新規参入で怪しい製品も…「Windows10 Mobile」炎上の懸念

まぐまぐニュース! / 2015年10月20日 4時0分

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鳴り物入りで発表されたWindows 10 Mobile。多数の新規メーカーの参入が見込まれますが、『石川温の「スマホ業界新聞」』では、メディアとしてそれらをどこまで紹介すべきかという石川さんの悩みが記されています。

Windows 10 Mobile開発表明メーカーが続々と登場

最近、悩んでいることを、正直に書いてみたい。

先日、日本マイクロソフトが「Windows 10 Partner Device Media Briefing」を開催。「Windows10の第2章が始まる」として、これから続々とWindows10搭載デバイスが発売されるとアナウンスされた。

そのなかで、Windows10 Mobileも従来の3メーカー(Acer、フリーテル、マウスコンピュータ)に加え、トリニティ、VAIO、サードウェーブの3メーカーが新たに開発表明を行った。おそらく、今後も続々と参入メーカーが現れることだろう。

そこで、メディアの立場として悩ましいのが、「新規参入メーカーをどこまで扱うか」という点だ。

昨今の格安スマホ、SIMフリーブームで、国内外から様々なメーカーがSIMフリースマホ市場に参入している。通信サービスと端末販売が分離され、日本のユーザーも多様な端末の中から、自分の好みに合わせたデバイス選べるのはとても幸せなことだ。

しかし、これだけ多様なデバイスが店頭に並ぶとなると、怪しい製品も混じることになる。「バッテリーは問題ないか」とか「きちんとキャリアの電波につながるか」とか「そもそも壊れないか」など、スマホの品質を自分の目で確かめる必要が出てきたのだ。

キャリアの商品を買っていれば、キャリアがメーカーに対して、品質を求めることもあり、あまりハズレを引くことはない。キャリア商品でも発熱したり、操作がもっさりするなど「イマイチ」な製品が混じることがあるが、比較的、安定した製品を手に入れることができるし、修理交換にもショップ対応してもらえる。

万が一、失敗作を手にしてしまっても、2年後には、安価機種変更できるキャンペーンが用意されていたりする(先日、ドコモショップでArrowsユーザー向けだけの機種変更キャンペーンを展開していた。おそらく、何らかの反省があったのだろう)。

その点、SIMフリー端末は自己責任で端末を買わなくてはならない。しかも、ここ最近は、メーカーとして実績のなかった会社が突然現れ、話題を作り、端末が売れていくという時代になりつつある。

ある程度、スマホに対する知識があり、失敗作を掴んでも「メイン機種でもないし、買い換えればいいや」と寛大な心を持ってくれている人なら良い。

しかし、Windows10 Mobileのような機種となると、Continuumに対応していないようなスペックの製品でも「Windowsパソコン代わりに使える」と勘違いして、購入してしまう主婦層などが出てくると厄介だ。SIMフリー市場が盛り上がり、イオンのようなスーパーでも気軽に端末を購入できてしまう状況を考えると「主婦がパソコンが欲しくて、Windows10 Mobileを間違って買う」というシーンが何となく想像できてしまうのだ。

昔も、PCショップがオリジナルのパソコンを売ったりするなど、「品質は怪しいけど、スペックスゴイ」といったものが流通していた。パソコンの世界は、大手メーカーがきちんとした製品を売りつつ、それとは違う選択肢として、「品質は怪しいけどスゴイ」パソコンを購入できる市場が広がった。ユーザーの商品知識が高まるのに応じて、選択肢が広がっていったのだ。

Windows10 Mobileの場合、そうした「きちんとしたメーカーの製品」と「品質が怪しいメーカーの製品」がいきなり玉石混淆とした状態で店頭に並ぶような気がしている。購入する上で、最初から消費者のスキルが問われるような気がしている。

多数のメーカーが参入し、選択肢増えることは大歓迎だ。しかし、その中には、どこまで信頼性があるのだろうか、と悩ましいメーカーもこれから現れそうな雰囲気がある。そこで、メディアとしてどこまで扱って良いものか、というのが判断しづらいのだ。

新規参入メーカーを大々的に取り上げたものの、直後ネット炎上している様子を見ると、メディアとして、この先、こうした新興メーカーの扱いをどうすべきか、日々、悩んでいるのである。

image by: 日本マイクロソフト

 

『石川温の「スマホ業界新聞」』 Vol.151より一部抜粋

著者/石川 温(ケータイ/スマートフォンジャーナリスト)

日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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