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商談をキャンセルし子供の看病に向かった女性社員 会社の解雇処分に問題はあるのか?

シェアしたくなる法律相談所 / 2020年7月22日 11時12分

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子育てをしながら保険の営業として活躍するHさんは、会社から解雇通告を受けました。その内容に、憤りを感じています。

仕事中に子供が光熱

Hさんが解雇を通告されたのは3日前。営業の仕事中、突然学校から「子供が熱を出した」「念の為病院に連れて行く」と連絡がありました。

子供の様子が心配だったHさん。3時間後に商談を控えていましたが、契約に繋がるかどうか不透明なこともあり、電話で予定変更の連絡を入れ、病院に向かいます。

客が激怒し問題に

電話口ではとくに怒った様子のなかった商談相手ですが、「せっかく時間を取ったのにロクに理由も告げずに私的な理由で商談を断るとは何事か」と激怒。Hさんは上司に報告をしてなかったため問題になり、「クビだ。」と言われてしまいました。

Hさんは子供の高熱に取り乱してしまい、上司への連絡を怠ったことは自分の落ち度と考えていますが、「客に一応の説明をしているんだし、解雇は酷すぎるのではないか」と会社に抗議することを考えています。

この解雇は認められるのでしょうか? 琥珀法律事務所の川浪芳聖弁護士に伺いました。

措置に問題はないのか?

川浪弁護士:

「会社による「クビの言い渡し」というのは、法律上、解雇の意思表示(労働契約の一方的解除)に該当します。この点に関して,解雇は,客観的に合理的な理由があり、かつ社会通念上相当といえなければ認められません(労働契約法16条)。

本件では、会社に連絡をせず、独断でお客様との商談をキャンセルしたことは適切な対応とはいえなかったと思いますが、このことだけを理由とした解雇は相当性を欠いている(処分として重すぎる)のではないかと考えます」

弁護士の目から見ても、この措置は「重すぎる」と感じるようです。

解雇を無効にできるのか?

「重すぎる」となると、女性は解雇を無効にできるということになるのでしょうか? 琥珀法律事務所の川浪芳聖弁護士に伺います。

川浪弁護士:

「上述したとおり、解雇は、客観的に合理的な理由があり、かつ、社会通念上相当といえる場合でなければ、解雇権を濫用したものとして無効となります(労働契約法16条)。

今回の事案で会社が女性を解雇した直接的な理由は「会社に連絡せず独断で商談をキャンセルしたこと」になりますが、女性によるこの行動自体に問題があることは既に述べたとおりです。もっとも、たった一度このようなミスをしたことをもって、解雇に値するほどの重大な義務違反行為、規律違反行為があったとはいえないと考えます。

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