温泉の朝風呂が危ない。入浴前に飲む「1杯の水」が命を救う

まぐまぐニュース! / 2016年11月25日 14時0分

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元『旅行読売』編集長・飯塚玲児さんのメルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』。今回は、高齢者の自宅内での死因の1/4を占めるとも言われる「ヒートショック」について。そのほとんどが浴室で起こっており、亡くなられた平幹二朗さんや中村獅童さんのお母様もこれが原因と考えられています。さらに、ヒートショックは温泉でも起こりやすく注意が必要とのこと。高齢者入浴アドバイザーという肩書きもあるという飯塚さんが、冬場の入浴に関する注意点を教えています。

冬の入浴リスクについて

先日、(一社)高齢者入浴アドバイザー協会認定の高齢者入浴アドバイザーになったわけだが、たまたま今日、すごい雪が降っているので、寒い冬の入浴のリスクについて書いてみたいと思う。

冬に限らず、入浴にはリスクがあることは以前も書いた。 2015年の交通事故による死亡者数は約4100人だが、入浴に関わる死亡者数は推計で1万9000人に及ぶとされている。 このうち5000人弱は家庭のお風呂での溺死者。 すると、考えようによっては、温泉施設などでの死亡者の方が多いともいえる。

何にしても、交通事故死者の4倍以上の方が入浴に関わる事故で亡くなっているということは知っておきたい。

なぜそんなに多くの方が亡くなるのか。

浴室は滑るので転倒しやすいし、転んで後頭部を強打すれば当然命に関わることになる。 だが、やっぱり死因としては溺死が多い

といっても、いい大人がいきなり溺れるということは考えにくくて、これは入浴中に意識がなくなってしまうから溺れてしまうのである。

なぜ意識がなくなるのか、というと、入浴によって体内に色々な変化が起こるからである。 具体的にいえば、いわゆる脳梗塞や心筋梗塞、のぼせ、血圧や血糖値の急変、心拍数の上昇などなど、である。

入浴前にコップ一杯の水を飲む、というのは、入浴によって血液中の水分が減り、いわゆる「ドロドロ血」の状態になることで心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まるのを予防する目的があるわけだ。 約10分間の入浴でかく汗の量は、おおよそペットボトル1本(500ml)ほどといわれる。 だからこそ、入浴前の水分補給が重要なのである。

入浴中に心筋梗塞や脳梗塞を起こせば、それが直接の死因になるばかりか、素早く処置すれば助かる命も、そのまま意識を失って溺れることで手遅れになってしまう。 こうしたことも、冬は気温とお湯の温度差が大きいのでリスクも上がる。 入浴前の水分補給はいっそう意識しておきたいところだ。

特に早朝の入浴はもっとも注意が必要。 睡眠中にも汗をかくため、朝には血液粘度が上がっているわけである。 しかも冬の朝は寒い。 当然のことながらリスクはいっそう高くなる。 寝起きには必ず水分を補給してから入浴を。

また、前述した通り冬は気温とお湯の温度差が大きい。 特に脱衣所と浴槽の温度差には気を配りたい。 冬は脱衣所も浴室内も冷えていることが少なくないから、裸になるとさらに寒い。 で、早く湯に浸かりたいと考えるわけだが、これは医学的には非常に危険な行為なのである。

急激な温度変化によって心拍数も血圧も急上昇し、同じく脳梗塞や心筋梗塞のリスクは増大する。 血圧の急変はそれだけで体調が悪くなる危険もある。

入浴前のかけ湯も手足の先から順にしっかりと行い、お湯に体を慣らしてから入浴することを心がけたい。 家庭のお風呂では、入浴前にシャワーで浴室を温めておくのがいい。 浴室の温度は23度プラスマイナス1度が理想的である。

湯上がり時も、いきなりザバッと立ち上がるのは危険。 入浴中は静水圧によって頭に血が上っている状況になっているが、湯から出ると全身が水圧から解放されて血液が頭から体へと移動するので、脳貧血を起こしやすいのだ。

これでクラクラっときて浴槽内で転倒し、頭を打ったりしたら溺れてしまう。

湯上がりはゆっくりと、できれば最初に浴槽内の段差に腰掛けて半身浴をしてから上がるくらいでいい。

雪見の露天風呂、というのは確かに魅力的だが、これもまたリスクが大きい。

高齢者入浴アドバイザー協会では、高齢者は冬の露天風呂入浴は避けること、としている。 何たって気温は0度、浴槽は40度以上なわけだ。

40度も温度差がある状況に身を置くことの危険性は、説明されなくても理解できるに違いない。 高齢者でなくてもリスクはあるわけで、冬の露天風呂の入浴では、温かいタオルを頭に載せるなどを心がけるといい。

寒い冬だから温泉が恋しいわけだが、楽しい旅が悲劇に変わらないよう、入浴リスクを減らすように、前述のようなことに気を配って欲しい。

 image by: Shutterstock.com

 

『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』より一部抜粋

著者/飯塚玲児

温泉業界にはびこる「源泉かけ流し偏重主義」に疑問を投げかけた『温泉失格』の著者が、旅業界の裏話や温泉にまつわる問題点、本当に信用していい名湯名宿ガイド、プロならではの旅行術などを大公開!

出典元:まぐまぐニュース!

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