこ☆さうんど」(以下「本件サイト」といいます。)の運営者である29歳の男性を著作権法違反(公衆送信権及び送信可能化権侵害)の疑いで逮捕しました。

本件サイトでは、ニコニコ動画に公開されている動画をMP3ファイルに変換してダウンロード及びストリーム配信を行っていたもので、専用のアプリケーション等をインストールすることなく、ニコニコ動画の動画掲載ページURLを入力するだけで容易に変換・ダウンロードすることが可能となっており、1日あたり約1,500件のファイル変換が行われるなど、大規模な違法配信が行われたとされています。

そして、本件サイト運営者は、ユーザーに無料で本件サイトを利用させていましたが、本件サイトに掲載していた大手広告サービスを通じて、約1億3,000万円の収益を上げていたとみられています。

■刑事上の問題

犯罪行為に関連した物の所有権を取り上げて国家の所有に移すことを没収(刑法19条参照)といいますが、1億3,000万円を没収することができるのでしょうか。

没収をするためには、本件の場合で言うと、「犯罪行為によって得た物」であるといえる必要があります。しかし、広告収入によって得た1億3,000万円の収益を「犯罪行為によって得た物」というのは難しいでしょう。

なぜなら、広告収入自体は広告主との間の契約によって得た収入であるため、直接的には「犯罪行為によって得た物」とはいえないからです。

もっとも、本件サイト運営者の男性が、起訴され有罪判決を受けた場合には、懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処せられ(併科もありえます)、罰金刑として1億3,000万円の一部を強制的に取り立てられることになります。

■民事上の問題

第一に、著作権者から本件サイト運営者に対し、損害賠償の請求がなされる可能性があります。この場合、正規のルートによれば販売することができた物の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額が、著作権者が受けた損害の額と推定されます(著作権法114条1項)。

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