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『ガンダム』ドアンは1年戦争を生き残れた? 待ち受ける「敵」を考察【ネタバレ】

マグミクス / 2022年7月24日 15時10分

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■ドアンが備えるべき「敵」は?

 好評公開中の劇場版映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』。6月3日に184館で公開された本作は、初代『機動戦士ガンダム』と同じ面子で、初代ガンダムが主役メカということもあり、6月19日時点で早くも観客動員数43万人突破と、大ヒットのようです。

 以下はネタバレとなりますが「映画の後で、ククルス・ドアンは生き残れたのか」について、考察していきます。

 まず、ドアンの思惑から考えます。映画の最後で、アムロはドアンのザクをガンダムで海に投げ捨てます。「戦いの匂いをなくすため」という理由ですが、ドアンは戸惑う孤児たちに「いいんだ。アムロくんはとてもいいことをしてくれた」と説明します。

 ドアンはサザンクロス隊を率いてきた歴戦のエース・パイロットです。「これ以上の戦いはしたくない」とは思ったでしょうけど、同時にアレグランサ島を攻撃していた、サザンクロス隊の兵力を想定したはずです。「自分のところに来ていない2名が、大陸間弾道核ミサイルを発射したんだな」くらいは考えるでしょう。

 なお、エグバの高機動型ザクにより、ドアンのザクは損傷していましたが、ガンダムに海に落とされただけです。宇宙で使える兵器であるザクが浅い海で使用不能にはならないでしょうから、恐らく使用可能です。島を攻撃したのは高機動型ザクの部隊ですから、そこから部品を集めれば最悪、修理できるとも考え、「いいんだ」と言ったのでしょう。

 実際には、ウォルドの乗った高機動型ザクは、アムロが水路に沈めただけです。ドアンザクの修理どころか、高機動型ザクをそのまま使用できます。サザンクロス隊は島で多くの射撃武器を投げ捨てていますから、フル装備で戦力化できるはずです。

 では、ドアンが備えるべき「敵」は存在するのでしょうか。ジオン軍から考えてみましょう。ジオン軍はオデッサの戦いに勝ち目がないことで、旧世紀の大陸間弾道核ミサイル(小説版にそう記述)を発射して、戦局逆転を狙ったくらいですから、これ以上、ドアン討伐に兵力は割けないはずです。

 ガンダムと共闘したことをジオン側は把握していないので「ドアンが単機でサザンクロス隊を返り討ちにした」というのがジオン側認識でしょう。これ以上の討伐は、シャアに新型機でも与えるしかないことになります。でも、核ミサイルももうないのですから、そこまでする戦略的な意義もないでしょう。無視すると思われます。

 連邦軍はどうでしょうか。こちらはアレグランサ島に関わる理由が十分にあります。物語の冒頭でブライトが受けた「ラス・パルマスを、近くゴップ元帥が通過するので、ジム2機を撃破した、アレグランサ島の残置諜者が脅威にならないよう、掃討しろ」という命令は、消えていないからです。

 命令を出したクライン中佐は、レビル将軍の北方軍に編入されたブライトに「それ(掃討任務)は他の者に」と言って、ホワイトベースをベルファストに急がせています。つまり「ホワイトベースは」アレグランサ島の調査から外れていますが、連邦軍から見た状況は何も変わっていないのです。

 ましてや、アレグランサ島から大陸間弾道核ミサイルが発射されたことは観測されていますから、軍事施設があることは間違いなく、まだ核ミサイルが残されている可能性も考えるなら「相当な兵力を投じて島を制圧し、調査する」ことは避けられないでしょう。

 なお、ホワイトベース側がドアンやアレグランサ島をどのように報告したのかは、描かれていません。最初にカイたちが撤収したあと、ブライトがクラインに「その(残置諜者掃討)任務にあたって、すでに犠牲者が出ているかもしれないんです」と発言している以上、その時点で「掃討作戦は失敗。ガンダムは行方不明、ガンキャノンは撤退した」と報告しているでしょう。

 この場合は、確実にアレグランサ島への調査部隊派遣は行われます。

 これを止められるとしたら、ブライトがアムロからの報告を受け「ホワイトベースの修理時間があるので、アレグランサ島の残置諜者を再調査しました。機体トラブルで行動不能だったガンダムをアムロが修理し、島にいたザクを撃破したとのことです。地下の軍事基地も調査しましたが、核ミサイルは全て発射され、これ以上の危険はありません」と、クラインに報告した場合でしょうか。

 この場合でも、クラインがブライトからの報告を盲信する信頼感の描写はなく、島から大陸間弾道弾が発射されている以上、調査部隊が再派遣される可能性はかなり高いです。

 前述したように、ドアン側には高機動型ザクがあるとは思いますが、戦っても多勢に無勢です。加えて、航空偵察すれば島の灯台が稼働し、人が住んでいることはすぐに判明しますので「島に何者かがいる」ことも、隠蔽不能でしょう。

 この場合、ドアンは「投降ジオン軍人」として逮捕され、島の秘密基地についての供述を求められます。孤児たちも連邦軍に保護され、その全員が秘密を隠せるとは思えませんので、ドアンと孤児たちの関係性も隠蔽しようがありません。

 ただ、そうした報告を受けるであろうゴップ元帥は、劇中でマ・クベが核攻撃で恫喝しても、屈しない胆力や大局観があります。腹芸もできる人物です。

 ジムやサザンクロス隊を撃破したドアンの操縦技術に目を付け「孤児たちを実質的な人質とした」上で、ドアンと交渉して、祖国ジオンと戦えと要求するのではないでしょうか。ドアンは「赤い彗星に匹敵する」とまで、ジオン側では言われるエースパイロットですから、そうした人物が寝返れば、相当な宣伝効果も見込めますから。

 そのような理由で、筆者の個人的な見解としては「あのまま孤児たちと終戦を迎えられた」とは考えられないと思う次第です。

(安藤昌季)

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