安倍政権こそ悪夢。全てを信用できない国にした宰相の重大な責任

まぐまぐニュース! / 2019年2月22日 4時45分

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自民党大会での「民主党政権は悪夢」との発言が波紋を呼んだ安倍首相ですが、何もかもが信用できない国に成り果てた悪夢の元凶は安倍首相しかいない、とするのは元全国紙社会部記者の新 恭さん。新さんは自身のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』で、その一例として「6割の自治体が自衛官募集に非協力的という悲しい状況を変えるため」という首相が持ち出した改憲理由等の「度が過ぎたこじつけ」を挙げ、現政権を厳しく批判しています。

安倍政権という「悪夢」

「毎月勤労統計」不正の調査報告書を読んだかどうか質問した野党議員に、安倍首相はこう答えた。

「総理大臣ですから、森羅万象全て担当しておりますので、日々様々な報告書の全てを精読する時間はとてもない

どうやら、わが国の総理は、宇宙のあらゆる現象に目を配っていて、足元の重大事などどうでもいいようである。

何のテレビ番組だったか、ある識者いわく。「民主党政権が悪夢なら、安倍政権はもっと悪夢かも」。

憲法解釈を好き勝手に変えたばかりか、権力維持のためなら決裁文書の改ざんや統計の偽装など朝飯まえだ。

憲法解釈も、公文書も、統計も信用できない国に成り果てた。この悪夢の元凶を挙げるとすれば安倍首相しかないのではないか。

あのウソつきで自分ファーストのトランプ大統領をこともあろうにノーベル平和賞に推薦するなんて、とても普通の神経ではできない。

トランプ氏は得意満面に言う。安倍首相から受け取ったノーベル賞委員会あての手紙のコピーは美しい文面だったと。「私はあなたを推薦した。日本を代表し、あなたにノーベル平和賞が授与されるよう謹んで求めている」。

佐藤栄作氏がなぜ受賞したのかわからないのと同じように、安倍首相の考える推薦理由がわからない。

たとえ頼みの米大統領にお願いされたとしても、主権者たる国民に断りもなく「日本を代表して」とは、よく言えたものだ。われわれはトランプなんぞに媚びへつらいたくない。

とはいえ、外ではトランプやプーチンに擦り寄りながら内では外交力を誇り野党に居丈高なのが、安倍首相らしさといえる。

国会では、こんなことがあった。2月13日の衆議院予算委員会。本多平直議員は安倍首相が最近しばしば講演などで持ち出すエピソードについて、質問した。

本多 「下関の講演などで、父親が自衛官である少年が、お父さんは違憲なのかと言って涙を浮かべたのです、という話をされていますが、これは実話なんですか」

 

安倍 「実話であります」

自衛官の子供たちは今の現行憲法のもとで辛い思いをしている。これでは、あまりにかわいそうではないか。だから、憲法を改正して自衛隊を明記しなければならない。そう安倍首相は言いたいらしいのだ。

本多 「どこで、いつごろ、どういう方から聞かれた話ですか」

 

安倍 「あの、これはあの、防衛省から聞いた話であります。いま具体的に氏名を挙げることは差し控えたい」

 

本多 「私の実感と違うんですよ。私は小、中学校と、自衛隊の駐屯地のそばで育ちました。たくさん自衛官の息子がいて、こんな話が出たことがないんですよ。ほんとにこんな話があるのなら、その子供を説得しないといけないですよ。お父さんの仕事は憲法違反じゃないよと。自衛隊は憲法違反だと言っている政治家は誰ですか」

本多議員の言うことはもっともだ。災害救助に駆けつけ風呂まで提供してくれる自衛隊を蔑むようなことを言う日本人がいるとは思えない。ところが、安倍首相はいきなり感情をむき出しにして罵りはじめた

安倍 「本多議員は私の言っていることを嘘だと言っているんでしょ、それ。それは非常に無礼な話ですよ。嘘だと言ってるんでしょ、あなたは。本当だったらどうするんですか、これ」

無礼だの、本当ならどうするだの、恫喝まがい。呆気にとられたような顔をしつつ、本多議員はこう切り返した。

本多 「議事録を見てください、私、嘘って言いました?いつどこで聞いたんですかと聞いているんですよ。例え話なのか実話なのか、と聞いているだけですよ」

 

