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「鈴木敏夫とジブリ展」東京で開催中 名作誕生の秘密を知り、子供と一緒に楽しめる空間

マグミクス / 2022年7月8日 12時10分

「鈴木敏夫とジブリ展」東京で開催中 名作誕生の秘密を知り、子供と一緒に楽しめる空間

■高畑監督、宮崎監督、鈴木プロデューサーそれぞれの読書スタイルを語る

「鈴木敏夫とジブリ展」は、高畑勲、宮崎駿両監督とともに数々の名作を世に送り出してきたスタジオジブリのプロデューサー(現:代表取締役プロデューサー)である鈴木敏夫氏の幼少のころから現在に至るまでの足跡を、鈴木氏の蔵書である8800冊の書籍と人生に影響を与えた数々の映画とともに振り返るイベントです。2022年7月1日から9月7日にかけて、東京・天王洲 寺田倉庫B&C HALL及びE HALLで開催中です。

 開会前日のセレモニーであいさつに立った鈴木氏は、「子供のころから自分が大事だと思ったいろんなものをとっておく(くせがありました)。他人から見たらどうでもいいものですけど自分にとっては大事なものでしまっておいたんですが、正直こんな形で皆さんに披露することになるとは思ってはいなかったです。自分のことなのでちょっと恥ずかしいけど……歳をとるっていうのは良いこと」と、今回展示されている書籍を手元に残していた経緯などを語りました。

 報道陣との質疑応答で展示内容についての感想を尋ねられた鈴木氏は、「バラバラに置いてあった本を一堂に会するとどうなるんだろうという期待が実現したので、単純に言って嬉しかったです。感動ですよね。こういう部屋が欲しいなと思った」と素直な気持ちを述べました。

 また、高畑勲監督、宮崎駿監督の本の読み方との違いについて尋ねられた鈴木氏は「宮崎駿は月に4~5冊の児童書を読むんですよ。多い時はもっと。一方で評論系の本なども読んでいましたね。高畑勲は時代に敏感な人で、今の時代に起きていることを解明するために本を買って、いろんな人の意見を踏まえながら自分の意見を作るのが大きな特徴だった。僕は体系的な読み方はせずに、気になった作家がいたらその人の本を全部読むのが特徴かなという気はしてます」と、三者三様の読書スタイルについて語りました。

 フォトセッションでは映画『千と千尋の神隠し』に登場するカオナシを「こっちだよ!」と誘導するなど茶目っ気を披露。会場を大いに盛り上げました。

■少年時代の部屋を模した展示も

夏休みのお子さんにも楽しんでもらえるような仕掛けも。画像はサイネージの前に立つとカオナシになりきることができる会場限定コンテンツ、「カオナシなりきりAR」

 続いて報道陣に公開されたのが、B&C HALLに設営された、鈴木氏が影響を受けた書籍などが展示されているコーナーです。現在では極めて貴重な当時のマンガ雑誌や単行本が並べられているだけではなく、鈴木氏が幼少時を過ごし、買ってもらったマンガ本などをため込んでいた4畳半の部屋が再現されており、非常に見ごたえがあります。

 少年時代に夢中になった映画の展示コーナーには、鈴木氏が中学生のときに魅了された映画『ポリアンナ』などを代表役に持つ子役スター、ヘイリー・ミルズの展示が行われています。こちらのコーナーでは鈴木氏が当時英語でファンレターを送ったけれど返事は無かったこと、後にディズニーの担当者に話したところ、40年越しに直筆メッセージが届いたという驚愕のエピソードがテキストで明かされており、メッセージの現物も展示されています。

 その後、慶応義塾大学に合格した鈴木氏は上京し、激動の大学生活を経て卒業後には徳間書店に入社。雑誌記者・編集者として手塚治虫や石ノ森章太郎、ジョージ秋山といった名だたる漫画家と親しく付き合うようになります。

 1978年に現存するアニメ雑誌のなかで最古参となる「アニメージュ」の創刊にも携わった鈴木氏は、映画『風の谷のナウシカ』制作を期にプロデューサー業に進出します。年代ごとに事細かく書かれた鈴木氏の歩んだ道のりは新しいものを生み出すエネルギーに満ちあふれており、1970年代から80年代にかけて時代を覆っていた熱気を感じ取ることができます。他にも『となりのトトロ』や『もののけ姫』などスタジオジブリに関連する展示も豊富で、ファンならば必見の価値があると言えるでしょう。

 数多くの展示のなかでも圧倒されるのが、鈴木氏の本棚です。鈴木氏がこれまでに読んだ8800冊の書籍やマンガがずらりと並べられており、鈴木敏夫というプロデューサーはどのようにして作られたのか、知性と創造力の秘密はなんなのか、その一端を垣間見ることができます。

 全展示を見終えるとたどりつくE HALLには映画『千と千尋の神隠し』に登場する湯屋「油屋」をモチーフとした大型空間<油屋別館>が設営されています。ここでは数々のグッズやAR体験コーナーが用意されていますが、なかでも大迫力なのが巨大な湯婆婆・銭婆のおみくじです。人間の大きさをはるかに超える大きさの湯婆婆たちの姿は、一度見たらなかなか忘れられないでしょう。夏休み、お子さんを連れていけば、きっと大喜びしてくれるのではないでしょうか。

(C)TS (C)Studio Ghibli

※宮崎駿監督の「崎」は正しくは異体字ですが機種依存文字のため、やむを得ず「崎」に置き換えて表示しています。

※「鈴木敏夫とジブリ展」は、2022年9月7日(水)まで、東京・天王洲「寺田倉庫」B&C HALL/E HALLで開催中。開催時間は10:00~20:00(最終入場19:30)、チケットは1時間ごとの日時入場制。ローチケ、日テレゼロチケで購入できます。

●鈴木敏夫 プロフィール
1948年、名古屋生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、徳間書店入社。「アニメージュ」の創刊に参加し、副編集長、編集長を務めるかたわら、高畑勲・宮崎駿作品の製作に関わる。1985年にスタジオジブリの設立に参加、1989年からスタジオジブリ専従。以後ジブリのほぼすべての劇場作品をプロデュースする。現在、スタジオジブリ代表取締役プロデューサー。

(早川清一朗)

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