プロが伝授「お腹に溜まりにくいドリンク」3つの条件と補給量

まぐまぐニュース! / 2019年2月26日 18時25分

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ランニング愛好者からの水分補給について知りたいという相談に、メルマガ『届け!ボディメイクのプロ「桑原塾」からの熱きメッセージ』の著者、桑原弘樹さんが回答。トレーニング時の補給する水分として留意すべき3つの条件と補給量を教えてくれました。さらに、水分補給にも通じる、むくみや高血圧を生む浸透圧の仕組みについてもわかりやすく解説しています。

水分補給について知りたい

Q. 水分補給について教えてください。筋トレもしていますが、メインはランニングです。CCDは普段から愛用しています。(29歳、男性)

桑原塾長からの回答 ~お腹に溜まりにくい飲料の条件~

水分は私たちの体の約60%を占めていますから、重要度としては三大栄養素よりも上かもしれません。実際、海外のトレーナー用のテキストなどは、水を第六の栄養素として取り上げることが一般的です。

体の半分以上を占めている水ですが、一方で常に体内から発散しています。仮にトレーニングをしていない人であっても、1日に2.5Lほどの水は体から消費されています。つまり、まったく水分補給をしなければ、それだけで1日に2.5kg分体重が減るということです。

もし、トレーニングをするとなると、その季節やトレーニングの内容にもよりますが、ざっと500CC~1L/hが抜けているのです。そこで如何に上手に水分補給をするかという発想になるのですが、以前は水を飲むという至ってシンプルな行為だったものが、スポーツニュートリションの進化にも伴って、エネルギーや電解質などを水分と一緒に補給するということが可能となってきたのです。

ここで登場したのが低浸透圧ドリンクです(ハイポトニックドリンク)。CCDはまさにハイポトニックドリンクの典型ですが、更に高エネルギーという点が特別な特長ともいえます。本来は水に物質を溶かせば溶かすほど浸透圧はあがりますので、高エネルギーにすればするほど低浸透圧からは離れていくのです。

しかし、CCDという特殊なデキストリンは高エネルギーであるにも関わらず、浸透圧をあげない(あげにくい)という特長があるため、高エネルギーのハイポトニックドリンクが可能となったのです。

浸透圧が高いという状態は、一般的には水にたくさん物質が溶けているという状態でもあるため、分かりやすく言えば液体がどんどんと固体に近付く状態でもあります。つまり、お腹に溜まりやすい状態なのです。

従来のスポーツドリンクは電解質が含まれるという特徴と、体液に近い浸透圧(アイソトニック)という特徴を有していました。決してアイソトニックが悪いという意味ではありませんが、トレーニングの最中という観点でいうならばより低浸透圧である事の方がお腹に溜まりにくくなるため、最近ではハイポトニックドリンクが人気になっているのです。

ちなみに、お腹に溜まりにくい(胃から腸へ速く移行する)ドリンクの条件は幾つかあります。

1.低浸透圧であること。  ⇒ アイソトニックよりもより浸透圧が低い状態。

2.ナトリウムとブドウ糖が含まれること。  ⇒ ナトリウムとブドウ糖が小腸での粘膜透過性によって吸収される際、それに伴って水も吸収される。4~8%糖質濃度、0.1~0.2%食塩濃度

3.冷水であること。  ⇒ 5~15℃

摂取量に関しては、こういった条件のドリンクを準備して、トレーニング時間にもよりますが、トータル的には発汗による体重減少の70~80%の補給を目標とする感じでしょう。

ついでにという訳ではありませんが、浸透圧について少し補足しておきます。

浸透圧の説明をするには、半透膜というものを理解しないと難しいのですが、半透膜とは簡単に言えば水は通すけれどそれ以外の物質は通さない膜のことです。正確には水のような小さな分子は通るけれど、大きな分子は通らないという膜です。人の細胞膜などはこの半透膜です。

半透膜で仕切られた状態の水槽で、片方に例えば塩を溶かした場合、塩の分子は大きいので半透膜を通りません。しかし、常に濃度は一定に保ちたいという力が働くため、行き来が自由な水は塩が溶けている側にどんどんと流入をしていって濃度を一定に保とうとします。この時の水の動いていく力が浸透圧です。

私たちの体は常に一定の浸透圧で保たれていますが、ここに大きく影響を与えるものが2つあります。

ひとつはアルブミンというタンパク質です。アルブミンは血液の中にもっとも多く含まれるタンパク質ですが、このアルブミンの濃度が下がってくるということは浸透圧が下がるということになるため、アルブミンの濃度が血液よりも濃い状態の組織間へ水が移動することになります。

これが、アルブミン濃度が低下することに起因する浮腫(むくみ)みです。このアルブミンの濃度による浸透圧を、膠質(こうしつ)浸透圧といいます。

もうひとつ浸透圧に強い影響をもつのがナトリウムです。特にナトリウムは血漿への影響が強く、血漿浸透圧はナトリウム濃度に影響されています。血漿とは血液から赤血球、白血球、血小板を除いたものですが、ナトリウム値が高くなると浸透圧を保つためにそれを薄めようと体が反応を起こします。この場合は、単に体内の水分移動ではなく、浸透圧受容体が反応をして喉の渇きという現象を起こします。つまり水が飲みたくなるのです。

その時に水を飲まない(飲めない)状態になると、今度は水を排泄しないようにと抗利尿ホルモンが分泌されて尿の量が少なくなります。結果として血液中の水分量が増えるために増えた血液を押し出す力が必要となり、心拍出量が増えて血圧が高くなるというわけです。

塩分の摂り過ぎが高血圧によくないというのは、浸透圧が絡んでいたわけなんですね。

image by: wavebreakmedia, shutterstock.com

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