「どうして解散するんですか?」 小学生になりすまして政党批判に違法性は?

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年11月27日 13時37分

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「小学4年生の中村」を名乗るが今回の衆院解散に対して、「どうして解散するんですか?」という疑問を問いかけるサイトを公開したところ、大反響がありましたが、後になって大学生が小学四年生になりすまして作ったことが判明しました。

これに対して安倍首相本人が自信のFacebook上のページで「批判されにくい子供になりすます最も卑劣な行為だと思います」とコメントし、ネットユーザーの間でも「卑怯である」といった声があがるなど炎上しました。

なりすましの道義的な是非はさておき、このように人格を偽ってなりすましをし、政治的な意見を述べることに法的な問題はないのでしょうか?

今回は、星野法律事務所の星野宏明先生に話を聞いてみました。

■架空の人格になりすまして政党を批判することに違法性は?

「基本的には刑法上の犯罪になりません。政治的意見の表明は、民主主義の根底を支える仕組みであるため、憲法で厚く保障されている表現の自由のなかでも特に重要なものであり、広く自由に認められます。」

まず、私人への嫌がらせ等ならばともかく、政治的な批判は憲法上広く許されるという前提を確認しましょう。

「匿名での批判も政治的表現の自由に含まれますので、同じです。」

我々の素朴な価値判断からすれば、「なりすまし」というと悪いイメージがありますが、要は匿名と同じように考えているようです。「なりすまし」は悪いことだから処罰すべきというようなことはないわけです。

「例外は、なしすまし自体よりも、批判の表現が他者に対する名誉棄損・侮辱罪となる場合です。もっとも、名誉棄損も、選挙の候補者に関する批判表現は、真実であること、または真実であると信じるにつき相当であったことを証明すれば、違法性が阻却されます。このように、政党・政治批判は、広く許容されています。」

■公職選挙法上のなりすまし禁止にもあたらない

「選挙期間中に行われる『選挙運動』として、なりすましを行った場合には、公職選挙法違反となります。もっとも、インターネットを利用したなりすましが禁止されるのは、公職選挙法でいう『選挙運動』だけです。ここでは簡単にいうと、特定の候補者の投票と関連しない単なる政治批判・批判は、公職選挙法の『選挙運動』に該当せず規制対象になりません。」

「今回のなりすましは、選挙費用の無駄を批判する内容ですので、「選挙運動」には該当せず、公職選挙法のなりすまし禁止規定には抵触しない可能性が高いと考えられます。」

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