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「忍者タートルズ」は原作とだいぶ違う?しっぽが「アレ」に間違われ泣く泣くカットも…

マグミクス / 2022年7月25日 18時10分

「忍者タートルズ」は原作とだいぶ違う?しっぽが「アレ」に間違われ泣く泣くカットも…

■オタク男子の夢が世界に!ふざけた落書きが地球規模の富を生む

 気づけば当たり前のように「忍者タートルズ」はそこにいました。「そこ」とは私たちの周りという言い方もできますし、彼らが暮らしている「下水道」とも言えます。

「忍者タートルズ」とは正式名称ではありません。では「ミュータント・タートルズ」かと思えば、それもまた違います。正式には『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』。とても長いのです。

 この記事では世界中で愛され続けているあのカメ4人組がどのように生まれたのか。出自とともに言われてみれば気になる彼らの「設定」を詳しく掘り下げます。

●もともとは「同人誌」! あっという間に大ヒットへ

 彼らが生まれたのは1984年のアメリカ・ニューハンプシャー州。スーパー勤務のケヴィン・イーストマンと、ローカル新聞社で働いていたピーター・レアードのオタク男子が運命的な出会いを果たして意気投合。遊び半分で「ミラージュスタジオ」というスタジオを設立します。

 何案かの作品をコミック会社に送付するもあえなくボツ。失意のなか、ふざけて「カメのヒーロー」を描くと、着想は広がり私たちの知る『タートルズ』はあっという間に誕生したのでした。

 売れ行きはというと、これもまた超順調。自費出版で3000部を刷れば即完売。第8作目を刷る頃には13万部超。さらに玩具のライセンスの話が大手「プレイメイツ」か飛び込んできたかと思えば、販促するために1987年には「アニメ化」。実写映画化かもされ1990年には1億個のフィギュアが売れました。『タートルズ』はオタク男子版アメリカン・ドリームをわずか数年の間に叶えてしまった作品でもあったのです。

●「アニメ」と「原作」ではこうも違う? 実はカットされてしまったものも……

 私たちの『タートルズ』の知識の多くは日本でも放送されていた『アイドル忍者タートルズ』(BS2)、『ミュータント・タートルズ』(テレビ東京)によるものが多いでしょう。

 リーダーで二刀流の「レオナルド」(ハチマキは青)、子供っぽい性格で「釵(サイ)」という短刀を使いこなすラファエロ(赤)、「カワバンガ」が口癖で、ヌンチャクの達人であるお調子者のミケランジェロ(黄)、メカニックを得意とし、棒術に長けるドナテロ(紫)。まさに個性の徳用パックであった彼らですが、原作では大きく異なっています。

 下水道を舞台にした設定は同じですが、「原作」では復讐をテーマにしたダークな内容でした。そして何よりハチマキの色は全員同じで赤一色。なるほどマンガファンには受け入れられていたかもしれませんが、子供らをターゲットとするとなると、そうはいきません。上記のアメリカン・ドリームの背景には玩具会社、アニメ会社、各エージェント、そして原作者がそれぞれに妥協点を見出した結果としての大ヒットであったのです。

 なお、「原作」ではあったのに「フィギュア化」される際になくなったものがあります。それが尾の部分。生物としての亀には短い尾っぽがついていますし、原作タートルズにもそれがあります。しかし立体化してみたところ、「どう見てもおちんちん」という理由から大人の事情で泣く泣くパイプカットされてしまったのです。

●時代を超えて実写化、ゲーム化、まだまだ次の展開が?

 たった二人のオタク男子の手によって生み出された『タートルズ』は、その後も複数回のアニメ化、(着ぐるみでの)実写映画化三部作、ゲームソフト化と栄華を極めていくのですが……やはり盛者必衰。2000年代あたりから急激に玩具売り上げが落ちていくことになります。

 しかし、復活も早いのが『タートルズ』。2012年には早くもCGによる新シリーズが発表されこちらが大ヒット。さらに2014年には実写映画の新シリーズも公開されたことは記憶に新しいでしょう。さらに2022年8月5日にはNetflix限定のアニメ映画『ライズ・オブ・ミュータント・タートルズ: THE MOVIE』が公開されるとあり……まだまだ勢いは止まりそうにありません。

 小さい頃に『タートルズ』に触れた人々も親となり、自分の子供と一緒に観る機会も増えているかもしれません。ピザを食べながら観るべき作品として、これ以上のものを筆者は他に知りません。

(片野)

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