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金ローで実写版『キングダム』放映 「マンガ実写化」がコスプレショーにならない佐藤信介監督の手腕とは?

マグミクス / 2022年7月15日 20時10分

金ローで実写版『キングダム』放映 「マンガ実写化」がコスプレショーにならない佐藤信介監督の手腕とは?

■日本映画にはなかったスケール感の『キングダム』

 これまでの日本の実写映画にはなかった壮大なスケール感で描かれたのは、山崎賢人さんが主演したアクション大作『キングダム』(2019年)です。原泰久氏が「週刊ヤングジャンプ」に連載中のベストセラーコミックを原作にした本作は、興収57.3億円の大ヒット作となりました。

 2022年7月15日(金)から、シリーズ第2弾となる『キングダム2 遥かなる大地へ』の劇場公開も始まります。山崎賢人さん演じる主人公・信は、歩兵として初めての戦場を体験することになります。さらにスケールアップしたアクション描写が、話題を集めそうです。

 同じく7月15日の「金曜ロードショー」(日本テレビ系)では、シリーズ第1作『キングダム』がノーカット放映されます。佐藤信介監督によって実写化された『キングダム』の魅力に迫ります。

■「王都奪還編」を実写化した第1作

 戦災孤児だった信(演:山崎賢人)は奴隷として過ごしていましたが、「天下の大将軍になる」という大きな夢を持ち、仕事の合間に剣の修行を欠かせませんでした。ある晩、王宮に仕えていた幼なじみの漂(演:吉沢亮)が傷だらけの姿で帰ってきました。漂は秦国の王の身代わりとなって、刺客に襲われたのです。漂の死に、信は怒りの炎を燃やします。

 秦国の王・政(演:吉沢亮)の顔が漂とあまりにそっくりで、信は驚きます。内乱によって王宮から追われる身となった政とともに、信は王都奪還を目指すことになります。旅の途中、山の民の末裔である河了貂(演:橋本環奈)、政を慕う文官・昌文君(演:高嶋政宏)らが仲間に加わります。

 実写化シリーズ第1弾となった『キングダム』が成功した理由に、山崎賢人さんや吉沢亮さんらが原作キャラクターのイメージにぴったりだったことに加え、現在65巻まで刊行されている原作コミックの第1~5巻の「王都奪還編」に絞って映画化したことが挙げられます。

 原作コミックの第5~7巻にあたる「蛇甘平原の戦い」をメインに描く第2弾『キングダム2』に比べると、派手な戦争シーンはない、比較的地味なシリーズ序盤となっています。でも、信が「天下の大将軍になる」という夢を目指し、漂と一緒に修行に明け暮れた日々、政や河了貂との出会いという重要なエピソードが含まれています。原氏も交えて脚本をまとめるのに1年を費やしたそうですが、手間を掛けただけあって、上映時間134分のなかで5巻分のエピソードがうまく収まっています。

 ハリウッド大作『ロード・オブ・ザ・リング』三部作(2001年~2003年)ばりのエンタメ大作シリーズに育てようという、製作サイドの意気込みが感じられます。

■王騎役の大沢たかおさんは役づくりで20kg増量

2022年7月15日公開 映画『キングダム2 遥かなる大地へ』 (C)原泰久/集英社 (C)2022 映画「キングダム」製作委員会

 山崎賢人さん、吉沢亮さん、橋本環奈さんら、若手人気キャストを配役した実写版『キングダム』ですが、原作マンガと人気キャストをそろえれば、実写映画が完成するわけではありません。古代中国の春秋戦国時代をスクリーン上に甦らせるために、大きな役割を果たしたのは長澤まさみさんと大沢たかおさんです。

 山の民の女王に扮した長澤まさみさんは本格的なアクションは初めてだったものの、華麗な二刀流の殺陣を披露してみせました。長澤さん演じる女王の凛々しい美しさなら、山の民たちが体を張って戦う気持ちも納得できるというものです。

 大沢たかおさん演じる大将軍・王騎は、出番はあまり多くはありません。それでも「ンフ」「ンフフフ」と独特な笑い方をする王騎は、圧倒的な貫禄があります。王騎役を演じるために、大沢さんは徹底的に肉体を鍛え上げ、その結果、20kgも体重アップしたそうです。

 長澤まさみさんの美しさと見事な剣さばき、大沢たかおさんの存在感は、どれもCGでは表現できないものです。CG技術と俳優自身の肉体表現が組み合わさることで、実写版『キングダム』は完成したと言えるでしょう。

■俳優たちの芝居をきっちり見せる佐藤監督

 佐藤信介監督はこれまでも、『GANTZ』(2011年)や『アイアムアヒーロー』(2016年)などの人気マンガの実写映画化を手掛けてきました。2時間前後という映画の長さに合わせ、原作コミックのエピソードをうまく取捨選択することで、『GANTZ』『アイアムアヒーロー』も成功させています。

 二宮和也さん&松山ケンイチさん(『GANTZ』)、大泉洋さん&有村架純さん(『アイアムアヒーロー』)ら演技力で定評のあるキャストを起用していることも、実写映画化の成功の要因でしょう。コスプレショーにならずに、生と死をめぐる見応えのあるドラマに仕上げています。

 CG描写に頼りすぎず、生身の俳優たちの芝居をしっかりと見せるのが佐藤信介監督のスタイルだと言えそうです。原作コミックを尊重し、過度な脚色をしない点も、原作ファンから信頼されています。

「夢があるから、強くなれる」

 第1作のクライマックスで、信はそう断言します。はたして、信は「天下の大将軍になる」という夢を叶えることができるのでしょうか。実写版「キングダム」シリーズが、信の成長をどこまで描くのかが楽しみです。

(長野辰次)

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