誰も答えられない?「なぜ人を殺してはいけないのか」 その理由を弁護士7人に聞いてみました

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年8月18日 21時2分

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「なぜ人を殺してはいけないのか」と聞かれたらなんと答えますか?

日本の法律には殺人罪があり、もちろん人を殺すと罰せられます。でも実は、殺人罪について規定した条文では「なぜ人を殺してはいけないのか」については明記されていません。

つまり、人を殺すと罰を受けますが、その罰の理由については書かれていないのです。

そうなると、「罰さえ甘受すれば人を殺すのは悪いことではない」などの考え方も出てきますが、やはり「人を殺してはいけない」という認識は多くの人が納得するところでしょう。

そこで今回は、普段法律に基づいて判断を行う7名の弁護士に、条文に明記されていない「なぜ人を殺してはいけないのか?」という質問を投げかけてみました。

琥珀法律事務所

●川浪先生

『なぜ人を殺してはいけないのか?』と問われたら、最初に思い浮かぶ答えは『殺されたくないと誰だって思うから』というものではないでしょうか。

しかし、刑法には、殺人のみならず、同意殺人、自殺幇助も罰する旨の規定があります。すなわち、『殺して欲しい』、『自殺するのを手伝って欲しい』と頼まれてその人を殺すこと、その人が自殺するのを手伝うことも禁止されているわけです。

そうすると、殺される側が納得しているかどうかは関係ないわけですが、なぜ、刑法にこのような規定があるのかというと、人の生命はあらゆる活動の根源・自由の基礎にあるもので最も尊いと考えられているからでしょう。

これも一つの価値観に過ぎませんが、この価値観は多くの人が共有しているはずです。社会において、多くの人と関わって生きる以上、多くの人が共有する価値観に反する行動に出てはいけない、特に生命は最も尊いものですからそれを侵害してはいけない、だからこそ『人を殺してはいけない』のだと思います。

法律事務所あすか

●冨本先生

誰もが命を奪われたくないと考えるのが普通だから。絶対殺されたくないと思うのであれば、絶対人を殺していけないのは当然。

また、生命を保護してもらえなければ他のどういった利益を保護してもらおうが無意味ということで、法によって最も保護されるべき利益といえるから。

星野法律事務所

●星野先生

最も重大な人権侵害だからでしょう。

法は、社会における衝突を防止し、円滑な生活を送るために存在するとすれば、他者の生存そのものを奪う殺人は、普遍的に禁止されるべきものです。

平穏に生存することは人権の最も重要な核心部分であり、人権を守るべき手段にすぎない法が殺人に対してどのような刑罰を定めていようとも、「刑罰を甘受すれば殺人してもよい」とはなりません。

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