見解が分かれる放送法64条の「契約」規定…弁護士はどう見る? 

シェアしたくなる法律相談所 / 2019年9月18日 9時19分

写真

8月9日から11日かけ、NHKが「受信料と公共放送についてご理解いただくために」という番組を放送し、解説員が放送法第64条を読み上げるなどして、徴収制度の正当性を主張しました。

これは昨今NHKの受信料徴収制度について不満が高まっていることが浮き彫りになったためで、解説員は「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」と規定されていることをしきりに強調し、支払いに応じるよう求めました。

契約義務は謳われているが…

NHKが受信料支払いの根拠とする放送法64条ですが、「契約をしなければならない」とされていますが、「お金を払わなくてはいけない」とは書かれていません。

したがって一部には、「契約ならどんなものでもいいのではないか」「見たときだけ払うという契約でも問題ないのではないか」という声があります。

さらに極論になると、「視聴して一万円貰い受けるのも契約」とする人もいるとか。

放送法64条に定められた「契約」の解釈について、銀座さいとう法律事務所の齋藤健博弁護士に質問してみました。

弁護士の見解は?

齋藤弁護士:「放送法64条は、公共放送を維持するため、特定の施設をもって放送による利益を享受することができる場合、受信環境が整っていていつでも放送を見ることができる一事をもってその放送を視聴していることが前提になっているように思われます。

これに関しては、賛否両論ありえるところですし、実際に放送を享受しないながらも対価を支払っている方も見受けられるのは事実ですし、拒絶が横行していることも事実でしょう。

契約の大原則は、申し込みの意思表示と承諾の意思表示が外形上合致していることが要求されます。

このように考えていきますと、放送法64条は、放送設備そのものの設置をもって、申し込みをした、承諾をしたことをいわば擬制したような形に至ります。

この状態は、極めて例外的なものといわざるをえません。

そうすると、合憲性を維持するには、支える実質的な理由が必要でしょう。

これには疑義が生じて当然と思われます。

「見なければ払わなくていい」とは、これに疑問がある人がみなさん考えることでしょう。

実際には、視聴しているかどうかを検証する手段がないものでしょうから、これにどう向き合っていくかは、個人的には、疑わしいものと考えることは不自然ではないようにも考えられると思います」

転換点に来ている?

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング