R指定の映画、コッソリ見たらどうなるの?

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年8月21日 12時3分

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性表現や暴力表現などが過剰な映画などについては最近「R指定」というものが付され、一定年齢以下につき入場制限がなされることがあります。

夏休み、高校生くらいになれば、友達と連れ立って映画を観に行く機会もあることと思います。親御さんとしては、「観てはいけないものを観ているのではないか」と心配になることもあるのではないでしょうか。

そこで、今回は、このような制限を破って、映画館内に立ち行った場合、法的にどのような問題が生じるのかについて、お話しします。

■「R指定」とは何か?

「R指定」とは、映画倫理委員会(映倫)が定める映画倫理規定の中にある映画鑑賞の年齢制限のことです。

この制限は、PG12(12歳未満の者が鑑賞する際には保護者の助言指導が適切とされているもの)、R15+、R18+というものに細分化されています。R15+、R18+は、それぞれ、15歳未満、18歳未満の者に対する入場鑑賞を禁止する規制です。

つまり「R指定」とは、法律による規制ではなく、映画界の自主的な規制ということになります。

■「R指定」を破って映画館に入場、鑑賞した場合はどうなるか。

先ほども述べたように、「R指定」は、法律による禁止規定ではなく、映倫によるいわゆる「自主規制」であり、違反して入場鑑賞した者に対して罰則を科してはいません。

ですから、「R指定」を破って入場鑑賞したこと自体で、処罰されるということはありません。

ただ、年齢確認の際に、例えば偽物の身分証を作成して提示したような場合には、文書偽造や偽造文書行使罪に問われる可能性があります。

一方、映画館側が、入場者を確かに18歳以上と考えて入場させた後で、実際には、18歳未満であることが判明した場合には、「錯誤」(95条)に該当するとして、入場者との契約の無効を主張され、代金返還の上で退場させられることがありうるでしょう。

■「R指定」は実際には、どのように運用されているのか。

「R指定」の映画を上映する映画館は、18歳未満、15歳未満のものを入場させてはいけないということになります。しかし、映画館が入場させた場合の罰則規定もまた設けられてはいません。

実際に年齢確認をどこまでやるかは、各映画館の自主的な判断に委ねられているのが現状のようです。

聞いたところでは、大手の映画館ほど年齢確認は厳格であるそうですが、映画館によっては、明らかにその年齢に達していない人が入場しようとした場合には断る、微妙な見た目の人には身分証の提示を求める、一切年齢確認をしないというところもあるようです。

■「R指定」にはどのように対応するべきか。

「R指定」というのは、性表現や暴力表現などに触れることによって、未成年者に生じる発育上の影響を回避するための規制です。

15歳、18歳といった年頃は、性的なものや暴力的なものへの憧れもがある一方で、このような映像表現を観ることによって、自分にどのような影響が生じるかを判断する能力は極めて不十分であるといわざるを得ません。

対応が難しい問題ではありますが、親御さんとしては、日ごろから、R指定という規制の意味をお子さんにきちんと伝え、ご自身が観るべきでないと考えている場合には、その意見を明確に話すことが必要だと考えます。
*著者:弁護士 寺林智栄(琥珀法律事務所。2007年弁護士登録。法テラスのスタッフ弁護士を経て、2013年4月より、琥珀法律事務所にて執務。)

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