成功は必然。マクドナルドと共通する、旭山動物園の経営スタイル

まぐまぐニュース! / 2016年7月2日 0時0分

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今や誰もが知る存在となった「旭山動物園」。その成功の理由は「独自の展示スタイル」と言われていますが、無料メルマガ『戦略経営の「よもやま話」』の著者・浅井良一さんによると、同園はかねてから優良企業と同じ「経営スタイル」をとっており、成功もある意味「なるべくしてなった」とのこと。旭山動物園を日本一に導いたそのスタイル、一体どのようなものなのでしょうか。

旭山動物園の「目標」と「経営スタイル」

日本の最北に位置する旭山動物園は、「行動展示」という独自の展示スタイルにより上野動物園を抜いて日本一の月間入園者数も記録しています。元々、地方都市にある来場者も多くない無個性な動物園でした。もちろん、予算も潤沢でなく来園者を引き付けるパンダのようなスターもいない状況なかでスタッフの知恵と努力で人気動物園をつくりあげました。

ないないづくしの中から出発したのですが、そこではジャック・ウェルチが言うところの勝つための3条件頭脳」「ガッツ」「ハーツ」は整っていました。そして存亡の危機感の中で「私たちのミッションは何か」「来場者は何を望んでいるか」が徹底的に考られることになりました。そこで確認されたことを、とにかく存続のために実行して行きました。

旭山動物園が評判を得るに至るには、興味深いことにエクセレント・カンパニー優良企業と同じ経営スタイル」を取っていることです。あたかも、マネジメントのテキストをマスターしたかのようです。まず自身のミッション使命を確認し、その上に立って共通する価値観のもとに適任者に権限を委譲して自由に能力を発揮してもらっています。

「私たちは何か」「何をしなければならないか」というミッションと目指すべき価値観が明らかになると、そこから共通認識としての「コンセプト」という共通概念を導き出されます。共通概念によって共通イメージが形成され共有され、そこからしようとする活動の到達点であるビジョンを形成して行きます。

コンセプトビジョンの形成は、高い成果のための必須の要件です。欧米型はトップマネジメントが示し、全員に周知徹底させます。日本型は全員が参加して、時間をかけてつくりあげて行きます。スピード感から言えば欧米型が適しており、その浸透度と強さから言えば参加して創る日本型が優れているとも言えそうです。

成果の実現には価値観の共有が絶対条件になります。個人には「個性」と「向き不向き」があるので、分担しての協働が必要です。価値観を共有し互いに率直に意見を交換しながら、ミッション(使命)に向かって自身の知恵と知識と能力を発揮して貢献し他を支援します。リーダーの役割は、プロセスを構築・調整することで達成を支援することです。

具体的にリーダーはどうするか、それは二つのことを行うことです。一つはコンセプト・ビジョンをもとに主要メンバーとともに現場の情報を収集しつつプロセスとスケジュールと各分野の目標を明確にし示すことで、二つ目は各分野の仕事が円滑に実現できるように環境整理を行いつつ、最適の人材を選別して自由に判断し活動できるように権限移譲を行うことです。

旭山動物園で行われたのが、まさにこのことの実践でした。「どうしてこれだけの人気が集まったのでしょう」と問われると「見せ方を工夫したから」と答えるのだそうです。しかし、ここまで来るには、長い時間の思考の熟成と数多くの試行錯誤の実践と失敗の連続を必要としました。

もともと動物好きの飼育員が集まっているのですが、昭和50年以来最低月1回勉強会を開く伝統があり知恵と知識が蓄積されて行きました。この伝統が「人気を集める」ことになる重要な仕掛けです。この勉強会で、全員を巻き込んだ真剣で率直で自由な話し合いが行われ「良いアイディア」が生まれ共有化がすすめられました。

最初に確認されたのは、動物園は「レクレーションの場」「教育の場」「自然保護の場」「調査・研究の場」であるという「存在意義」についてでした。この「存在意義」について徹底的な共通認識化が促進されました。ここまで来ると、ビジョンとしてのイメージとお互いの考え方やあるべき役割が共有・認識され信念を持った実行がなされて行きました。

その結果生まれたのが、動物の「行動展示」でした。この見せ方は、飼育員が動物の行動を見て感動した経験を来場者に知ってもらおうとして思い至ったもので、Be daring勇気を持ってBe first誰よりも先にBe different人と違ったことをする)であり、マクドナルドの創始者のレイ・クロックがいうところの「成功の極意」そのものです。

image by: Flickr

 

『戦略経営の「よもやま話」』

著者/浅井良一

戦略経営のためには、各業務部門のシステム化が必要です。またその各部門のシステムを、ミッションの実現のために有機的に結合させていかなければなりません。それと同時に正しい戦略経営の知識と知恵を身につけなければなりません。ここでは、よもやま話として基本的なマネジメントの話も併せて紹介します。

出典元:まぐまぐニュース!

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