ザハ氏の反論が、まさに正論。なぜ設計変更にしないのか?

まぐまぐニュース! / 2015年9月3日 19時30分

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新国立競技場建設計画の白紙撤回、エンブレムの取り下げなど問題だらけの東京オリンピック。その「当事者」の1人である建築家・ザハ氏の事務所が制作したムービーが話題になっています。では、さっそくそのムービーを見てみましょう。 

New National Stadium Video Presentation from Zaha Hadid Architects on Vimeo.

 

自ら新国立競技場のデザインコンセプトについて語るザハ氏

 

日本らしさを重視したデザインの意図などを図説

 

ロンドン五輪の反省を検証するなど、きわめて論理的に反論を行っている

 

収益性について、オリンピック終了後の最大のユーザーはサッカーイベントと定義

 

景観に配慮しつつ収益性と両立しようとする意図が丁寧に説明されている

 

「白紙撤回すべきではない」という主張を論理的にプレゼンする内容が、多くの専門家からも支持を得ています。メルマガ『週刊 Life is beautiful』の著者で世界的エンジニアの中島聡さんもこの動画を解説しつつ、日本の閉鎖的な社会構造を批判しています。

新国立競技場、ザハ氏の主張

予算オーバーのために白紙撤回が決まった新国立競技場に関し、Zaha Hadid の建築事務所が作ったビデオですが、とても良く出来ています。20分強のビデオですが、建築に少しでも興味のある方は、ぜひとも見るべきだと思います。

私の父も建築家でしたが、建築とはソフトウェア設計とも通じる部分のある、とても複雑なプロセスです。単なる見た目のデザインだけでなく、用途、時期、立地条件、安全性、将来の運用コストなども考慮した上で、建設コストも抑えなければなりません。

今回のケースで言えば、コストが問題であるならば、白紙撤回ではなく、設計変更により対応すべきだというのが、Zaha の主張です。それも、特定のゼネコンの言い値で作るのではなく、複数のゼネコンを競争させることにより、コストを抑えることが大切だと主張しています。

Zaha としても名誉挽回のためにこのビデオを作ったのでしょうが、今回の騒動で最も問題視すべきなのは、税金を湯水のように使うことになんの躊躇もしない役人たちと天下り先の団体、そして、公共投資という名目で税金をゼネコンに流すことが景気対策にもなるし票にも繋がると考える政治家たち、という自由競争とはほど遠いところにある日本の社会構造です。

そして、こんな閉鎖的な社会構造こそが、日本企業から国際競争力を奪っているし、日本発のベンチャー企業の成功を阻止しており、さらに、「経済的に成り立たない原発」からの撤退を難しくしているのです。

image by: vimeo

 

『週刊 Life is beautiful』より一部抜粋

著者/中島聡(ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア)

マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。IT業界から日本の原発問題まで、感情論を排した冷静な筆致で綴られるメルマガは必読。

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