解雇の恨みで会社のサーバー初期化…日本でやったらどうなる?

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年6月7日 21時2分

したがって、サーバー初期化は、威力以外の不正な手段を用いた場合にあたり、偽計業務妨害罪が成立する可能性が高いでしょう。

(2)背任

刑法247条は背任罪について「他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処すると規定しています。

クビと言われたとしても、即日解雇(通告された日をもって解雇)の場合もあれば、1ヶ月間の解雇予告期間経過後に解雇される場合もあります。そして、後者の場合、解雇予告期間が経過するまでは会社の従業員という身分が継続していますので、この期間中に腹いせにサーバーを初期化すると、背任罪に問われます。

具体的には、労働者は会社と雇用契約を締結しており、「他人のためにその事務を処理する者」にあたりますし、腹いせ目的は「本人に損害を加える目的」にあたります。

そして、サーバー初期化は、本人からの信任委託の趣旨に反する行為ですから、「任務に背く行為」に該当します。

■4…解雇されたらどうすればいいか?

上記の通り、解雇の腹いせにサーバーを初期化すると民事・刑事双方の責任を問われますので、当然ですが、そのような行為は決してやってはなりません。

解雇に納得できないのであれば、会社に対して、解雇理由証明書(労働基準法22条参照)を発行するように求め、同証明書をもって法律事務所に相談に行くのがよいでしょう。

この場合、相談を受けた弁護士が解雇が無効かどうかを判断し、無効となる可能性が高ければ、法的な手続(雇用契約上の地位確認訴訟等)をとることを勧めると思います。

なお、余談ですが、解雇されたことを証明する客観的な証拠(上述した解雇理由証明書のほかに、解雇通知書や解雇予告通知書、解雇する旨のメール等)がなければ、会社は「退職勧奨に応じて退職しただけで、解雇していない。」と主張してくることが多々有りますので、解雇されたことを示す客観的な証拠を確保することが何よりも重要です。

*著者:弁護士 川浪芳聖(琥珀法律事務所。些細なことでも気兼ねなく相談できる法律事務所、相談しやすい弁護士を目指しています。)

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