勘違いしがちな「有給休暇制度」…ちゃんと利用するために知っておくべき3つのポイント

シェアしたくなる法律相談所 / 2016年11月18日 6時30分

写真

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

「有給休暇」という言葉は、日常でよく使われますが、その法的な定義までを明確に把握している人は、意外と少ないのではないでしょうか。

ある掲示板では、有給休暇を取りたいけれども、実際問題として消化できていないといった話題で盛り上がっていました。これらの議論の中でも目立ったのが、有給休暇制度に関する勘違いです。

制度を正しく理解していないと損をしてしまうことがあるかもしれません。そこで、労働基準法や企業法務に詳しい三宅坂総合法律事務所の伊東亜矢子弁護士にお話を伺ってみました。

*取材協力弁護士:伊東亜矢子(三宅坂総合法律事務所所属。 医療機関からの相談や、 人事労務問題を中心とした企業からの相談、離婚・ 男女間のトラブルに関する相談、 子どもの人権にかかわる相談を中心に扱う。)

■3つのポイントを押さえて正しく有給休暇システムの理解を!

有給休暇制度を正しく知るといっても、労働基準法を細かくチェックする必要はありません。伊東弁護士には3つのポイントに絞って解説していただきます。

「有給休暇の正式名称は、年次有給休暇と言います。『年次』とある通り、1年ごとに与えられる賃金が支払われる休暇です。この休暇は、労働基準法で規定された、労働者が心身の疲労を回復し、文化的・社会的に健康な生活をおくるための権利です。以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

【ポイント1】取得する権利
労働者が6カ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合、年次有給休暇の権利が発生します。

【ポイント2】時季変更権
使用者は労働者が請求する時季に有給休暇を与える必要がありますが、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合(当該労働者の当該日の労働が業務の運営にとって不可欠で、代替要員を確保することが困難である場合)は他の時季に与えることができます。

【ポイント3】次年度以降への繰り越し
ある年度に発生し、消化されなかった年次有給休暇の請求権は、労働基準法115条の2年間の時効によって消滅するものの、次年度までは繰り越され得るものと解されています。

基本的なポイントは上記の3つですが、企業によって時間単位の付与を認める場合などもありますので、就業規則についても確認しておくと良いでしょう。」(伊東弁護士)

伊東弁護士が解説してくださったポイントを知って、過去を振り返って見ると、もっと消化できた有給休暇があったと後悔されている方も多いのではないでしょうか。また、条件を満たせばアルバイトやパートといった非正規雇用者にも有給休暇は与えられるということも周知して行くことが重要だと考えられます。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング