学歴や収入よりも「幸福感」を左右する要素が判明、意外な調査結果に

まぐまぐニュース! / 2018年9月6日 4時45分

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収入や学歴などよりも、「自己決定度」が幸福感に大きな影響を与えていることが、神戸大学の研究により明らかになりました。健康社会学者の河合薫さんは、自身のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』の中でこの研究結果を詳しく紹介するとともに、誰にも忖度せず、また押し付けられもしない選択がしづらい状況に置かれている我々現代人が、自分を信じて本来の意味での「選択の自由」を取り戻せば、ギスギスした社会の空気も和らぐのではないかと記しています。

選択の自由と幸福感

「所得、学歴よりも『自己決定が幸福感に強い影響を与えている」ことが神戸大学の西村和雄特命教授らが実施した、2万人に対するアンケート調査で明らかになりました。

かなり昔から所得水準と幸福度が必ずしも関係しないことは、国内外の調査で分かっていましたが、「何が」「どの程度」影響しているかは未だ明確ではありませんでした。

そこで神戸大のチームは、「所得」「学歴」「進学や就職などにおける選択の自由を示す自己決定」「健康」「人間関係」──の5項目に関する選択式の質問を設けて、統計的に分析したのです。

その結果、

  • 自己決定は健康や人間関係に次いで幸福感に影響を与えていた
  • 自己決定は所得と比較すると、約1.4倍強い影響があった
  • 学歴は統計的に有意な結果が出なかった

などがわかりました。さらに、調査では「35~40歳の幸福感が他の年齢比べて低いこともわかったそうです。

研究チームは結果について、

自己決定で進路を決定した人は、自らの判断で努力し、目的を達成する可能性が高くなる。また、成果に対しても責任と誇りを持ちやすくなる。こういった達成感や自尊心が、幸福感を高めることにつながっていると考えられる。

とコメントしています。

自己決定――。すなわち「選択の自由」は、健康社会学では「裁量権」、あるいは「ローカスオブコントロール」と呼ばれています。

これは「選択の自由がある自分が思えることを意味し、どんなに選択肢があっても「正解」が暗黙裡に決められていたり、「忖度しなければならない環境」では意味をなしません。あくまでも「私が決めていい。自分に決める自由がある」と思えることが肝心なのです。

こういった感覚を持つことができると、それだけでやる気が高まります。職務満足感や人生の満足度を高め、寿命にまで影響することがこれまで多くの調査で示されてきました。

たとえば、英ロンドン大学が1967年から継続して行っている疫学研究、通称「ホワイト・ホール・スタディ」では、裁量権のあるトップは、裁量権のない一般社員と比べて死亡率が4倍も低いことがわかりました。喫煙率、高血圧、血清コレステロール値、血糖値など、寿命に影響するリスク因子のすべて加味しても、結果は変わりませんでした。

また、一説には動物園の動物の寿命が野生の動物より短いのも、「選択の自由」がないからだという指摘もあります(この件には賛否両論あり)。

さて、私たちの社会ではどうでしょうか?

人生における選択肢は増えているはずなのに、「これが正解!」が溢れている。正解から外れると「負け組」と排除されたり、ちょっとでも失敗すると「自己責任」が問われてしまったり。「選択の自由」はあるはずなのに、それを実感できない。とっても息苦しい社会になっている。そう思えてなりません。

その一方で、「失敗したくない」「責任を取りたくないから」という不安から「選択の自由を自ら放棄している人も増えてきました。

そして、その自由を自ら放棄した時「言われたことだけやっていた方が楽」などという言葉で、自分を納得させる。それが身も心もビショ濡れにするストレスの雨になってしまうにもかかわらず、です。

私がこれまでインタビューしたビジネスマンの中には、他人からなんと言われようとも失敗をおそれずに「自分の選択で一歩踏み出していた人たちがいました。

彼らは「人生、思い通りにはいきません」と苦笑いしながらもキラキラ輝いていました

選択の自由。あなたはありますか? 自分で決めることをあきらめていませんか? どうか自分を信じて、「あなたの正解」を見つけてください。

そんな「自由人」が1人でも増えれば、今のギスギスした空気も和らぐのではないでしょうか。

image by: Shutterstock.com

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