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「京アニ」製作の劇場版『響け!ユーフォニアム』 BS12で放映、部活の思い出が蘇る?

マグミクス / 2022年7月9日 20時10分

「京アニ」製作の劇場版『響け!ユーフォニアム』 BS12で放映、部活の思い出が蘇る?

■吹奏楽部を舞台にした熱い青春ドラマ

 夏休みももうすぐ。夏休みといえば、学生時代に部活動で練習に明け暮れた思い出を持つ人も、多いのではないでしょうか。体育会系の部活だけでなく、文化系の部活も、なかなかハードな夏休みを過ごすようです。

 京都アニメーション製作の『劇場版 響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレ』(2019年)は、そんな文化系部員たちの熱い青春の日々が描かれています。京都府宇治市出身の作家・武田綾乃さんの小説「響け!ユーフォニアム」シリーズが原作となっています。武田さん自身、中学時代に吹奏楽部に所属していたそうです。

 2015年、2016年に京都アニメーションによってTVアニメ化されており、劇場版も『劇場版 響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』(2016年)、『劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ』(2017年)、さらにスピンオフ作『リズと青い鳥』(2018年)が公開されています。

 劇場版第4弾となる『-誓いのフィナーレ』ですが、過去作を観ていなくても充分に楽しめる内容となっています。2022年7月10日(日)のBS12「日曜アニメ劇場」にて夜8時から放映される、『-誓いのフィナーレ』の見どころを紹介します。

■人間関係の調整に追われる主人公・久美子

 主人公は北宇治高校2年生、吹奏楽部に所属する黄前(おうまえ)久美子です。担当は柔らかい音色が特徴的な金管楽器のユーフォニアムです。それまでは弱小部だったのですが、前年度に全国大会出場を果たし、1年生部員の勧誘にも成功しました。2年連続での全国大会出場を目指し、みんな張り切っているところから物語は始まります。

 率直な性格の久美子は、低音パートの1年生部員たちの指導係に選ばれます。吹奏楽は一体感が重要です。久美子はパート練習だけでなく、部員間の人間関係の調整にも追われることになるのでした。

 地元のあがた祭りやプールに出かけても、久美子は部活のことが気になって仕方ありません。1年生のなかでもいちばん厄介なのが、久美子と同じユーフォニアム担当の久石 奏(かなで)です。奏は礼儀正しく、演奏もうまいのですが、副部長である3年生の夏紀との相性がよくありません。

 コンクールが迫り、部内オーディションが行なわれますが、奏はわざと下手な演奏を披露します。奏よりも演奏力の劣る夏紀がオーディションで外されると、部内の雰囲気が悪くなると考えたのです。そのことに気づいた夏紀は激怒します。1年生と3年生との板挟みになる久美子でした。

 楽器演奏のリアリティに加え、成長途上にある高校生たちの揺れ動く心理を、TVシリーズから引き続き担当した石原立也監督が繊細に描いているのも本作の魅力となっています。

■各部員の葛藤を乗り越えて、奏られるハーモニー

2年生になった久美子(中央)は、関係が悪化した先輩と後輩の板挟みになって……『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』より (C)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会

 京都アニメーションが製作した、山田尚子監督の『リズと青い鳥』は、同じ北宇治高校の同時期の吹奏楽部木管パートを描いた物語です。3年生のふたり、オーボエ担当のみぞれ、フルート担当の希美を中心に描かれていました。同じ吹奏楽部でも、学年や担当パートによって、まったく異なるドラマが繰り広げられていたわけです。

 友情と嫉妬心が混在する希美とみぞれは、本番でどんな演奏を披露したのかは、『リズと青い鳥』では描かれていませんでしたが、『-誓いのフィナーレ』では北宇治高校吹奏楽部が全国大会を目指して県大会に挑む様子がクライマックスとなっています。

 演奏を聴くために会場に集まった人たちは、吹奏楽部の部員たちが舞台裏でどんなドラマを繰り広げたのかは知りません。でも、各部員たちが葛藤を乗り越えて演奏する、それぞれの楽器の音色の美しさ、そしてハーモニーの心地よさに、観客は魅了されることになるのです。

 北宇治高校吹奏楽部の全部員が一丸となって練習の成果を発揮する「リズと青い鳥」の演奏シーンは、聴き応え充分です。

■野球マンガ『キャプテン』を思わせる展開に?

 個性豊かな北宇治高校吹奏楽部の部長を務めるのは、大きなリボンがトレードマークとなっているトランペット担当の3年生・優子です。前年度に全国大会に出場しただけに、新しい部を引き継ぐのは大変なプレッシャーがあったことでしょう。それでも優子は時に空回りしながらも、新リーダーとして精進し、県大会では部員をまとめることに成功します。演奏が終わった後の、優子のあいさつも見事です。

 本作を観ていて思い出すのが、ちばあきおさんの名作野球マンガ『キャプテン』です。弱小野球部を舞台に、谷口タカオ、丸井、イガラシ、近藤……と、歴代キャプテンが代々奮闘し、チームが成長していく様子が描かれていました。自分によく似た、等身大の野球部員たちが汗を流し、地道な練習を重ねる姿がとても印象に残っています。

 学生たちの部活動は毎年顔ぶれが変わるため、1年ごとにチーム編成は大きく変わり、部内の雰囲気もガラリと変化します。体育会系と文化系との違いはありますが、『キャプテン』も『響け!ユーフォニアム』も、本番に向けてどんなチームに仕上がっていくのかが楽しみになる作品です。

 3年生が卒業した後は、誰が北宇治高校吹奏楽部をまとめていくことになるのか。本作の最後まで、ぜひ見届けてください。

(長野辰次)

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