解雇の恨みで会社のサーバー初期化…日本でやったらどうなる?

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年6月7日 21時2分

写真

会社を解雇された男性が、勤めていた会社のサーバーを初期化するなどの復讐をし、1億円近くの損害を与えたとして禁固4年の刑が言い渡されたニュースが アメリカでありました。

日本で同じ様な行動をした場合、どのような責任を負う事になるのでしょうか?そして、解雇された事が不満だった場合、どうすれば良いのかを説明します。

■1…民事責任と刑事責任の2つの責任

クビ(解雇)にされたことの腹いせに、サーバーを初期化した場合、会社の業務に支障が生じ、一定の損害が生じることが容易に想像できます。

この場合、民事上では、会社に対して不法行為に基づく損害賠償責任を負い、会社が被った損害を賠償することになり、刑事上では、業務妨害、背任という2つの罪に問われます。

■2…民事上の責任

民法709条が定める不法行為は、故意又は過失によって他人の権利又は法律上の利益を侵害した場合に成立し、それによって他人が被った損害を賠償する責任を負います。

腹いせにサーバーを初期化することは、故意に会社の権利又は法律上の利益を侵害したといえますから、会社に発生した損害(サーバーの復旧費用、それに要する人件費、サーバー初期化によって会社の取引に支障が生じた場合にはその損害)を賠償することになります。

■3…刑事上の責任

(1)業務妨害

サーバーを初期化することは、会社(法人)の事務・事業を妨害することにほかならず、刑法233条、234条が定める業務妨害の罪に問われる可能性があります。

業務妨害罪の法定刑は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。この点に関し、威力業務妨害罪(234条)又は偽計業務妨害罪(233条)のどちらに該当するかが問題になります。

まず、威力業務妨害罪は「威力を用いて」人の業務を妨害した場合に成立しますが、「威力」とは、人の意思を制圧するような勢力をいい、社会的、経済的地位を利用した威迫、団体の力の誇示、騒音、物の損壊等およそ人の意思を制圧するに足りる一切の勢力を含みます。

しかし、サーバー初期化は、他の従業員の目を盗んでこっそりと行われるものでしょうから、人の意思を制圧するような勢力を用いたとはいえず、威力業務妨害罪は成立しないと思われます。

他方で、偽計業務妨害罪は「偽計を用いて」人の業務を妨害した場合に成立し、「偽計」とは、人を欺くことに限定されず、人を誘惑したり、計略や謀略を講じる等、威力以外の不正な手段を用いることを意味します。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
シェアしたくなる法律相談所

トピックスRSS

ランキング