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入社予定日直前に勤務地が希望外に…不当性を訴えることは可能?

シェアしたくなる法律相談所 / 2020年3月12日 15時55分

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読者の皆さんのなかにも、4月から新しい会社で働く予定の方は多いのではないでしょうか。スキルや収入アップ、ブラック企業からの脱出など、気持ちを新たにするとともに、期待に胸を躍らせていることと思います。

Fさんもそんな転職組の1人。自分の「やりたいこと」を仕事にするため、A社への入社を決めました。ところが、入社予定日直前に思わぬ事態に直面。現在、頭を抱えているそうです。

勤務地が希望とかけ離れたものに…

その悩みとは、転職先の配属地。Fさんは実家で介護を必要とする母親と東京で生活しているため、「東京に配属してほしい」と会社に説明。了承を得ることができたため、入社を決めました。

ところが入社予定日直前に、「申し訳ないけど地方で働いてくれ」と告げられます。「事情を話して了承されたのに…」と感じているFさんは、希望の職種だけに入社辞退は避けたいそうで、会社に考え直してもらうよう交渉したいと考えています。

Fさんは会社に不当性を訴え、東京勤務にしてもらうことはできるのでしょうか? また、事前の約束を反故にする形で勤務地を希望とかけ離れた場所とすることに、法律的な問題はないのでしょうか?  琥珀法律事務所の川浪芳聖弁護士に伺いました。

弁護士の見解は?

川浪弁護士:「本件で問題となっている会社は「全国規模の会社」ですので、会社に配転命令権が存すること(就業規則上、「転勤がある」旨定められていること)を前提に、以下に解説していきます。

就業規則に「転勤がある」との配転条項が存在していたとしても、会社と男性が、個別の労働契約において「勤務地を限定する合意(例えば、勤務地を東京とするとの合意)」(以下「勤務地限定合意」といいます。)をしていた場合には、その合意は、就業規則の一般条項に優先します(労働契約法7条ただし書)。つまり、労働契約において、勤務地限定合意がなされている場合には、会社は、当初の合意と異なる場所での勤務を労働者に命ずることはできないということになります。

本件の事案では、男性が「介護が必要な家族がいる」との理由で東京勤務を希望する旨を会社に伝えた上で、4月入社の約束を得たとのことですが、これだけでは男性と会社との間で勤務地を東京に限定するとの合意が成立していたかどうかは判断しかねるところです。

「男性の勤務地を東京とすること」に会社と男性が合意したのか、男性が会社に対して「東京を勤務地とするようにお願いしただけ」なのかが明らかではないからです。労働契約書や労働条件通知書が発行されている場合には、主にこれらの書面の記載内容に照らして、勤務地限定合意が成立しているか否かを判断することになると思いますし、これらの書面が発行されていない場合には、求人票の記載内容や面接時のやりとり、その後のメールや電話でのやりとり等から判断するほかないと思います」

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