安倍 「嘘だということを前提に言っている。そんなこと、私が嘘を言うわけがないじゃないですか。あまりにも全面的に人格攻撃じゃないかと思う」

作り話じみたものについて、たとえ相手が一国の総理大臣であろうと、いや、そうであればこそ、真偽を問いただすのが議員の務めである。

それを、人格攻撃だと非難し激昂するのは、尋常ではない。よほど痛いところを突かれているのだろう。

そもそも、たとえそんな話が事実であったとしても、憲法改正の理由にはならない

だが、安倍首相の真骨頂は、不自然さなどおかまいなしの理屈をひねり出すところにある。

2月10日の自民党大会で安倍首相は以下のように新たな改憲理由を持ち出した。

残念ながら、新規隊員募集に対して、都道府県の6割以上が協力を拒否しているという悲しい実態があります。地方自治体から要請されれば自衛隊の諸君はただちに駆けつけ、命をかけて災害に立ち向かうにもかかわらずであります。皆さん、この状況を変えようではありませんか。憲法にしっかりと自衛隊と明記して、違憲論争に終止符を打とうではありませんか。

この発言に関する論点はいくつもある。

都道府県の6割以上が自衛隊員募集への協力を拒否している、というのはどういうことか。かりにそれが事実だとしても、憲法に自衛隊を明記すればその問題は解決するのか。違憲論争に終止符と言うが、どれほどその論争が活発に行われているのか、などだ。

まず自治体の協力の問題について。防衛省の認識はこうだ。

全国1,741の市区町村のうち、2017年度に住基台帳の個人情報を、紙や電子データで提供したのは36.3%、住基台帳の閲覧を認めているのが53.5%で、ほぼ9割の自治体がなんらかの協力を行なっている

ところが、安倍首相にすれば、紙や電子データにして渡してくれるのがあたりまえで、閲覧程度では協力拒否の悲しい実態」であるらしいのだ。

命をかけて災害現場に駆けつけるありがたい自衛官が、わざわざ閲覧して名前や住所を書き写す労力を余儀なくされるのはかわいそうだ。自治体に自衛隊への感謝の気持ちがないからそうなるのであって、その原因は憲法に明記されていないからに違いない。だからこそ今、憲法改正が必要なのだという理屈であろう。

だが、そんな問題だろうか。「国のために命をかけよ」と説く安倍首相の心中では、個人情報など軽いものなのかもしれないが、自治体は個人情報を守る法律や条例を重んじる立場上たとえ自衛隊の要請といっても簡単には応じられないのだ。

住民基本台帳法には、国や自治体が法令で定める事務の遂行に必要な場合に限り、台帳に記載されている個人情報のうち「氏名・生年月日・性別・住所」の写しの「閲覧」を認めると書いてある。「閲覧」は認められるが、それ以上の協力は法的にできないのである。

つまるところ、安倍首相は法律に違反してもいいから自衛官募集のためにサービスをするよう自治体に強要しているようなものだ。

どうして、こんな珍奇なことを首相ともあろう人が言い出したのか。朝日新聞に答えが載っていた。

あの櫻井よしこ氏が共同代表兼広告塔をつとめる日本会議系「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の大会が昨年12月5日に開かれ、チラシが配られたという。それに関する次の記述。

チラシには、東日本大震災で救助活動にあたる自衛隊員の写真とともに「災害救助を要請する自治体が、なぜか自衛隊員募集には非協力」とある。裏面では「全国六割の自治体が、自衛隊員募集に非協力的」とし、「自治体が円滑に業務を遂行するため、自衛隊の憲法明記を!」と訴えている。

(2月16日朝日新聞)

安倍首相はこれをそのまま借用したようだ。

先述したように、たとえ国の要請があったとしても、自治体が個人の情報を慎重に扱うのは当然のことである。自衛隊が憲法に明記されることとは問題が全く別だ。

違憲論争にしても、いったいどこで熱を帯びているというのだろうか。憲法学のうえでは厳密に条文が解釈されるため、自衛隊は違憲かと新聞社のアンケートで問われれば、違憲と答えざるを得ないこともある。

自衛隊の段階的解消を掲げる共産党ですら「政権を担ったとしてもすぐに手をつけるつもりはない」(志位委員長)と、あくまで現実路線だ。

日本人のほとんどは、自衛隊の必要性を認めているのではないか。だが、学問としての自衛隊違憲論は、存在する。それが、明治憲法への回帰を願う政治思想団体に都合よく改憲の理由として利用されているのが現実だろう。

それにしても、安倍首相によるこじつけは度が過ぎている

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