ゲーム業界に影響を与えた「名ハード」といえば？ 流れを変革した3大ゲーム機

■「あなたが好きなゲーム機」を教えて！

　コンピュータゲームは、パソコンやアーケードなどから発展しましたが、その魅力がより広く伝わった背景には、ファミリーコンピュータを始めとするゲーム専用機、いわゆる「ゲーム機」の活躍もあります。その躍進ぶりは凄まじく、時代と共にさまざまなゲーム機が登場し、記憶に残るプレイ体験を提供してきました。

　その歴史にふさわしく、数多くの名ハードが各時代を彩りましたが、思い入れのあるゲーム機は人それぞれでしょう。そこで今回は、特に影響が大きかった3つのハードをチョイスしてお届けします。紹介する名ハードをきっかけに、当時の思い出を振り返ってみてはいかがでしょうか。

1994年に登場した「PlayStation」が、当時のゲーム業界に多大な影響を与えた

●国民的な人気を獲得した最初の家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」

　国内におけるゲームハードの歴史を語るうえで、「ファミリーコンピュータ」を外すことはできません。本機の大ヒットで家庭用ゲームの市場が一気に拡大し、その後の発展に繋がる土台を作り上げた伝説的な名機です。

「『ドンキーコング』や『ゼビウス』などのアーケードゲームが家で好きなだけ遊べる」という魅力的な提案が注目を集め、『スーパーマリオブラザーズ』の大ヒットを皮切りに、『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』といったオリジナルタイトルが躍進。その人気を盤石なものとしました。

●任天堂一強時代を打ち破った革命児「PlayStation」

　ファミコン・スーパーファミコンと、任天堂のゲーム機が業界の中心を占める時期が長く続きました。当時、メガドライブやPCエンジンなどが健闘したものの、支持の厚さや話題作の多さでは、どうしても1歩譲らざるを得ません。

　そんな任天堂一強時代を打破したのが、初代「PlayStation」です。当時はまだドット絵のゲームも多かったなか、本機の性能は3D表現に特化。その大胆な挑戦は、『ファイナルファンタジーVII』の独占販売などに結びつき、たちまち時代の寵児に。こうした成果から、当時の任天堂ハード「NINTENDO64」とのシェア争いに打ち勝ち、さまざまな意味で新たな時代の象徴となりました。

「Nintendo Switch」は話題作のリリースが途切れず、インディーゲームも数多く配信するなど、手広い展開で長期的に活躍中

●当初の不安視を跳ね除け、6年目も人気絶頂な「Nintendo Switch」

　
　今現在、日本国内において最も新しい家庭用向けゲーム専用機は「PlayStation 5」です。しかし、半導体の不足などから生産が追いつかず、発売から1年半以上が経った今も需要に見合うだけの供給が行われていません。今後への期待が集まる一方で、快進撃へと至るにはまだ少し時間がかかる見込みです。

　そんななか、現行機では最も長期選手ながら、その勢いが未だ衰えない「Nintendo Switch」の躍進ぶりには驚かされるばかりです。登場から5～6年で次世代のハードにバトンタッチすることも多いこの世界で、6年目に突入しつつも、『スプラトゥーン3』や『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』、そして『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編と、話題作がまだまだ控えています。

　ライバル機との性能比較や、スマホと争う携帯でのゲームプレイ需要への懐疑的な視線などがあり、発売以前は不安視される声もあったNintendo Switch。しかし蓋を開けてみれば、多彩な人気作でミリオンヒットを連発、またインディーゲーム市場の受け皿としての役割も果たすなど、幅広い活躍を遂げています。単純な処理性能だけが成功の鍵ではない──ゲーム業界の奥深さを、Nintendo Switchが改めて示してくれました。

●アナタの思い出に残るハードは？

　今回、ゲーム史に転換期をもたらした3つのハードを振り返ってみました。しかし、名ハードはこのほかにも多数あります。アメリカで大ヒットした「メガドライブ」、携帯してゲームを遊ぶスタイルを改めて提案した「ゲームボーイ」、DVD再生機能を追い風にした「PlayStation 2」、2画面構成で可能性を広げた「ニンテンドーDS」など、思い起こせば枚挙に暇がないほどです。

　名ハードは数あれど、思い出に残るハードは、あなただけの大切な記憶。当時愛した、今も忘れられないゲーム機に、思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

（臥待）