日本航空(JAL)の整理解雇をめぐる裁判 これまでの経緯まとめ

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年6月3日 14時3分

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日本航空に対する、整理解雇の違法・不当を根拠に、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認、そして、解雇から現在までの未払賃金の支払いを求めた控訴審判決の言い渡しが、目前に迫りました。

本日6月3日に客室乗務員、6月5日にパイロットの判決が下されます。

*6月3日15:18追記:客室乗務員の判決が下り、控訴棄却で原告が敗訴

■この裁判の争点は

まず、第一審の東京地裁には、2012年12月31日に、パイロット74名、客室乗務員72名が原告となって裁判が起こされました。

争点は、日本航空が行った整理解雇が適法かどうか、ということでした。

整理解雇が適法であるためには、以下の4要件が必要だというのが判例の立場です。

(1)高度な必要性

(2)回避努力義務

(3)人選基準の合理性

(4)労使協議手続

本件では、特に日本航空という巨大企業の、しかも更生計画下での大規模整理解雇であったことから、破綻名目で安易に4要件が認められてしまうのではないか、という不安が的中し、2012年3月29日 東京地裁民事第36部 請求棄却判決(パイロット)、2012年3月30日 東京地裁民事第11部 請求棄却判決(客室乗務員)が下されました。

■稲盛会長の発言問題

第一審の証人尋問では、当時の最高経営責任者であり解雇事件のキーパーソンである稲盛会長が、「会社の収益状況から言えば、誰が考えても雇用を続けることは不可能ではなかった」と証言し、整理解雇の「高度な必要性」はなかったことを裏付ける重要証言があったにもかかわらず、判決の中では黙殺され、一切触れられていませんでした。

■破綻の原因はスルー?

また、原告側が主張した「破綻の原因」、つまり航空行政と放漫経営という点については一切触れず、従業員に全ての犠牲を押しつけた日本航空の行為を追認した内容になっていました。

当然、これらの点を不服として東京高裁に控訴されました。

■判決の日程

その判決が以下の日程で下されます。結論を見守りたいところです。

H26.6.3 東京高裁第5民事部判決(客室乗務員)

H26.6.5 東京高裁第24民事部判決(パイロット)

*著者:弁護士 小野智彦(銀座ウィザード法律事務所。浜松市出身。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。)

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