大きなリスクも。社員の退職理由を会社都合にしない方がいいワケ

まぐまぐニュース! / 2016年12月9日 21時0分

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会社を辞める人間の退職理由を、親切心から「会社都合」扱いにしたという話、耳にする機会がありますよね。どころがこの「温情」が企業にとってとんでもないデメリットとなりうる、と言うのは無料メルマガ『「黒い会社を白くする!」ゼッピン労務管理』の著者で現役社労士の小林一石さん。今回の記事では過去に実際に起きた事例を上げながら、その危険性について記してくださっています。

退職理由を「会社都合」にすると何が問題なのか

最近、(少しだけ)悔しい思いをした出来事がありました。それは、あるお店で買い物をしたときのことです。気に入った服があったのでその場で購入をしました。幸せな気分で家に帰り、何気なくそのお店をネットで検索するとなんと、ネット経由で購入すると「10%オフ」だったのです。さすがに、その服を返品してネット経由で買うわけにもいかずなんとも悔しい思いをしました。(別にこのお店が悪い訳ではありませんが)。

みなさんも、このように後から知って悔しい思いをしたということはないでしょうか。ただ、このように悔しい思いをするだけで済めば良いですが労務管理においてはそうはいかない場合があります。

その中の一つに「社員の退職理由をどうするか?」というのがあります。「失業給付が早く出るように退職理由を会社都合にしてあげたい」。これは、たまに私も相談をいただく内容です。

確かに、離職理由によって失業給付が出る時期が変わるためその気持ちもわからないでもありません。ただ、実際にそうすべきかどうかと言われれば、「それはしないほうが良いですよ」とお答えしています。

なぜか? それは、会社にとって大きなリスクになるからです。このリスクを知らないまま「会社都合」してしまうと後で大変なことになります。

まず、会社都合での退職者がいると助成金がもらえなくなります

※ 重責解雇は除きます(すべての助成金ではありませんが)。

これをお話しすると「今のところ助成金をもらう予定はないから」という人もいらっしゃいますが助成金は新規で出来たり内容が変わることも頻繁なのでいつ「もらいたい」助成金が出るかわかりません。そのときのためにももらえる状態にしておくことはとても大切なことでしょう。

次に、「不当解雇」の問題があります。こちらの好意で「会社都合」としてあげたにも関わらず「不当解雇」として訴えられたらそれこそ目も当てられません。不当解雇ということであれば解雇予告手当や退職日からの賃金の請求権も発生してしまうことになります(例えば、簡単にお話しすると10月末に退職して1月に訴えられたとしたら11月、12月分の賃金を請求されてしまうということです)。

「そんな、まさか」と思う人もいるかも知れませんが実際に無い話では決してないのです。また、仮にその人の場合は何の問題が起こらなかったとしても、その後に退職する人が「同じようにして欲しい」と言ってきたら、どうでしょうか? 一人を認めたらその次も認めないわけにはいかず同じようにしてしまうことになりかねません。それを続けていたらおそらくいつかは、問題が起きてしまうでしょう。

そして、解雇は本人に伝えてしまうと本人の同意無しにそれを撤回することはできません(これはいくつもの裁判でも認められていることです)。不当解雇で訴えられて多額なお金を請求されてから「解雇では無かったことにと言ってもそのときでは遅いのです。

「会社都合」というのは社員(元社員)にとってはメリットがありますし、会社に不満をもって辞めた場合なども「自己都合じゃ納得できない」として求めてくる場合も多くあります。そこで安易に認めてしまうのではなくきちんと手続きをすることが大切なのです。

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『「黒い会社を白くする!」ゼッピン労務管理』

【経営者、人事担当者、労務担当者は必見!】

企業での人事担当10年、現在は社会保険労務士として活動する筆者が労務管理のコツをわかりやすくお伝えいたします。

出典元:まぐまぐニュース!

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