意外と簡単! 「1票の格差」ってどんな意味?

シェアしたくなる法律相談所 / 2015年3月26日 21時9分

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■一票の格差って何?

選挙の際には、小選挙区あるいは都道府県選挙区ごとに定数の議員を選びますが、選挙区ごとの人口が大きく異なり、都市部への人口流入も続いているため、例えばA選挙区では人口(有権者)100万人いて当選議員(議員定数)1人なのに、B選挙区は人口50万人で当選議員(議員定数)1人という状況が生じています。

A選挙区もB選挙区も50%の得票率で当選できると仮定すると、A選挙区の議員は50万票ないと当選できませんが、B選挙区では25万票でも当選可能になります。

これは裏を返せば、A選挙区の有権者1人の投票の実質的影響力は、B選挙区の有権者の半分しかないことになります。

ここに一票の格差(投票価値の不平等)が生じます(上の例では2倍の格差となります。)。

■なにが問題なの?

一票の格差問題は、憲法と民主主義、国会の立法政策(と国会議員の保身)、司法権(裁判所)の存在意義が相互に絡み合う複雑な問題ですので、問題の出発点である憲法の規定から見ておく必要あります。

憲法14条は、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と規定し、政治的差別を禁止しています。

これには当然、選挙における投票価値の不平等な扱いの禁止が含まれます。しかも、当たり前ですが、公正平等な選挙は、(西欧式)民主主義の大前提であり、公正平等な選挙≒民主主義といっても過言ではありません。

民主主義国家の存立基盤であることから、他の何よりもまずは選挙における平等(投票価値の平等)を優先すべきだと考えられます。

憲法14条から投票価値の平等が強く求められるという総論自体は、反対はありませんが、問題は、憲法上厳密に、投票価値が「1:1」でなければ違憲となるのかどうかです。

判例は、憲法41条で唯一の立法機関とされている国会には、選挙制度の構築について広い立法裁量があると解釈しています。そのため、厳密に「1:1」でなくとも、格差是正の時間的猶予、格差が生じている理由等を考慮して、もはや合理的説明がつかない程度に格差が拡がっている場合には、憲法14条に違反することになります。

■裁判所はなぜ選挙を無効にしないのか

普通であれば、憲法に違反した法律は、無効であり、不平等な区割り(議員定数配分)を定めた法律が無効である以上、当該選挙自体が無効となるのが自然です。

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