松下幸之助が、ただ漫然と仕事をしている社員にかけた魔法の一言

まぐまぐニュース! / 2019年4月12日 21時14分

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仕事や何かに取り組む際、ただ漫然とこなしているだけでは人間なかなか成長することはできません。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』では著者の石丸智信さんが、大切なことは「何のために」と自らに問いかけ、実践することであると説いています。

「何のために」と自らに問いかける

先月、いい会社を表彰する賞を受賞した経営者の講演を聴講する機会がありました。「現場の自主性を大切にした人材育成とは?」というテーマでの講演でした。その講演の中で印象的だったのは、テーマに自主性とあるように、社長が口出ししないで社員が考えるようにすることです。

例えば、講演者である経営者は、社員などからの提案に対して、毎回、「何のためにやるの?」と訊いていたそうです。そして、毎回、同じ質問をするものだから、社員などから相談されないようになって、社員などが勝手に考えて実践するようになったそうです。また、「社員が自ら努力して主体的に参加して自己成長を自覚して社会貢献する」ともお話ししていました。

この講演から改めて、「何のためにと考えて実行実践することが大切だと感じました。

ここからは、上記の講演に関連して、以前聴いたことがある松下幸之助氏のエピソードについて考察していきたいと思います。松下幸之助氏が、電球磨きをしている社員に向かって語りかけたというエピソードです。

工場では、電球を布で磨いていくという仕事がありました。ある日、しらけたような表情で、つまらなさそうに電球を布で磨いている社員がいました。その社員に対して松下氏は、「ええ仕事してるなー」と、語りかけました。

このように言われた社員はというと、「電球を布で磨く仕事のどこが良い仕事なんだ」「電球磨きなんて、誰でもできる仕事だろ」などと思っていたようで、松下氏の言葉に唖然としたそうです。

続けて、松下氏は、その社員に語りかけました。

この電球はどこで光っているか知っているか?あんたが磨いたその電球で町の街灯に明かりがつく。その街灯のおかげでどうしても夜遅くに駅から家に帰らなあかん女の人、いつも怖い思いをして帰っていた女の人が安心して家に帰ることができる。

 

子どもたちが絵本を読んでいると、外が暗くなって、家の中はもっと暗くなる。そうなれば、絵本を読むのを途中でやめなあかん。でもな、あんたが磨いている電球1個あるだけで、子どもたちは絵本を読むことを続けることができるんや。あんたは電球を磨いているんやないで。子どもたちの夢を磨いているんや。子どもたちの笑い声が聞こえてこんか?

 

物作りはな、物を作ってはあかん。物の先にある笑顔を想像できんかったら、物を作ったらあかんのやで。子どもたちの夢のために、日本中、世界中にこの電球をともそうや。

と松下幸之助氏は社員に対して語っていきました。このエピソードは、まさに「何のために仕事をやるのか」という仕事の目的を言い表しているように思います。

きっと、この社員は、松下氏の話を聞く前までは、「今日は、1日で電球を100個磨かないといけないのかぁ」などと思いながら、布で電球を磨くという目の前にある仕事だけに焦点を当てていたのではないでしょうか。

目的や意味を見出せない誰でもできるような作業が続くと、この社員に限らず、その作業をつまらないなと感じるのではないでしょうか。例えば、新入社員の頃を思い出すと、コピー取りなど、「何で自分がこんなことをしなければいけないの」「自分はこんなことをするためにこの会社に入ったわけでない」などと思うような仕事を体験したことがあるでしょうね。

しかし、松下氏が語りかけたように、取り組んでいる仕事の先にいる喜んでくれる人などをイメージできるとその仕事に対する目的や意味を見出すことができその仕事に対する取り組み方も変わってきますね。

松下氏の話を聞く前までは、しらけたような表情で、つまらなさそうに電球を布で磨いている社員も、この話を聴いた後は、きっと、「自分の仕事は子どもたちの笑顔や夢につながる」などと考えて、電球を磨くという仕事に対する取り組み方も変わったのではないかと思います。そして、仕事が変わったとしても、常に、「何のためのこの仕事をするのかと仕事の目的や意味を考えながら仕事に取り組めるようになったことでしょうね。

松下幸之助氏のように「何のために」と考えていくと、コピー取りなどのような雑務のように見える仕事であっても、その仕事の先にある目的や意味を見出すことにつながってくると思います。

この松下幸之助氏のエピソードから、仕事に限らず、何らかの物事に取り組む時には「何のために?」と自分自身に質問してみることが大切だと感じます。そして、「何のために?」と考える時には、自分のためと考えつつ自分以外の他者のためにと考えることでより力が湧いてくるように思います。

「何のために?」と自らに問いかけることは、社会人のみならず、子どもたちにとっても、何らかの物事に取り組むに当たって大切なことではないでしょうか。

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