【書評】習近平が提唱した新都心「雄安」は今どうなっているのか

まぐまぐニュース! / 2018年10月19日 21時0分

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習近平国家主席が提唱した中国の新都心「雄安」ですが、その現状を調べてみると大変な事実が明るみになったそうです。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』では、そんな情報を網羅した中国滅亡論を展開し続けている著者の最新刊を、編集長の柴田忠男さんがレビューしています。

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『習近平の死角 独裁皇帝は間違いなく中国を自滅させる』

宮崎正弘・著 扶桑社

宮崎正弘『習近平の死角 独裁皇帝は間違いなく中国を自滅させる』を読んだ。中国だけでなくヨーロッパも取材している。アメリカについても評論している。著者はずっと前から(北京オリンピックの頃から?)中国滅亡論を展開し続けているような気がする。常に中国の現場レポートの最前線を行く人だ。

習近平がぶちあげた新都心雄安の建設は今どうなっているか水の供給が不能という驚くべき事実が、工事を始めて間もなく露呈した。地下水を汲み上げると地盤沈下に襲われる。既に北京の井戸は枯れ、用水を引いて凌いでいる。それと同じことになりそうだ。かつて麦畑、湿地帯だった建設現場では2018年5月現在、未だ道路が舗装されておらず、24時間の突貫工事が続行されている。

不動産ブームを継続し成長を維持するというお題目のもと、わずか1年で高層ビルが乱立。北京から西安へ120キロ、誰も相手にしなかった地方。「これは国内版シルクロード」「結末の惨敗ぶりを早く見たい」といったネットの書き込みはすぐに削除された。移転を強要された社会科学院などがお気の毒さま。

タイトルの中国関係は半分より少し多いだけである。後半は欧米の話題になる。EUの旗を振ったドイツはいま(リアル現在より少し前)どうなっているのか。メルケル独首相は女傑か、怪物か、それとも世界の破壊者か。こういう設問が出てくるのも、彼女の政策こそがドイツを危機に追い込んだからだ。ドイツはなぜ中国にのめり込むのか。習近平の独裁はどうでもいいのか。いいようだ。

中国企業がドイツのハイテク企業の買収に乗り出し、世界4大ロボットメーカーのひとつ「クーカ」まで手にいれた。ドイツ財界の一部から警戒感が生まれたが、全体の流れを変えるほどでもなかった。メルケルは反トランプ親中派で、過去の発言や訪日回数の少なさをみてもおそらく反日であろう。

ドイツ人のアンビバレントな思考方法は、ナチスが悪く、ドイツ人はヒトラーに騙されただけ、という都合のよい歴史観である。狐と狸の壮大な化かし合いが独中関係で、中国マネーと中国市場の威力は巨大でドイツ人はあがらえないのだ。「民主主義の優等生」は「自由から逃亡」し、中国になびいたのだ。

イタリアでは左翼政党が惨敗、保守系3党が大躍進した。欧米のリベラル派メディアは「極右」と騒ぎ、その翻訳機械である日本のマスコミも同様に煽っている。しかし、保守系を極右呼ばわりしたいならリベラルをなぜ極左と書かぬのか。リベラルなメディアによる言葉の印象操作以外の何物でもない。

著者のメルマガ「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」は2001年8月からほぼ日刊で発行されていて、わたしはその頃からの読者である。お粗末な卒論で、日本学生同盟についても触れたので、約50年前から宮崎正弘という名前は知っていた。彼は今も頻繁に海外取材に出て最新情報をメルマガに書く。「中国は必ず滅亡するという論調は一貫して変わらない。誤字が少なくないが……。なんとわたしと同年齢だった。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

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