内定辞退を伝えた会社がブチギレ…法律上問題は?

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年6月12日 12時2分

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アベノミクスによる景気回復の影響からか、大学生の就職活動は売り手市場のようです。

そんな中、複数の企業から内定をもらった学生の内定辞退をめぐる企業とのトラブルが続出しているようです。

内定辞退を伝えたら、企業の人事担当者に怒鳴られた、人格を否定された、交通費の返却を求められた、コップの水をぶっかけられた、土下座させられた、A社に行くといったら、「その会社はうちと関係があるから圧力を掛けられるんだぞ」と脅されたなどといったケースです。

今回は、こうした学生の内定辞退に対する企業の対応に法律上の問題がないか検討したいと思います。

■内定辞退に対する企業の対応の問題点について

結論から言えば、こうした人事担当者の行為は、犯罪行為(暴行、脅迫、強要、名誉毀損、侮辱等)や民法上の不法行為にあたる可能性があり、その場合、人事担当者は刑事上ないし民事上の責任を負うことになります。

犯罪にあたる場合、人事担当者は処罰される可能性があります。

不法行為にあたる場合、人事担当者は民事上の損害賠償責任を負うことになります(民法709条)。

人事担当者を使用している企業も使用者としての責任を負うことがあります(民法715条1項)。

■内定と内定辞退の自由について

これに対し、人事担当者や企業としては、学生の内定辞退に対して腹が立ったからだと言ってみても正当化されません。

内定は、将来の一定日(例えば4月1日)から働いてもらう旨の企業から求職者に宛てた労働契約を成立させる旨の通知です。

内定辞退は、内定をもらった労働者(求職者)が一方的に行う労働契約の解約になります。

労働者は、2週間の予告期間をおけば労働契約を解約できますので(民法627条1項)、内定辞退についても2週間の予告期間をおけば自由に解約できるのが原則です。

したがって、人事担当者や企業は、内定を辞退されたことを理由に犯罪行為や不法行為を正当化することはできないわけです。

■対処法・解決策

企業や人事担当者としては、内定を辞退されたとしても犯罪行為や不法行為になるような対応をすべきではありません。

学生の方は、企業や人事担当者に迷惑を掛けないよう、入社するかどうか迷っているのであれば内定をもらう前に内定を辞退する可能性がある旨伝えておくべきであったと思います。

内定をもらえなくなるかもしれませんが、学生の方も、これから社会人になる以上、相手方との信頼関係を裏切らないよう行動すべきなわけです。

仮に内定辞退によって既にトラブルが生じてしまい自身で解決できない状況になってしまった場合、とりあえず大学の就職相談窓口や弁護士に相談してみてください。

*著者:弁護士 冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

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