【弁護士が解説!】改正入管法と実務上の影響(1)

シェアしたくなる法律相談所 / 2019年4月26日 10時24分

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近年、外国人材の受け入れについての話題が多く報じられていますが、今回は、センチュリー法律事務所の杉田昌平弁護士に、「入管法」の改正について解説していただきます。

第1 入管法の改正

2018年11月頃から「外国人材」という言葉を聞くことが多くなったのではないかと思います。きっかけは「出入国管理及び難民認定法」(入管法)の改正です。

2018年12月7日に第197回国会で改正入管法案が可決され、入管法が改正されることになりました。そして2019年4月から新しい入管法が施行されており、新しい在留資格「特定技能」での外国人材の受入れが開始されています。

入管法の改正の背景には少子高齢化に伴う働き手不足があったことは間違いありません。

これまで、外国人材の受入れについては一般社団法人日本経済団体連合会や日本商工会議所から制度改革の提言がなされてきました。

政府としても、働き手不足の一つの対応策として外国人材の受入れを採用したのだと思います。

第2 改正の概要 1 改正のポイント

改正入管法で変更された点を非常に短くまとめると「“特定技能”という新しい在留資格が創設された」とご説明することになります。

次の図表は日本で就労する外国人材について申請頻度が高い在留資格について、縦軸に専門性・技術性をとってまとめたものです。

図表1:在留資格の位置づけ
※杉田昌平『外国人材受入れハンドブック』8頁

入管法の改正によって新設されたのがオレンジ色の部分です。入管法改正で新設された「特定技能」は、専門的・技術的分野の在留資格とされる「高度専門職」や「技術・人文知識・国際業務」と、技術としてはエントリーレベルの「技能実習」との間に位置する在留資格です。

2 「特定技能」の影響

では、今回の入管法改正によって創設された「特定技能」は、実務上影響力が大きいものでしょうか。私の回答は「影響は大きい」と思いますし、実際に実務の現場でご相談を受けていて日に日に相談が増えることからも、影響が大きいことを実感します。

(1)在留資格の位置づけ

その根拠ですが、まず一つは、在留資格の位置づけです。

これまで日本はいわゆる専門的・技術的分野に限って外国人材を受け入れてきました。ですので、産業の現場を支えてくれる外国人材について、正面から「労働力」として受け入れた制度は、原則としてありませんでした。

もちろんこれまで、そして今でも産業の現場を支えてくれている人材として「技能実習生」がいます。彼/彼女達も「技能実習」という在留資格で日本に来てくれている外国人材と言えます。

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